Myfxbookの使い方と見方。私の1ヶ月の裁量トレードをMyfxbookで検証してみました

Myfxbookの最大の魅力は、MT4/MT5口座とMyfxbookを連動させて、自動的にトレード成績を集計・分析できることです。しかも、全ての機能は無料で提供されています。

裁量トレードでも、検証⇒トレードルールの見直し⇒改善というサイクルが不可欠です。どれだけ利益が出るトレード手法であっても、通貨ペアや相場の状況によって微妙に異なります。

トレードで生計を立てているプロトレーダーの中には、1つ1つのトレードを細かく分析している人もいます。「相場は生き物」という言葉もあるように、ファンダメンタルや相場の状況に合わせて自身が手法を調整していかなければいけません。

バックテスト、フォワードテストというと自動売買トレードをイメージする人も多いと思います。しかし、裁量トレードでも自動売買トレードでも検証が大切です。

MyfxbookとMT4口座の連携手順については以下の記事をご覧ください。

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実際にMyfxbookを利用してみると、非常に見づらく感じるトレーダーが多いと思います。日本語表示もありますが、不自然な日本語の方が多く、Myfxbookの最も大きな弱点です。

ただ、Myfxbookはトレードの成績を見直すことのできるトレードの教科書です。Myfxbookの見方が分かれば、自分のトレードの弱点を見極め、裁量トレードの成績を改善するきっかけになるのではないかと思っています。

Myfxbookレポートで理解できること
  • 自分のトレード手法ではどの曜日・時間帯が最適か
  • きちんとストップロスができているか
  • 衝動トレードをしていないか
  • 塩漬けポジション」を保有するクセはないだろうか
  • 自分のトレードルールだと、何Pipsで損切りするべきか
  • 含み益がでたポジションを損失で終わらせていないか

最大の注目ポイントは後半の3項目です。Myfxbookを活用すれば、損切りがなぜトレードに必要なのか、データで理解できます。

また、Myfxbookが更新されないと悩んでいる方は、4章(Myfxbookが更新されないときはどうする?【トラブルシューティング】)をご覧ください。

記事の注目ポイント
  • Myfxbookレポートがなぜ魅力的なのか
  • 各レポートが示す具体的な内容
  • MAE/MFEって何?
  • Myfxbookの手動更新の方法

この記事では、私が実際に約1ヶ月間トレードを行ったMyfxbookのレポートを公開し、トレードを見直す手順を解説していきます。同時にMT4のレポートだけでなく、Myfxbookを活用するメリットも紹介します。

補足

この記事では、主に裁量トレーダー向けに解説をします。

目次

私がMyfxbookレポートを活用する理由

この章では、簡単なMyfxbookの機能とMT4レポートとの違いについて解説していきます。

今回紹介するのは、Myfxbookのポートフォリオタブです。以下のように6つの構成になっています。
Myfxbookの構成

私が主に活用しているMyfxbookの機能は以下のとおりです。

Myfxbookの主な機能
  • 日ごとのドローダウン(チャート)
  • 衝動トレードをしていないか(トレーディング>Browser)
  • 含み損や利益確定は適切か(詳細統計>MAE/MFE)
  • 個別のトレード分析(トレーディング活動>履歴)

自動トラッキングできる

Myfxbookは、MT4と連携させて自分のトレードを自動トラッキングできることが最大の魅力です。最初にMT4口座と連携さえしてしまえば、全てのトレード成績が自動で記録されます。

口座ごとにポートフォリオの作成が可能

例えば、XMではスイングトレード、Traders Trustでは自動売買トレード、Titan FXはスキャルピングとトレードスタイルごとに分けていても、1つのMyfxbookアカウントで管理できます。

MT4レポートと何が違う?

MT4レポートとMyfxbookの違いをまとめてみます。MT4レポートは、期間を指定し、期間全体の勝率やリスクリワード、損益推移などを表示します。
MT4レポートとMyfxbookの違い

一方、Myfxbookであれば、個別のトレードを分析できます。トレーディング活動(Trading Activity)>履歴(History)に過去のトレード記録が表示されます。

Myfxbookのトレード履歴

例えば、一番上のトレード記録を見てみます。オープン価格や決済価格、最終損益などが表示されていますね。ここまではMT4と同じです。右側にあるグラフマーク上にカーソルを合わせると、黒枠の詳細データが表示されます。これがMT4レポートとの大きな違いです。

黒枠の詳細データの見方は 2-5-1 Historyの隠れた黒枠に価値がある【History/履歴】 で解説します。

ワンポイント

MT4のデータは簡易的ですが、Myfxbookは1つ1つのトレードの検証が可能です。Myfxbookは自動トラッキングができるので、MT4と連携すれば操作は必要ありません。自動売買トレードであれば、フォワードテストのレポートとして活用できます。

私のトレードをMyfxbookで検証してみる【検証編】

ここでは、私の1ヶ月のトレードデータを例に、どのようにMyfxbookで検証していくのかを具体的に解説します。

正確に表現したいので、参考画像は英語版を使用します。

補足

  • 期間:2021年2月17日~2021年3月15日
  • 手法:通貨強弱を使った順張り

通貨強弱の具体的手法については、別の記事で解説します。

通算成績の概要を確かめよう【info/情報】

Stats(統計)

Myfxbook 統計(Stats)

ここでは、ポートフォリオの通算成績を確認できます。

Stats(統計)の項目

Gain(損益) 時間加重リターン/トータルリターン
(入出金の変動を除いた損益率)
Abs.Gain(絶対損益) 入出金の変動を考慮した損益率
Daily(日次) 1日ごとの平均利益率
Monthly(月次) 1ヶ月ごとの平均利益率
Drawdown(ドローダウン) 最大ドローダウン
Balance(残高) 口座残高
Equity(有効残高) 含み益/含み損を合計した口座残高、有効証拠金
Highest(最高残高) 過去最高残高
Profit(損益) 現在の含み益/含み損の合計
Interest(利子) スワップポイントの合計
Deposits(入金額) 累計入金額
Withdrawals(出金額) 累計出金額
Tracking(トラッキング) 統計データを
お気に入り登録(フォロー)している人の数

 

Info(情報)>Stats(統計)で注目するのはGain(損益)です。

時間加重リターン/トータルリターン

投資ファンドやポートフォリオの評価するために用いられる指標。現金の入出金の影響を除いて、元本がどれだけ投資によって増えたのかを示します。

今回の私の成績データは約1ヶ月なので、もう少し様子を見る必要があると感じます。Abs.Gain(絶対損益)がプラスになっていても、Gain(損益)がマイナスになる場合もあります。その際には、自分のトレード手法を見直すことが大切です。

ワンポイント

通算成績は、Info(情報)>Gain(損益)に注目する!

日ごとの成績を確かめる【Chart/チャート】

通算成績を確認したら、日ごとの成績を分析します。私が最も注目しているのはDrawdownです。

順番に解説していきます。

Growth(成長)

Growth(成長)のグラフ

項目 意味
Equity Growth 有効証拠金の成長率
Growth 口座残高の成長率

成長率をグラフの推移で分析できます。少しずつ右上がりになっていくのが理想ですが、データを計測した期間は難しかったようです。1回の損失額が大きすぎたと考えています。

Balance(残高)

Balance Myfxbook

項目 意味
Equity 有効証拠金の推移
Balance 口座残高の推移

Profit MyfxbookProfit(損益)

項目 意味
Profit 利益の推移

Drawdown(ドローダウン)でリスクが一定か確認する

Drwadownの推移 Myfxbook
私が最も注目するのは、Drawdown(ドローダウン)です。

ドローダウン

過去最大資産からの下げ幅。システムトレードと同様に裁量トレードでも意識する必要があります。ドローダウンは避けられないが、できるだけ低く、短い期間にすることが大切です。

例えば、過去最大資産が100万円になった後、70万円まで資産が下落してしまった場合のドローダウンは30%です。私のトレードの場合、ドローダウンが平均10%前後なのですが、リスクが過剰になりすぎてしまった日がありました。

項目 ドローダウン
A 27.1%
B 21.8%

過剰なドローダウンが発生してしまう原因を考えたいと思います。

過剰なドローダウン発生の原因
  • ポジション量が大きすぎる
  • ストップロスが適切ではない
  • 衝動トレードを繰り返す

私のトレードは過剰なリスクが原因だったようですので、客観的に、簡単にリスク管理ができる方法を検討していきます。

海外FX業者はハイレバレッジトレードができることが魅力なのですが、ついつい大きなポジションでエントリーしてしまうことがあります。もちろん、スキャルピングのようにポジションを保有する期間が短ければ、やや大きめのポジションでも問題ありません。

1回のポジションのリスクが2%以内に抑えられるようなポジション量が理想といわれています。が、1回1回計算するのは現実的に難しいと思うので、以前紹介したSpeed MT4でリスク管理する方法を考えました。

SpeedMT4 実効レバレッジ

Speed MT4のオプション画面>拡張領域で実効レバレッジという項目を選択して、表示させます。

Speed MT4はMT4の弱点を補完するツールで、全部無料で利用できます。MT4を使っているなら必須と思っています。全決済もポジション管理も注文も全部SpeedMT4で可能です。Speed MT4の入手方法や使い方、機能などは以下の記事をご覧ください。

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レバレッジを掛け過ぎないように、今後のトレードでは実効レバレッジを30~50倍に抑えようと思います。ハイレバレッジが利用できる海外FX業者の意味があるのか?と言われればそれまでですが・・・。ゼロカットシステムがあるだけで十分です。国内FX業者は最大レバレッジ25倍なので、それよりは断然ましです。

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Myfxbookから分かった改善点

リスクが過剰になり過ぎていたので、実効レバレッジを今後のトレードで意識する。

衝動トレードをしていないか確認する【Trading/トレーディング】

Tradingの項目で確認するのは、Browserです。チャートと履歴が表示される項目ですが、MT4よりも断然見やすいデザインです。この項目では、「衝動トレード」をしていないかどうかを確認します。

Periodsで期間ごとの損益を確認する

期間ごとの損益を確認する Myfxbook

Trading>Periods(期間)では、4つの期間ごとのデータを閲覧できます。

Today 当日
This Week 1週間
This Month 1ヶ月
This Year 1年間

Browserタブで衝動トレードを確認する

衝動トレードを確認する Myfxbook

MT4でもチャートに履歴を表示できるのですが、非常に見にくいデザインです。Myfxbookの方が、どのタイミングでトレードしたかが確認しやすいと思います。

Browserタブには、通貨ペアごとにチャートが表示されます。Bが買いポジション、Sが売りポジションの履歴です。

期間を戻したいときは、下部の期間タブを移動させてください。過去の履歴をさかのぼって表示することも可能です。左クリックを押したままマウスを左に動かすと、過去のチャートを表示できます。

私のトレードの弱点の1つが衝動トレードです。チャートに何度も同じマークが表れていると、衝動トレードをしてしまっている可能性があります。

また、3章の内容にもつながりますが、大きな利益を獲得できているポジションは、ほとんど含み損が発生しないという傾向があるようです。トレンドフォローであれば、より顕著に表れます。

Myfxbookで分かった改善点
  • ポジションを決済したら、新規トレード根拠が出るまでエントリーしない。
  • 分割決済を利用する。

成績を細かく分析して弱点を探る【Advanced Statistics/詳細統計】

この章では、トレードをより細かく分析できるAdvanced Statisticsについて解説していきます。

Trades【歩み】 ・・・ 勝率だけにこだわらない

Advanced Statistics Myfxbook

Trades(歩み)では、トレード全体の詳細分析が可能です。

Trades トレードの数
Profitability 勝率(A)
Pips 獲得Pips
Average Win 平均利益
Average Loss 平均損失
Lots 全Lots数
Commissions 取引手数料(スプレッドやスワップを含めない)
Longs Won 買いポジションの勝率
Shorts Won 売りポジションの勝率
Best Trade(¥) 最大利益となったトレード
Worst Trade(¥) 最大損失となったトレード
Best Trades 最大獲得Pipsのトレード
Worst Trades 最大損失Pipsのトレード
Avg.Trade Length ポジションの平均保有時間
Profit Factor
(プロフィットファクター/利益率)
リスクと利益の比率
(どれぐらい効率の良いトレードができているかを計る数値)
Standard Deviation(標準偏差) リターンとのブレを示し、数値が大きいほどリスクが大きくなる(詳細不明)
Sharpe Ratio(シャープレシオ) 数値が高いほど効率の良いポートフォリオであることを示す。
Z-Score 下記参照
Expectancy(期待値) どれぐらいの利益が見込めるかを示す数値
AHPR 算術平均(単純平均)
GHPR 幾何平均(投資ではこちらの方が一般的)

図のAの表を解説します。この部分の日本語Verは、不自然な日本語になっているため、分かりにくいと思います。

図Aの解説

How many Trades were won?
Won 95 out of 182 Trades ,which represents 52%
Won 87 out of 182 Trades ,which represents 48%

和訳
182回のトレードのうち、95回勝ちましたので、勝率は52%
182回のトレードのうち、87回負けたので、勝率は48%

勝率が高くても、総収益がマイナスになってしまうことがあります。デイトレードやスイングトレードの勝率は約5割~7割が目安です。スキャルピングなどは8割~9割の勝率がある方がよいといわれています。勝率を気にするトレーダーも多いのですが、私が注目しているのはZ-Scoreという指標です。

Z-Score

正の値が大きいほど、勝ち/負けが交互になる確率が高いことを示します。ドローダウンが低くなりやすいと判断します。

一方、負の値は、勝ち/負けが連続する確率が高くいことを示します。連続して大きくPipsを稼ぐこともありますが、負けが連続してしまう可能性も同様に高くなりやすい傾向があります。このようなポートフォリオは、ドローダウンも合わせて確認する必要があります。

Z-Scoreは勝ち続けやすいか、負け続けやすいかを数値で示した指標です。

高いから良いとか、低いから優秀というわけではありません。ポートフォリオの特性を知ってトレードルールを作成すればよいのです。

私の場合、Z-Scoreの数値がマイナス-3.62でした。つまり、大きくPipsを稼ぐ確率が高いが、負けが連続する確率も高いということが理解できます。

そのため、損失で終わったトレードの後は、少し時間を置く必要があります。そうすれば、落ち着いて新しい相場に取り組めそうです。

Myfxbookで分かった改善点
  • 勝ちが連続し、その後、負けトレードが発生したときはトレード休止
  • 勝ちトレードは連続しやすいので、積極的にトレードする

Summary【概要】 ・・・ 通貨ごとのデータ

通貨ごとの損益を確認する Myfxbook

Summaryでは、通貨ごとの成績と取引の方向別の通算成績を確認できます。

右端の小さな折線グラフ型のアイコンをクリックすると、上の画像と同じように棒グラフと折線グラフが表示され、通貨ペア別に一定期間ごとのグラフを確認することも可能です。

また、ウィンドウ右上の3つの黒丸をクリックすれば、グラフの基準単位をProfit(金額)からPipsへと切り替えられます。

Hourly【毎時】 ・・・ 成績が出る時間帯時間ごとの損益を確認する Myfxbook

時間帯によって利益が出るか、出にくいのかを判断するタブがHourly(毎時)です。

注意

MT4のシステム時間が表示されます。ほとんどの海外FX業者のシステム時間はGMT+2(標準時間)です。日本時間はGMT+9なので、7時間の時差があります。

私がよくトレードしているのはロンドン市場です。上記の画像では9が最も取引されている時間です。時差が+7時間なので、日本時間では17:00となります。トレンドの勢いを狙う手法なので、ロンドン市場が最適であることが客観的に理解できますね。

Daily【日次】 ・・・ 曜日ごとの成績

曜日ごとの損益の確認

Dailyでは曜日ごとの成績を確認できます。

Risk of Run【破産リスク】 ・・・ 表の見方を理解する

Risk of Ruinは潜在的なリスクを確認することができるデータです。

ポートフォリオの潜在リスクを確認する Myfxbook

Loss Size 口座残高に対する損失の割合(%)
Probability of Loss リスク(確率)(%)
Consecutive Losing Trades 損失を被る条件:連敗の数

表の青枠の部分は以下のように理解します。

ポートフォリオの潜在リスク

現時点で、53.68%の確率で資産の60%を失う。条件は連続して377回の負けトレードになること。

この表だけを見ると、私のトレード手法を早急に見直す必要がありそうです。潜在的なリスクが思ったよりも高い結果となりました。もしかしたら、ポジション量が過剰になっていることが影響しているのかもしれません。ただ、377回連続して負けるというのは、別の問題がありそうな気がします。

Duration【期間】

Duration(期間)タブでは、期間中のポジション保有時間と成長率を確認できます。比較対象を損益やPipsにすることも可能です。上記の図を見ると、私のトレードは数時間がほとんどです。利益が出ているポジションを決済せず、何時間も待てないという性格が関係しているのかもしれません。

MAE/MFE【最大逆行幅/最大順行幅】

MAE/MFE Myfxbook

MAE=最大逆行幅MFE=最大順行幅を示します。このMAEとMFEはMyfxbookの最大の魅力です。解説することが多いので、3章で詳しく解説したいと思います。

1つのトレードから何を分析するのか【Trading Activity/トレーディング活動】

Trading Activity(トレーディング活動)の中で最も活用するのがHistoryだと思います。MT4のレポートと同じようにエントリー価格や決済価格などの情報がまとめられています。

Historyの隠れた黒枠に価値がある【History/履歴】

Myfxbookのトレード履歴

私が注目するのは隠れた黒枠のデータです。右端のグラフの部分にカーソルを合わせると、黒枠のデータが表示されます。

Historyの黒枠 Myfxbook

黒枠のデータ(個別トレードの分析)

1 Time Profitable 詳細不明
2 Drawdown 最大の含み損(Pips)
3 Risk Reward リスクリワード(MAX÷MIN)
4 Max 詳細不明(判明次第追記)
5 Min 詳細不明(判明次第追記)
6 Profit Missed 最大含み益から何Pips離れて決済したか
7 Entry Accuracy 正しくエントリーできたか
8 Exit Accuracy 正しく決済できたか

ドローダウン(番号2)はイメージしやすいと思いますが、その他の項目はMyfxbookならではのデータです。Entry Accuracy(番号7)とExit Accuracy(番号8)の数値が100%になっているトレードが最も良いトレードです。

上記の表を例に考えます。

Entry Accuracyは66.0%となっているので、エントリーが少し早かった可能性があります。一方、Exit Accuracyは87.3%なので、良いタイミングで決済できたと判断できます。

Time Profitableは100%が最も良い数値です。どのような計算式なのかが不明なのですが、100%になっているトレードは全く含み損が出なかったポジションでした。おそらく、ポジション保有期間のうち、含み益が出ていた時間の割合を示しているのかなと考えています。

トレード成績を向上させるヒントを探る【応用編】

この章では、Myfxbookの魅力であるMAE (最大逆行幅)とMFE(最大順行幅)について解説していきます。聞きなれない言葉かもしれませんが、どれぐらいの含み損を許容するべきなのか、何Pipsの含み損で損切りするべきなのかが理解できます。

統計的に、エントリーした直後の動きを見ると、勝ちトレードと負けトレードの共通点があるようです。実際に私の成績を例に考えていきます。

MAE/MFEって何?

MAEとMFEの基本 Myfxbook

買いエントリー(番号1)をした後に、そのまま予想どおりに上昇する場合もあれば、下落することもあります。最も含み損が大きくなった価格とエントリー価格の差を「最大逆行幅(番号2)」です。MAEとも呼びます。

その後、勝ちトレードになる場合、含み損がなくなって利益が出ます。最も利益幅が大きくなった価格とエントリー価格の差が「最大順行幅(番号3)」です。英語の頭文字をとって「MFE」とも呼ばれます。

価格がエントリー方向と逆方向に進むことを「逆行」と言います。

最大逆行幅(MAE)

エントリーした価格から損失となる方向に進んだ最大の幅を「最大逆行幅(MAE)」と呼びます。

価格がエントリー方向に進むことを「順行」と言います。

最大順行幅(MFE)

エントリーした価格から利益が出る方向に進んだ最大の幅を「最大順行幅(MFE)」と呼びます。

専門用語が並んでしまったので、簡単に言い換えたいと思います。

  • MAE = 最大含み損幅
  • MFE = 最大利益幅

つまり、含み損と含み益の大きさを見れば、トレードの弱点や特性が把握できる!という考え方です。

私が最大逆行幅の理論を学んだ本

最大逆行幅や最大順行幅という考え方はジョン・スウィーニー氏が提唱しました。特徴は、エントリー後の価格の動きに注目していることです。

彼は良いトレードは、ポジションに不利な方向にそれほど大きく動くことなく利益を出す。悪いトレードは不利な方向に大きく動き、有利な方向に動くことはほとんどないと言っています。

詳しくは以下の本に書かれています。内容は上級者向けですが、非常に有用な考え方だと思います。興味があれば読んでみてください。損切りか保有化を決める最大逆行幅入門-トレーディングの損失を最小化するリスク管理法-

裁量トレードのMAEとMFEには、トレード成績を向上させるヒントがたくさんあります。

負けトレードの共通点を探る【MFE/最大順行幅】

AUD/CHF(豪ドル/スイスフラン)の負けトレードを1分足チャートに表示しました。

負けトレードのMFEは小さい

買いエントリーした後、数分間は順行(含み益の状態)しましたが、しばらくすると、逆行(含み損の状態)してしまいました。その後、含み益になることはなく、損切りとなりました。

経験があるかもしれませんが、思った以上に利益が出るポジションというのはエントリー直後から予想どおりの動き方をする傾向があると思います。反対に、負けトレードになりやすいポジションは、すぐに含み損になってしまい、予想どおりの相場にならない傾向があります。

もちろん、誤差はありますが、ほとんどの勝ちトレード、負けトレードに共通していることでした。

MFEと負けトレードの関係

負けトレードのポジションは、含み益の期間が短い

勝ちトレードになるかはエントリー直後に分かる?【MAE/最大逆行幅】

GBP/JPY(ポンド/円)のトレード履歴の1分足チャートに表示してみました。

勝ちトレードのMAE

注目するのは、MAE(最大逆行幅)です。

売りエントリー後、わずかに含み損となったものの、すぐに予想どおりの動きとなりました。含み損になった時間は5分未満です。すぐに含み益の状態になり、どんどん利益が膨らんでいます。

MAEとトレードの勝敗の関係をまとめてみます。

最大逆行幅とトレードの関係
  • 勝ちトレード・・MAE(最大逆行幅)は小さな数値になる傾向がある
  • 負けトレード・・MAE(最大逆行幅)は大きな数値になる傾向がある

含み益や含み損の大きさがトレードの勝敗に関係しているということです。まとめてみます。

MAE/MFEとトレードの勝敗
  • 勝ちトレードは、含み損がほとんどない(MAEが小さい)
  • 負けトレードは、含み益がほとんど発生しない(MFEが小さい)
  • 一定の逆行幅を超えたポジションは、利益が出る確率が極めて低くなる

次の章で、Myfxbookのデータを使って、トレードの弱点を把握し、改善する具体的な方法を検討したいと思います。

損切り設定が適切か、考える【MAE/最大逆行幅】

MAE(最大含み損幅)と獲得Pipsで比較します。単位の変更は、右上の黒マルで変更できます。

最大逆行幅と獲得Pips

ほとんどの緑マル(勝ちトレード)の含み損は40Pips以内に収まっています。私の場合、40Pips以上の含み損が発生したら、利益になる確率はほとんどゼロです。

Aグループは、40Pips以上の損失を出した負けトレードです。5つの赤マルがあります。履歴を調べてみると、収益に大きく影響していることが分かりました。この負けトレードを減らすことができれば、収益をもっと改善できます。

新たに損切りに関するルールを追加してみます。

トレード手法の改善点

最大ストップ値を40Pipsにする

含み益を損切りで終わらせない【MFE/最大順行幅】

最大順行幅と獲得Pips

A 最大含み益(MFE)となった価格で決済をポジション
B 含み益が発生したが、逆行して決済をしたポジション
C 大きな含み益が発生したが、最終的に損切りとなったポジション
D ほとんど含み益が発生せず、損切りとなったポジション

注目するのはCグループです。含み益を損切りで終わらせるのは、心理的ダメージが大きく、できるだけ少なくするのが理想です。Cグループは含み益が20~25Pips前後になった後、逆行して決済になったことが分かります。

やはり改善策はトレーリングストップだと思います。しかし、MT4でトレーリングストップを利用するにはVPSが必要です。気になっているのが、MetaQuotes社が提供しているVPSです。移行がワンクリック、MT4画面で管理ができます。

トレードに損切りが不可欠な理由

損切りが苦手というトレーダーは多いと思います。損切りが好きなトレーダーは皆無です。(当たり前ですが・・・)しかし、トレードで成功するためには損切りが不可欠であるというストレスとトレーダーは闘わなければいけません。

損切りが不可欠な理由をMyfxbookのデータで解説したいと思います。以下で、MAEとMFEの関係を分類してみました。

MAEとMFEの関係

Aグループ 負けトレードがほとんど
Bグループ 勝ちトレードがほとんど

Aグループは含み益がゼロに近く、エントリー直後からポジションと逆方向に動いています。

一方、Bグループは、多少の含み損が発生しても、時間を経るにつれて徐々に含み益と変わったと推測できますね。15Pips以上の最大含み益(MFE)が発生したポジションの最大含み損幅(MAE)は20Pips以内というのは興味深く感じます。

つまり、15Pips以上の利益が期待できるポジションは、20Pips以上の含み損が発生する確率が小さいということです。

私の手法の場合、20Pipsの含み損幅というのが大きな節目になっています。20Pips以上の含み損が発生していたら、本当に保有し続けるべきなのか、考える必要があります。逆に20Pips以内の含み損であれば、見守るべきでしょう。

ぜひ自分のMyfxbookの記録をチェックしてみましょう。

Myfxbookが更新されないときはどうする?【トラブルシューティング】

Myfxbookは各MT4口座のトレード履歴を自動トラッキングしますが、更新が遅れることがあります。

約2~3時間ごとに更新することもあれば、半日かかるケースもあるようです。また、何かのエラーが発生してしまい、自動トラッキングできなくなってしまうこともあります。

この章では、Myfxbookの手動更新の方法を具体的に解説したいと思います。

STEP1:ポートフォリオ>アカウント作成

上部タブ>ポートフォリオ>アカウント作成をクリックします。

STEP2:アカウント>編集

各ポートフォリオの管理画面で「接続」がアクティブになっていることを確認します。アクティブになっていることを確認したら、手動更新したいポートフォリオの「編集」をクリックしてください。

STEP3:検証(オプション)>Connect

上記のような画面が表示されます。

検証(オプション)を開き、「投資家のパスワード」の欄にあるConnectをクリックしてください。

Connecting your account(接続中) ⇒ Connected Successfully(接続完了)

というステータスが表示されていれば、手動更新が完了です。

エラーが発生した場合は、もう一度MT4とMyfxbookを連携してみてください。それでも、エラーが出続けている場合、FX業者側に問題が発生している場合があります。カスタマーセンターに尋ねれば、改善策があるかもしれません。

XMTitanFXAxioryなどは正常に連携できます。海外FX業者のMT4の方が連携もスムーズです。国内FX業者の場合、MT4はデータ閲覧のみとしているFX業者もあります。

XMであれば、ボーナス、ハイレバレッジ、ゼロカットシステム、日本語サポートなど全てがオールマイティにそろっています。

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まとめ

ここまで、Myfxbookを分析して分かったトレードの改善点をまとめてみます。

Myfxbookから分かったトレードの改善点まとめ
  • 実効レバレッジを今後のトレードで意識する
  • ポジションを決済したら、新規トレード根拠が出るまでエントリーしない
  • 分割決済を利用する
  • 勝ちが連続し、その後、負けトレードが発生したときはトレード休止
  • 勝ちトレードは連続しやすいので、積極的にトレードする
  • 40Pips以上の含み損を抱えない
  • 含み損が20Pipsを超えたら、要注意ポジション

あくまで私の手法の分析なので、トレーダーごとに結果が全く異なると思います。デモ口座でも構いませんので、1ヶ月~3ヶ月ほどのトレードを自己分析してみてください。3章の内容は、聞き慣れなかったかもしれませんが、トレードの成績を向上させるヒントが詰まっています。

Myfxbookは自動売買EAのデータを分析することにも利用できます。

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この記事を書いた人

情報収集が好きなサラリーマンです。主にEAを使ったFX自動売買や裁量トレードを行っています。ハイレバレッジと追証なし(ゼロカット)の環境を求めて海外FXに移行&海外に移住。今ではもっぱら海外のブローカーを使いまくっています。実体験を基に、信用できる情報発信ブログを目指していきます。