[丸わかり]FXの取引時間を徹底解説!|市場が動く時間帯は?時間外取引はできるの?

FXを始めよう!と考えて基本的な用語を押さえたら次に湧く疑問のひとつに、

実際いつから取引を始めたらいいの?

というものがあるかと思います。他にも、

『自分の生活時間内でFXトレードをする時間がとれるかな?』

『そもそもFXっていつ取引できるの?』

そんな疑問もあるかもしれません。

タイミングに合った取引ができれば、利益もより大きくなるでしょう。逆に、相応しくないタイミングで基礎知識を実践してもせっかく学んだのに利益に繋がっていきません。

今回はFX取引時間を1日・1週間・1年の様々な視点からお伝えできればと思います。気になる「チャートが動く時間」もご紹介。
さらに、取引外時間の過ごし方についても考えていきましょう。

FXの取引時間

FXはいつ取引できるのか?単刀直入に言うと平日であれば24時間取引できます。

FXのトレードを行う「外国為替市場」ですが、実は実体があるわけではありません。よって、具体的な「オープン時間」・「クローズ時間」があるわけではないのです。

世界各国、昼間の時間に活動しますよね。各国のトレーダーたちは取引もその時間に行います。そのため各国の活動時間を反映した形でFX取引も増減します。

為替取引が盛んになる時間帯を「市場が開く(オープン)」と表現し、取引が少なくなる時間帯は「市場が閉じる(クローズ)」と表現されます。

世界の為替市場が開いている限り、取引を行うことができます。

市場ごとの取引時間帯と特徴

取引自体は24時間可能ですが、1日を通して為替レートが一定なわけではありません。

FXは為替差で利益を出すので当たり前と言えば当たり前ですね。チャートは常に変動し続けるのでリアルタイムレートで取引できます。FXではなく外貨預金では1日1回しかレートは変更されません。

FXについて勉強していると「世界3大市場」という言葉が出てきます。見たことはあるでしょうか?取引量の多い3つの市場、東京市場・ロンドン市場・ニューヨーク市場の3つを指しています。この3つの市場が開いている時間を目安にして取引時間帯も大まかに3つに分類することができます。

取引時間帯の分類時間(日本時間)世界3大市場
アジア時間6時~15時東京
欧州時間15時~21時ロンドン
米国時間21時~翌6時ニューヨーク

時間帯の分類に関しては、開いている市場は一箇所のみではありません。周辺の国々の市場も開いています。例えばアジア時間には東京市場のみが開いているわけではなく、オセアニア市場などの開いている時間も含まれています。

図:3大市場の取引時間帯

世界3大市場のうち2ヶ所、ロンドン市場とニューヨーク市場のオープン時間が重なっているのが日本時間20時~翌2時です。なかでも22時~翌2時は最も取引が多い時間帯です。

必ずではありませんが、取引が多いと流動性も高くなりやすいです。また、どの市場でもオープン直後は値動きが激しい傾向にあります。

取引をする際は常に時間をチェックしておきましょう。市場の特性を知り、それを意識することで優位にトレードをすることができます。ところで、

24時間取引できるなら、1日の区切りはいつなんだろう?

そんな疑問が浮かびませんか?

ニューヨーク・クローズ(NYC)

1日の区切りは世界3大市場のうち最も遅く閉まるニューヨーク市場の取引終了をもって基準とされます。
具体的にはNY現地時間で17時、日本時間で早朝5時~8時です。

この時間のレートを「ニューヨーククローズレート」と呼びます。ニューヨーククローズレートはロールオーバー処理に使われます。様々な処理の基準になるレートです。

ロールオーバー処理とは値洗い(現在保有しているポジションの時価評価を行うこと)やスワップポイントの計算を行ったりすることです。特に、スワップポイントで利益を出すのはFXならではの考え方なので、日をまたいでポジションを保有する場合は重要です。

アジア時間

日本時間で6時~15時頃のアジア諸国における取引が多い時間をアジア時間と呼びます。
他の時間帯に比べてアジア時間は取引する人が少なく、値動きも少ないです。

アジア時間のポイント
  • レンジ相場になりやすい
  • 円が関わっている通貨ペアの取引がしやすい
  • 9時55分の仲値発表に合わせて値動きしやすい
  • 15時ごろは値動きが活発になる傾向がある
  • 大きな利益を狙うのが難しい

値動きが横ばいするレンジ相場になる傾向があります。理由として、この時間帯は「逆張りから入る人」が多いことが挙げられます。逆張りが多いと買いも売りも支えられるため、結果としてレンジ相場になるのです。

値動きが緩やかなので大きな利益を狙うのは難しいですが、逆に大きな損失が出ることも比較的少ない時間帯です。少額の利益であれ、朝の早い時間帯に少しでも稼げれば、1日を気分良く過ごすことができそうですね。

実際、サラリーマンのFXトレーダーは出勤前にお小遣いを稼いでから仕事に行く、という方もいるようです。
慣れてきたら朝の東京市場の動きを見て1日の流れを予想し注文しておき、夜に取引を終わらせるような手法もあります。

東京市場自体は9時頃オープンで、ドル円を中心に為替が動きやすくなります。ドルストレートもクロス円も、とにかく円が関わっている通貨ペアの取引が多くなります。日本人の初心者はまず円を絡めた取引をすることが多いと思います。そのような方はこの時間帯がトレードしやすいでしょう。
9時以前もオセアニア市場などが開いていますが1日の中でも特に取引量が少ない時間帯です。

アジア時間に無視できないのが仲値の発表です。仲値により金融機関と顧客との取引レート基準が決定されます。仲値は9時55分頃のレートを基に設定されますが、この時間帯はドル買い、円売りの傾向が強くなり動きが荒くなります。

また、東京市場の閉まる15時頃は東京オプションカットの影響もあり、値動きが活発になる傾向があります。

レンジ相場(ボックス圏相場)

トレンドがない、横ばい相場の状態をレンジ相場(ボックス圏相場)といいます。上値抵抗線と下値支持線の間で行ったり来たりを繰り返します。

図:レンジ相場の例

相場を大きく動かすようなニュースや要素がないときに、トレンドとトレンドの間で相場が横ばいになります。
もちろん、為替は常に動き続けるので、ある時点でレンジ相場だとしても永遠に続くわけではありません。

レンジ相場の見極めはテクニカル分析で可能と言われています。初心者はまずテクニカル分析から実践することが多いので、初心者でもトレードしやすい相場の形と言えますね。とは言えレンジ相場の取引は非常に奥が深いです。見極めも難しい部分がありますが、以下の動画も参考になるかと思います。

欧州時間

日本時間で15時~21時を指します。
世界3大市場のうちでも最も取引量の多いロンドン市場を含む、ヨーロッパ諸国の市場が開いている時間帯です。

欧州時間のポイント
  • 値動きはアジア時間と米国時間の中間程度のイメージ
  • ユーロの取引が活発
  • 取引通貨が幅広い
  • トレンドが生まれやすい

ロンドン市場がとても大きいため欧州市場≒ロンドン時間として紹介されている情報もしばしば見られます。しかし、ロンドン市場が開き始めるのは日本時間夕方17時頃からです。モスクワ・フランクフルト・パリなど、横に長い欧州全ての市場を含んでいます。

アジア時間より値動きが大きいですが、次に紹介する米国時間帯よりは控えめです。

欧州時間に入る15時頃からユーロやポンドなどの取引が活発になります。中でも最も取引量が多いのはやはりユーロです。米ドルや円以外の通貨の取引をしてみたい方はこの時間にユーロの取引をしてみてはいかがでしょうか。ユーロだけでなく欧州時間には中東やアフリカ諸国の市場も開くため、トルコリラや南アフリカランドなど幅広い通貨の取引量が増えます。

欧州時間は経済指標が多く発表される時間帯でもあり、国際的な政治・経済ニュースの影響を受けやすい時間です。取引量も多く、市場参加者が多いことが特徴で、トレンドが生まれやすい傾向にあります。

米国時間

初心者も取引しやすい時間帯です。日本時間で21~6時の間を米国時間といいます。

米国時間のポイント
  • 世界の基軸通貨である米ドルが動きやすい
  • 最も値動きが活発な時間帯
  • 注目度の高い経済指標の発表が多い
  • 政治的発言なども関係し、急な為替変動が見られることがある

主にニューヨーク市場が開いている時間で参加者が一気に増加します。必然的に米国の参加者も多く、米ドルが動きやすいです。基軸通貨である米ドルの動きは世界の金融市場に影響を及ぼします。また、カナダドルとの組み合わせも動きやすい時間帯です。

アジア時間・欧州時間・米国時間の3つの分類の中で最も値動きが大きい時間帯です。中でも20時~翌2時の間はロンドン市場とニューヨーク市場の開いている時間がかぶり、活発にレートが動きます。欧州時間から開くロンドン市場ですが、米国時間にもまたがって開いているわけです。

日本時間の深夜1時にはロンドン市場がクローズとなり、そのタイミングで「ロンドンフィックス」と呼ばれる金のスポット価格や銀行の対顧客市場の仲値が決められます。「ロンドンフィックス」は東京の仲値に相当するものです。これに絡んで、特に月末になるとユーロやポンドの値動きが激しくなります。

また、「ロンドンフィックス」は東京勢の「外貨建て投資信託」などの投信設定にも利用されるためドル円にまで動きが影響することもあります。23時半頃から値動きを見せ、それまでの相場とは異なる特殊な値動きがでやすい時間帯です。

時間が前後してしまいましたが、午後21時半~23時頃は特に活発に動きをみせる、いわゆる「プレミアムタイム」と言われています。
トレンドが発生しやすいのです。なぜなら、米国の経済指標が発表されることがあるため。24時には「オプションカット」という先物の権利行使期限が定められているため、これに絡んだ動きも見せます。

午前2時すぎ以降の後半になると米国時間の為替の動きも落ち着きを見せる傾向にありますが、要人発言や米国の金融政策発表などがあるとこの時間でも大きな値動きが見られることもあります。時には、クローズまで激しい値動きを見せることも。
日本人が取引しづらい時間である深夜3~4時の間に大きな値動きがあった場合、朝起きたら損切注文が執行されている事態も起こりかねません。

前場、昼食時、後場それぞれのトレンドが発生することもあるため、ニューヨーク時間内でも時間感覚を意識してトレードしましょう。

曜日・祝日・季節などによる違い

ここまでは一日の流れを見てきました。今度は視点をより長い期間に移してみましょう。

週・月・年単位の傾向も把握しておくとトレードの判断材料となります。平日は24時間取引できるFXですが、土日は取引できません。また、元旦や海外の大きい祝日なども取引ができません。

詳細はFX会社によっても異なります。他の業者は閉まっていて、特定の業者だけ開いている場合、「取引できる」という事実はメリットですが、世界的に取引量が減っていることに注意です。いつも通りの取引をしてしまうと痛い目に遭うかもしれません。

月曜

月曜日の朝はウェリントン(ニュージーランド)やシドニー(オーストラリア)の市場が開いて週のスタートです。ここは普通の平日と同じですね。

しかし、マーケットが開いているからといって必ず取引できるとは限りません。月曜日の取引開始時間も業者ごとに異なります。必ずご自身の口座を開設したFX会社の取引開始時間を確認しておきましょう。

月曜日の朝に特徴的なのが「」と呼ばれるローソク足の間にできる大きな空間です。ちなみに、英語圏では「ギャップ」と呼ばれます。
上方向へ開いた窓を上窓、下方向へ開いた窓を下窓と言います。窓が閉まることを窓埋めと言ったりもします。そのままなので覚えやすいですね。

株や先物取引では比較的頻繁に見られるのですが、基本的にリアルタイムでチャートが反映されるFX取引ではチャート上に窓ができることは少ないです。できたとしても小さく、目に見えないほどです。

また、時間軸を切り替えると窓が見えなくなることもあります。そんななかでも、土日の間に大きな動きがあった場合、月曜日の朝にはFXチャートにも窓が現れることがしばしばあります。

図:チャートの窓の例

一般的には「閉じない窓はない」と言われるほど、窓が開くと埋まる方向にチャートが動くことが多いです。勿論、100%ではありませんが。

これを利用して利益を狙うトレーダーも多いです。視覚的にわかりやすいので初心者も実践しやすいかと思います。

実践する際の注意点としては

スプレッドが開きやすいタイミングであること
窓は必ず埋まるわけではないこと・数時間で埋まることもあれば数日かけて埋まることもあること

のふたつが挙げられます。スプレッドが開いていると普段より経費がかかっている分、大きく利益を出したい気持ちになりますが深追いは禁物です。事前に「どのくらい窓が埋まれば利確する」逆に「どのくらいで損切する」などのルールを決めておきましょう。

窓が開く理由としては

  • 土日に大きな為替の動きがあった
  • 突然の大きな売買があった

の2パターンが考えられます。

FX業者は土日がお休みなので土日に動いた為替がリアルタイムで反映されません。月曜日の朝一に反映され、金曜日の終値との差でチャート上ではいきなり値が動いたかのように見えます。それが窓として現れます。
2つめのパターンでは、週末明けの月曜日だけでなく普通の時にも窓が開く要因になります。

また、窓開けすると、これが節目となりその後の為替の動きがこれまでと変わることもあります。窓狙いのトレードをしない場合でも情報として把握しておく方が良いでしょう。

金曜

金曜日は他の平日と違う動きをすることが多く、相場が読みにくい傾向にあります。

値動きが大きく相場が読みにくいため、トレード歴が長い人でも戦略的に金曜日のトレードを避ける人もいます。
逆に激しい相場の動きをチャンスと捉え、敢えて取引をする上級者もいるので、人によって様々です。

初心者のうちは様子を見て慣れていく過程で挑戦する方が良いでしょう。金曜日はトレードしている投資家の心理が反映されやすい曜日と言われていて、どちらかと言うとファンダメンタルズ分析の重要度があがります。初心者が学んだテクニカル分析のテクニックを実践しづらいのです。

FXでは自分でポジションを持つ期間を決めることができますが、デイトレーダーなど短期で保有する人が多いです。そのため多くの参加者が「ポジションを週末に持ち越したくない」「利益を上げて今週を終わりたい」という心理でトレードします。

保有しているポジションを決済していくことを「ポジション調整」と言います。大口の機関投資家たちも、会社のルールとして土日に持ち越すことが禁じられていることもあります。それだけリスクが高いということですね。

土日

土日はFX取引できません。
しかし実は、取引できない土日も為替はずっと動き続けています。

宗教の関係で中東の一部の地域では金曜日が休日に設定されており、土日も市場が開いているからです。中東の人々の取引は決して多くなく、基本的には値動きは小さいです。

しかし、どんなことにも例外があります。政治的な発言やテロなどが土日に起こった場合は大きくレートが動くこともあります。相場の動きが予想できない以上、根拠のないトレードになってしまいます。そのようなトレードはギャンブル性が高く危険です。

月末

月末はファンド勢らが月に一度、持ち高を調整するための「リバランス売買」を行うことで、それまでとは全く逆の動きが見られやすくなります。

年金などを運用する世界の機関投資家は、月末に「リバランス売買」として、ポートフォリオの組み入れ比率を調整するための売買を執行します。日本の機関投資家は、外貨資産の組み入れ比率が上がっていれば、ある程度外貨を売って円に戻す調整を行います。

その月に大きく売り込まれた通貨は月末のリバランスで買い戻される動きになりやすく、大きく買われた通貨は売られてポートフォリオのバランスを調整する値動きが出やすいのです。こうしたリバランスはロンドンフィックスで値決めされたレートを基準に行われるため、月末の22時半以降の値動きはこれまでのトレンドと逆になることもあります。

祝日

日本の祝日は平日であれば取引できるので取引時間についてはあまり気にすることはありません。GWやSWなども平日であれば取引できます。土日は祝日であろうとなかろうと、取引不可です。

むしろ注目すべきは日本の祝日ではなく世界の祝日です。海外の大きな祝日ではFX業者が休みになり取引できない日もあります。どの祝日が取引できるかどうかは業者にもよるので確認してみましょう。

また、祝日の国では取引量が減るため、その国の通貨を絡めた通貨ペアの為替は特に、いつもと違う動きをすることがあります。
これは日本が祝日の時にも当てはまります。祝日でもFXは取引できますが株式市場はお休みですし、他の金融商品は取引できないものがあります。為替のレートはFXの取引だけで決まっているわけではないので、円が関わる為替レートに影響を与えることがあります。

そのうえ、取引量が少ないと自ずとスプレッドが開く傾向も出てきます。祝日に取引する場合にはスプレッドについても充分注意しましょう。

特に、アメリカが祝日の場合には前日も注意が必要です。米ドルは世界の基軸通貨であるため、ポジション調整をする投資家もいます。

率直に言うと、祝日は金曜日同様相場の流れが読みづらくなる、ということです。

年末年始・クリスマス

先程、海外の大きな祝日では取引できないこともある、とお伝えしました。その最たる例がクリスマスです。

東京外国為替市場は開いているので、業者によっては取引可能な場合もありますが世界的に見るとかなりレアです。と、いうことはかなり取引量が少ないです。

元日は平日であっても取引できません。日本だけでなく世界中の市場が閉まるためです。大晦日は業者によってまちまちです。

どちらにせよ、クリスマスも年末年始も取引量がかなり少なくなります。そのような時は相場が読みづらくスプレッドが広がる傾向にあるのはこれまで見てきた通りです。

クリスマスイブや大晦日もポジション調整の流れに注意しましょう。

サマータイム

日本ではあまり馴染みのない制度ですが、サマータイムも把握しておきましょう。3月の第2日曜日~11月の第1日曜日まで、1時間時計が進められます。NYCの時間も1時間早くなります。業者ごとの取引時間をはじめ、経済指標発表時刻など、FXに関係するあらゆる時間が1時間ずれます。

リアルタイムで為替レートを評価して分析するFX取引では1時間のずれは大きく、見過ごせません。サマータイムに伴い各業者の定期メンテナンスの時間も変更になります。念のため自分が口座を所有している業者の時間は一度確認しておきましょう。

主に米国のサマータイムを把握しておけば問題ないかと思いますが、欧州や豪州もサマータイム制度を取り入れています。ほとんどの業者は年2回米国のサマータイムに合わせて取引時間の変更が行われますが、一部の業者では年4回取引時間の変更がある場合もあります。

早朝・深夜の変更なので関係ない方も多いかもしれませんが、先程ご紹介した月曜朝の「窓」を狙ったトレードをする場合には重要です。


時間外取引はできるの?

例えば、株式の場合は平日5時間しか取引できません。株式の取引について知識がある方は「夜間取引=時間外取引」というイメージがあるかと思います。しかし、平日24時間取引可能であるFXではその概念はありません。夜間も普通に取引することができます。

一方で「通常FXが取引できない時間(具体的に言うと土日など)の取引=時間外取引」と捉え、それが可能かどうか疑問に思っている方もいらっしゃるかと思います。
その疑問に対する答えは「取引できない」です。

『土日は仕事が休みだから、ゆっくり時間をとってFXで稼ぎたいなぁ』と思う方もいらっしゃるでしょうが、ゆっくり時間がとれるのなら、取引以外にもやれることはあるはずです。土日の過ごし方についてはもう少し後でご紹介します。

取引時間の注意点

ここまでで取引可能時間がいつでも流動性が高いわけでないことはおわかりいただけたかと思います。流動性の高い時間帯・低い時間帯を把握したうえで、自分に合ったトレード時間を見つけていきましょう。

流動性が高い時間帯だから必ず稼げる、逆に流動性が低い時間帯は必ず不利、というものではありません。為替の世界に「絶対」はないので傾向を知識として身につけた後は「自分の稼げる時間帯」を探す必要があります。

これまでご紹介してきた中でも、特に注意が必要な時間帯と対処例をお伝えします。トレード時間を見つける参考にしてください。

金曜は市場の相場が荒れる?

ただでさえ相場の読みにくい金曜日ですが、他のニュースや要素と重なると更に相場を読むのが難しくなります。
また、金曜日に何かしらの指標発表が控えていたりするとそれを見越して週半ばからポジション調整の動きが出てきたり、翌週まで影響を残す要素もあります。

例えば月に1回、毎月第一金曜日にはアメリカの雇用統計が発表されます。アメリカの雇用統計は世界的に最も注目されている指標のひとつです。

発表の直後は大きく市場が動くことが多く、投資家たちの間でこの日は「お祭り」と言われるほど。米ドルは世界の基軸通貨でもあり、様々な通貨ペアへ影響を及ぼします。
何かの指標の発表自体も、それだけで市場に影響を与えますが、それが金曜日と重なるとより一層相場を読むのが難しくなります。

アメリカ雇用統計についてはFXをする人なら必ず知っていると言っても過言ではありません。基本的な知識が簡潔にまとまっている以下の動画も参考にされると良いでしょう。

ゴトー日との重複にも注意です。ゴトー日とは毎月5・10のつく日(5・10・15・20…など)のことを言います。日本企業の資金決済が多く行われ、米ドルの需要が高まる傾向にあります。

また、毎週金曜日の金曜ロードショーでジブリが放送されると、その次の月曜日に相場が下落する傾向にあります。「ジブリの法則」と呼ばれるもので理由はわかっておらず経験則ではあるのですが、機関投資家・海外投資家まで注視するほどです。

初心者のうちは無理に金曜日に取引をするのではなく、週のトレードの精算日に設定した方が良いかもしれません。慎重にトレードをしたい初心者は「基本は月曜~木曜でトレードする」くらいの気持ちでいた方が良さそうです。

他にも「金曜日の○時までには決済する」など具体的なルールを決めることをおすすめします。参加者が増えれば増えるほど金曜日の相場は読みにくくなるため、目安としてはロンドン市場やニューヨーク市場が開くまでには決済を終わらせるルールにすると良いでしょう。

土日に相場が動いてもFX会社がお休みの場合

土日に為替に影響するような出来事があった場合の対処法を考えてみましょう。

ポジションを保有しているFX会社がお休みだと日本では土日に取引できないので、何も出来ずただ見守ることしかできません。月曜日にFX会社が開くと同時に強制ロスカットが執行され、想定するよりも大きな損失が出てしまうリスクがあります。初心者がポジションを土日に持ち越すことはおすすめできません。

想定していなかった値動きが自分の有利な方向に動けば、もちろんその場では利益も得られます。しかし、ただのラッキーで利益を上げ続けることは不可能です。金曜日の時点で予想もしなかった出来事での値動きで利益をあげられたとしても、今後に活かせることは多くはないでしょう。

「不確実性」は投資の世界では大きなリスクです。土日の48時間に不確実性要素を抱えて過ごすことはあまりにもリスクが大きく、精神衛生上も良いことはないでしょう。土日は身軽にしておいて、メンタルを鍛えたり分析手法の勉強をする方が有意義です。

「FXで稼ぎたい」と日夜勉強している人々は世の中に沢山います。あなたもそのうちの一人であることは間違いないと思います。無理に土日にポジションを持ち越して、レートが不利な方へ大きく動いてしまった時のことを想像してみてください。

大きな損失が確定してしまっているけれども、損切もできない…そんな居た堪れない心境を自分から作り出すことはありません。そんな状況で勉強をしても集中しきれないのは明らかです。

それよりも、自分の1週間のトレードを振り返る時間をとってみるのも良いですね。
分析する時間をとることはとても重要です。初心者のうちは誰かの真似をしてトレードを始めますが自分なりの勝ち方・傾向を把握してメンタルコントロールもしっかりしましょう。

突発的なイベント

FXは世界的なニュースと切っても切り離せません。チャートを分析する、という意味の「テクニカル分析」ですが、「ファンダメンタルズ分析」という言葉もあります。

経済指標については発表スケジュールを事前に把握できることが多いです。知らなければ「突発的な為替の動き」と捉えて焦ってしまうかもしれませんが、把握しておけばある程度の予想が立てられます。あなたにとって「突発的なイベント」となることを防げるかもしれません。

日頃から国際ニュースをチェックして対応しましょう。ファンダメンタルズ分析実践の第一歩となります。

おすすめの取引時間

前提としてお伝えしておきたいのはすべての人に当てはまる「絶対に有利な時間」は存在しないということです。取引の目的や個人の生活・性格が異なるのですから、自分に合った方法や時間帯を探していくほかありません。

とはいえ、取引可能な時間が長いFX。当てずっぽうで探すのでは効率が悪いでしょう。

個人的におすすめの時間帯・考え方を記載しておこうと思います。

初心者向けのおすすめ時間帯

ズバリ、「トレンドが出やすい(取引が活発になる時間帯)やこれから相場が動くと予想できるタイミング」での取引がおすすめです。

ここまでこの記事を読んでいただいた方ならパっと頭に浮かぶ時間帯があったでしょうか?もしも頭に浮かんだのなら、是非ご自分が思う時間帯にも取引してみてください。

初心者とはいえ、全て他人の知識でやっていると楽しくなくなってしまいます。自分で考えた方法が上手くいけば嬉しいですし、逆に上手くいかなくても今後の知識として蓄えられます。

少し脱線してしまいましたが、具体的に私の思う「トレンドが出やすい(取引が活発になる時間帯)やこれから相場が動くと予想できるタイミング」=初心者向けのおすすめ時間帯は日本時間で

  • 8時~10時頃(仲値発表前まで)
  • 15時~24時

です。

これらの時間帯に短時間での取引を繰り返してコツコツ利益を得るのがおすすめです。無理に長時間保有すると意図せず金融指標の発表を挟んでしまったり、予期せぬレートの動きによって損失を出してしまうでしょう。
まずは、レートに動きがあった際にすぐに対応できる時間帯に取引を始めましょう。

その他ピンポイントでのおすすめ

初心者のうちは経済指標を絡めたトレードを無理にする必要はないと思いますが、経済指標のなかでも流れが読みやすいものを狙ってトレードするのもありです。

「時間帯」といわず、まずは短時間で取引してみたい場合はアジア時間の9時55分頃をおすすめします。仲値発表の前後は売買が動きやすいため、短時間のトレードに適しています。

FX取引をするうえでファンダメンタルズ分析は無視できない存在です。自分のトレード手法の中心がテクニカル分析だったとしても、ファンダメンタルズ分析の知識があればリスクを大きく減らすことができます。最低限の知識を身につけましょう。

また、ドル円だけでなく他の通貨ペアにも挑戦してみたい方は、欧州時間(15時~21時)の欧州為替が動きやすい時間にユーロやポンドなどを絡めた通貨ペアでの取引をおすすめします。

時間を決めてトレードするメリット

初心者にありがちな失敗として、ポジションを常に持ちたがる「ポジポジ病」があります。そのようなトレードはFXのメリットを活かしていると言えるでしょうか?私はそうは思いません。

せっかく24時間取引可能なFXです。こちらの都合に合わせて利用して、資金だけでなく時間の管理も意識しましょう。


生活リズムを変えなくて良い

自分のライフスタイルを変えなくて良いことは大きなメリットです。何か新しいことを始める時には様々なことを変えていかなければなりません。特にFXを始めるとなると最初にたくさんの情報・知識を入手する必要があります。

そのうえ更に『24時間確認できるから』といってずっとチャートに張り付いていると、精神的にも体力的にも辛くなりパフォーマンスが低下してしまいます。FXのパフォーマンスだけでなく、私生活にまで影響を及ぼしかねません。そのような状態は本意ではないと思います。

逆に、自分できちんとコントロールさえすれば、自分のやりたい時間だけ取引することが可能なのです。

「24時間取引可能」という事実はメリットにもデメリットにもなり得ます。どちらを選ぶかはあなた次第です。

自分のトレードスタイル確立への近道

毎回同じような時間に取引すると、知識の集積がしやすいです。

24時間もあれば世界では様々なことが起こります。四六時中トレードしようと思ったら、どんなトレンドにも対応出来るようにテクニカル分析の勉強をする必要があります。把握すべき経済指標も、政治・経済的なニュースも膨大な情報量になってしまいます。そして、それらを常に把握したくなります。

しかし、それらを全て把握しつつ、かつ取引までするのは現実的ではありません。それよりもまずは自分のライフスタイルに取り入れやすい時間を定め、その時間に出やすいトレンド・関係のある経済指標を勉強し分析していく方がスムーズです。自ずと他の時間帯のトレードにも応用できる知識がつくはずです。

まとめ

株式などの金融商品と違い、平日24時間取引可能であることがFXのメリットです。
しかしこれをメリットとするか、デメリットとするかは実際に取引する人次第とも言えます。自分の無理のない時間帯に取引時間を設定しましょう。

平日の時間はアジア時間・欧州時間・米国時間の3つに大別することができます。ある程度は流動性の高い時間帯の方がトレンドが読みやすく初心者の取引におすすめです。しかし、逆に流動性が高すぎて相場が読みにくい時間帯(金曜日など)は最初のうちは避けた方が良いです。

1日の時間の流れを把握し、自分が取引しやすい時間帯を見つけましょう。それが、より稼げるようになるための第一歩です!

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この記事を書いた人

情報収集が好きなサラリーマンです。主にEAを使ったFX自動売買や裁量トレードを行っています。ハイレバレッジと追証なし(ゼロカット)の環境を求めて海外FXに移行&海外に移住。今ではもっぱら海外のブローカーを使いまくっています。実体験を基に、信用できる情報発信ブログを目指していきます。