FXを始めてみたいけど、チャートの見方がよくわからない
トレンドやチャート分析などよく耳にするけど、いまいちピンと来ない
なんだか難しそうだな。自分にFXはできるだろうか…
FXをこれから始めようと思っていても、このような疑問や悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?
「そもそも何から始めたらいいのかわからない」
右も左もわからない状態で一歩踏み出すのは不安ですよね。
そんな方はまずFXの基本となるチャートの見方から覚えていきましょう!
チャートの理解はFXでトレードをする上で必須になってきます。
この記事ではチャートの見方から、トレンド、よく出てくるチャートパターンなどをわかりやすく図解で解説していきます。
しっかり理解をしてFXトレーダーとしての第一歩を踏み出しましょう!
目次
FXの基本であるチャートの見方を解説
ここではFXの基本となるチャートについて解説していきます。
チャートとは過去の為替の値動きをグラフのように可視化したものです。
その値動きやグラフの形などから、今後の動向を予測するテクニカル分析を行うことができます。
用語解説:テクニカル分析
チャートを使っての分析方法の一つ。過去の値動きをチャートで表し、そこからトレンドやパターンなどを把握して今後の値動きの動向を予測するチャート分析方法。
チャートという言葉はもともと「海図」を意味しています。
航海の最中、安全にかつ確実に目的地までたどり着くために、海図はなくてはならない存在です。
FXにおけるチャートもこの海図と同じ役割をしていると言えます。
「利益を上げるための道標」としてチャートを上手に活用できるように学んでいくことこそ、FXトレーダーとしての第一歩になります。
チャートには情報が散りばめられている
それでは実際にチャートがどのようなものなのかを見てみましょう。
一見しただけでは「なんだこれ?」といった感じですよね。
実はチャートにはいくつもの情報が散りばめられています。
例えば、こんなことがチャートから読み取ることが可能です。
- 今現在の為替レート
- 過去の為替レートがどんな動きをしていたか
- 現在為替レートが上がってきているか、下がってきているか
用語解説:為替レート
ある国の通貨を別の国の通貨と交換する時の比率のこと。
為替レートがチャート上でグラフを形成し、上がり下がりを繰り返しています。
上のチャートでは、米ドルと日本円の為替レートを表示しています。
つまり、「1ドルが何円になるか」を過去から現在までの期間表示しているということです。
縦軸は為替レートを表す
チャートの縦軸は為替レートを表しています。
先ほどお伝えしたように、今現在の為替レートはもちろんのこと、30分前や1日前の為替レートといった過去の為替レートを見ることも可能です。
上の図に注目してみると、白と黒の棒状のグラフみたいなものが横にずらっと並んでいますね。
これはローソク足と呼ばれ、始値・終値・高値・安値の4本の値を表しています。
用語解説:始値・終値・高値・安値
始値・・・指定した時間の始まりの為替レート
終値・・・指定した時間の終わりの為替レート
高値・・・時間内で一番高かった為替レート
安値・・・時間内で一番安かった為替レート
始値・終値・高値・安値が読み取れれば、さらに細かな為替レートの動きがわかるようになります。
ローソク足とはつまり、細かな為替レートの動きを簡単に見やすくしたものです。
ローソク足はFX初心者がつまづきやすいポイントでもありますので、後ほど概要も含めて解説します。
横軸は時間を表す
チャートの横軸は時間を表しています。
この時間が表示されることにより、「この時間ではこれくらいの値動きがあったんだな」と読み取ることができます。
さらに、時間の表示は設定している時間足を変更することによって30分ごとや1日おきなど、切り替えることも可能です。
用語解説:時間足
時間足とは、一定の時間内での為替レートの変動を各チャートで表したもの。
1分と短い期間のものから、1ヶ月と長い期間のものまであります。
時間軸の切り替えはトレードを行う際、意識してもらいたいポイントです。
なぜなら多くのトレーダーが時間足を必要に応じて切り替え、トレードを行なっているからです。
例えば、長い時間足で全体的な流れを把握した後、短い時間足で売買するタイミングをうかがうという使い方はトレーダーの間では一般的となっています。
ひとつだけの時間軸を見るだけでなく、さまざまな時間足に切り替えて相場を見てみよう!
ローソク足ってどんなもの?
ローソク足については先ほど軽く説明しました。
そもそもローソク足はいつ頃から活躍するようになったのでしょう。
実はローソク足の歴史は古く、江戸時代に米相場で活躍した本間宗久さんが考案したものです。
なんと日本発祥なんですね。
そんな古くからの手法が今現代でも主流として活躍していることからも、ローソク足の優秀さがうかがえると思います。
ローソク足は時系列に為替レートの値動きを表した棒状のグラフで、始値・終値・高値・安値が一目でわかるものです。これは先ほど解説した通りですね。
また、ローソク足は陽線と陰線の2つからなり、それぞれ為替レートの上昇時、下降時に出現します。
上のチャート図であれば、白のローソク足が陽線、黒のローソク足が陰線になります。
用語解説:陽線・陰線
陽線:始値より終値の方が高かった時に現れる線
陰線:始値より終値の方が安かった時に現れる線
陽線と陰線が横に重なり合うことによってチャートを形成しています。
ローソク足や先ほど解説した時間足についても詳しい解説はこちらの記事で行なっていますので、しっかり読んで理解を深めておきましょう。
こちらの動画でも丁寧に解説されていますので、目を通しておくと良いでしょう。
「そもそもFXってどういうものなの?」と疑問を抱えている方は、こちらの記事でFXについての基本を抑えることができますので、先に進む前にチェックしておきましょう!
準備はいいですか? それでは、これからさらに詳しくチャート分析について見ていきます!
チャート分析に用いられるチャートは3種類
チャートがどういったものかがわかったところで、次はチャートの種類について見ていきましょう。
先ほど紹介したローソク足を使ったチャートは、ローソク足チャートと呼ばれています。
しかし、ローソク足チャート以外にもチャートの種類は存在します。
それぞれのチャートの特徴やメリットデメリットもあわせて解説しますので、どのチャートを使って取引していけば良いか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
一般的にFXで使われているチャートは以下の3種類です。
- ローソク足チャート
- バーチャート
- ラインチャート
それでは順番に見ていきましょう。
ローソク足チャート
ローソク足が時系列で何本も並んだものがローソク足チャートです。
ローソク足は為替レートが上昇すれば陽線、逆に下降すれば陰線で表されます。
ローソク足チャートは日本だけでなく海外でも多く使われており、FXでは主流のチャートと言ってもいいでしょう。
ローソク足チャートのメリット・デメリット
- ローソク足の見方を覚えれば一目で値動きを把握できる
- 書籍やネットに情報があふれている
細かな値動きまでパッと見て把握できるのがローソク足チャート最大の強みでしょう。
世界中のトレーダーが愛用しているのも頷けますよね。
また、最も使われているチャートですので「ここわからないなぁ…」と思ったことがあれば、すぐに検索して解決することも可能です。
- ローソク足を読むのに慣れが必要
ローソク足を読むことに慣れていないと、単に為替レートの上がり下がりに反応して変なポイントで売買をしてしまうことも考えられます。
その結果、負け続けて資金は減っていくばかり。そんな状況は誰しも避けたいはずです。
まずはしっかりとローソク足の基礎から固めておきましょう!
バーチャート
バーチャートは始値、終値、高値、安値を一本の棒で表しているチャートです。
あまり日本のトレーダーに使われることは少なく、主に欧米で多く使われています。
縦の棒が安値と高値を表し、左側の横棒が始値、右側の横棒が終値を表しています。
ローソク足チャートと比べると見た感じがスッキリした印象がありますね。
バーチャートのメリット・デメリット
- ローソク足チャートに比べて見やすく、相場の流れがわかりやすい
- 心理的な揺さぶりを起こしにくい
相場がどっちの方向へ進んでいるのかがわかりやすければ、トレードも優位に進めることができます。
また、ローソク足チャートはローソク足の現在レートがその変動によって形をその都度変えるのに対して、バーチャートでは高値・安値が更新された時にしか形が変わりません。
為替レートが変動する度に形を変えていては、なんだかハラハラしてきてしまいますよね。
バーチャートではその心配もありません。
- 始値と終値が横棒になるため、値が少し見づらい
- 陽線と陰線の区別が付きづらい
始値と終値を意識して見るのであれば、かえってわかりづらいチャートと言えます。
また、陽線と陰線はそれぞれ為替レートの上昇と下降を表すものでした。
この2つが区別できないと「相場が今現在どのような動きをしているか」の認識が遅れてしまい、売買のタイミングがずれてしまうことも考えられます。
チャートの見辛さは、損失にも直結してしまう可能性があるので注意!
ラインチャート
ラインチャートは終値だけを線で結んでいる折れ線グラフのような形をしたチャートです。
終値だけしか表示されていないので、他の2つのチャートに比べてシンプルで見やすいチャートになっています。
ラインチャートのメリット・デメリット
- 終値をラインで結んでいるので平均的な値動きが見て取れる
- 情報量が多くないので直感的に理解しやすい
シンプルに全体的な為替レートの動きがわかるので、ラインチャートを見た後にローソク足チャートに切り替えて細かな値動きを見るといった使い方もできます。
- 終値しか表示されていないため、始値・高値・安値といった情報が一切わからない
- 始値・高値・安値をトレードの材料にしている人からすれば使いづらい
トレードをする以上、当然ながら得られる情報は多いに越したことはありません。
ローソク足の場合、高値と安値はヒゲを用いて表示され、ある程度その時間内の値動きの幅はわかるものです。対してラインチャートでは終値の表示のみになるため、同じ時間内でも値動きの幅がわからない状態になります。
終値だけの推移を見ても、その期間の値動きの幅まではわからない!
なぜFXはチャート分析が必要になるのか?
チャートの見方やその種類について基礎的なことは理解できたと思います。
ではFXでトレードを行う際、なぜチャートの分析が必要になってくるのでしょうか。
その理由は以下の3つにあります。
- 利益を上げるチャンスをいち早く見つけるため
- チャートはトレーダーの心理の現れであるため
- 分析を行わないのはただのギャンブルであるため
それぞれ解説していきます。
利益を上げるチャンスをいち早く見つけるため
チャート分析を行うことで利益をあげるチャンスをいち早く見つけることができます。
チャートは現在の為替レートだけでなく、過去の為替レートの変動から上がり下がりの傾向を判断できるものということはお伝えした通りです。チャートのちょっとした動きや、後に解説するチャートパターンからも売買のタイミングを判断することが可能です。
FXを行うトレーダーのほとんどはチャートを意識してトレードを行なっています。
チャートはトレーダーの心理の現れであるため
チャートはこれまでのトレーダーたちの心理の現れであると言えます。
どういうことかというと、チャートのこれまでの為替レートはトレーダーたちが売り買いしてきた記録であるからです。
また、国内外のニュースや世界経済なども為替レートに大きく影響してきます。
例えば、ある国の経済状況が著しく悪くなった場合、その国の通貨の価値はどうなるでしょうか。
「この通貨を持っていても大丈夫なのかな…」という心理が働き、通貨の価値は下がっていきますよね。
そうした国の状況などもトレーダーたちに影響してきます。
チャート上に現れたトレーダーたちの心理を読み解くことで、売買を優位に進めることができるようになります。
分析を行わないのはただのギャンブルであるため
為替予測の難しさやレバレッジの仕組みなどから「FXはギャンブルだ」という誤解が多いのは事実です。
用語解説:レバレッジ
少額の資金で大きな金額の取引ができる仕組みのこと。
得られる利益が大きくなるが、その分損失も大きくなるハイリスクハイリターン。
最大倍率は日本では25倍まで、海外では300〜6000倍と幅広い。
確かに、勝つ人がいれば負ける人もいるのがFXです。しかしこれは勝負の世界ならどれも同じことが言えます。
例えば、スポーツで考えてみてください。
確かに運が味方する時もありますが、大半の人は厳しい練習をしてきた成果を発揮し、自ら勝利をものにしています。
FXにもこの練習が必要不可欠で、チャート分析などからある程度勝つ確率は高めることができます。
チャートの分析を行わず、自分の直感だけでトレードを行なっていればそれこそギャンブルになってしまいます。
チャート分析する上で覚えておきたい3つのこと
チャート分析をしてトレードを行う際に、必ず覚えておいてもらいたいことがあります。
いわばチャート分析の心構えのようなもので、具体的には以下の3つになります。
- チャート分析は完璧ではない
- チャートから全ての動きは読み取れない
- チャート分析だけに頼るリスクもある
それぞれ解説していきます。
チャート分析は完璧ではない
チャート分析をしていても当然のことながら、予測は外れることもあります。
相場が自身の予測通りに動かず、思っていた方向とは逆の流れになる、いわゆる「ダマシ」はよく起こる現象です。「しっかり分析していたのにどうして…」と頭を抱えてしまう結果になることも十分に考えられます。
そもそもチャート分析に限らず、さまざまな手法を持ってしても100%相場の流れを予測できる人などいないと言っても過言ではないでしょう。
チャート分析は完璧なものではないことを念頭におきましょう!
チャートから全ての動きは読み取れない
為替レートの変動は景気だけでなく、国際情勢や要人の発言などでも大きく変動します。
例えば、2008年9月にアメリカで起きた「リーマンショック」
ニュースでも一時期話題となりましたので、聞き馴染みのある方も多いのではないでしょうか。アメリカの投資銀行である「リーマンブラザーズ」が経営破綻し、世界経済に大きな影響を与えました。
株価は1ヶ月で大暴落し、日本では約半分にまで落ち込む事態に。
リーマンショックの直前に買い注文を出していたら…
レバレッジも高めに設定していたら…
考えると冷や汗だけでは済みそうにありません。
こうした国際情勢などの外的な要因はチャート上から判断できません。
チャートはあくまで過去から現在までの為替レートを表すものなので、先のことについては予測するほかない!
チャート分析にだけ頼ることもリスクはある
チャート分析は完璧でない、全ての動きを読み取ることができないことは予測が外れて大きな損失を伴ってしまうというリスクにも繋がります。
リスクはいかなる場合であっても想定しておかなければならないでしょう。
では、そのリスクを回避するにはどうしたらよいのでしょうか。
具体的なリスクの回避方法は以下の2通りです。
- 他の分析方法を使う
- 相場が予測と反対方向に動いたら損切りを検討する
他の分析方法を使う
チャート分析による予測が外れてしまうことは、仕方のないことかもしれません。
その場合は他の分析方法もあわせて使うようにしてみましょう。
とは言っても最初から小難しいことをやる必要はありません。
為替レートの変動は国際情勢や要人の発言も影響してくると先ほどお伝えしました。そんな情報に敏感になり、日頃からニュースを観たり、ニュース記事に目を通したりすることも立派な分析と言えます。一般的にはファンダメンタルズ分析と呼ばれる方法です。
用語解説:ファンダメンタルズ分析
世界の経済状況や要人の発言などから今後の為替レートの変動を予測する分析方法。
経済指標や各国の政治情報などの情報提供をするサービスを行なっているFX会社もある。
また、チャートに付属されているインジケーターを使ってみるのも有効な手段です。
多くのトレーダーがインジケーターを取り入れて分析を行なっていますので、チャートについて基礎理解ができたら勉強してみることをオススメします。
用語解説:インジケーター
買いや売りなどの判断をサポートしてくれるグラフのようなもの。
チャート上に表示することができ、チャートとあわせて分析することができる。
相場での買われすぎ、売られすぎを判断するオシレーター系やチャートがどんな値動きをしているかを示すトレンド系の2種類に分けられる。
相場が予測と反対方向に動いたら損切りを検討する
自身の予測した結果と反対方向に相場が動いてしまった場合は、早めの損切りを視野に入れましょう。
用語解説:損切り
相場が予測と反対の動きをした時に、損失になることを覚悟で決裁をしてしまうこと。
「いつかまた反転するだろう」と悠長に構えているのは危険です。
損切りできるタイミングを逃してしまい、残高ゼロ。最悪の場合不足になった金額を追加入金しなければならなくなる事態も考えられます。
自分の中で「ここまで為替レートが変動したら損切りする」という明確なルールを持つことが、大きな損失を回避するための最低条件でしょう。
FXでは損切りを抵抗なく行えるメンタルも重要になってきます!
トレンドとは?相場の流れを判断するための方法も解説
為替レートが変動を繰り返すことによって、右肩上がりや右肩下がりの傾向を作り出します。この傾向のことをトレンドと言います。
よく「今年のトレンドは〇〇」と情報番組で耳にしたことはありませんか?
トレンドは流行を意味するものであり、FXであれば相場の方向性を表します。
トレンドは一度発生すると、一定の期間は継続する可能性が高いと言われています。
つまり、トレンドの発生を見極め、その流れにうまく乗っかりエントリーすることができれば、より多くの収益を見込めるようになります。
用語解説:エントリー
取引を始めることを意味する。
エントリーの方法は買いと売りの2種類があり、買いの場合は「買いエントリー」売りの場合は「売りエントリー」というように使われる。
こちらの動画でもトレンドの基礎について解説されていますので、参考にしてみてください!
トレンドの種類
トレンドには以下の3つの種類があります。
- 上昇トレンド
- 下降トレンド
- レンジ相場(持ち合い)
それぞれの特徴を見ていきましょう。
上昇トレンド
上昇トレンドは高値と安値を行き来しながら、為替レートが継続して上昇していくトレンドです。
時間が進むにつれて右肩上がりになるのが特徴です。基本的には買いでエントリーします。
下降トレンド
下降トレンドは高値と安値を行き来しながら、為替レートが継続して下落していくトレンドです。
時間が進むにつれて右肩下がりになるのが特徴です。基本的には売りでエントリーします。
レンジ相場(持ち合い)
レンジ相場は「持ち合い」とも呼ばれ、為替レートが一定の範囲内で上昇と下降を繰り返すトレンドです。
レンジ相場は力を溜めている状態であると言えます。一旦上昇トレンド、下降トレンドに入ってしまえば、為替レートは大きく変動することが多いです。
トレンドラインとは
相場のトレンドに乗ることができれば、より多くの収益が見込めることはお伝えしました。
しかし、そのためには今がどのトレンドになるのかを見極める必要がありますよね。
次にトレンドを判断する方法として、FX初心者でもわかりやすく実践しやすいトレンドラインを解説します。
トレンドラインとは各トレンドにおいて、高値同士や安値同士の最低2点以上を直線で結んだものです。
トレンドラインの傾きが大きいほど、そのトレンドの勢いは強いものであると言えます。
トレンドラインを引くことで、相場の方向性が明らかとなり、損失の機会を減らすことができるようになります。
また、トレンドラインを上回ったり下回ったりしたタイミングでトレードを行う、売買のタイミングの基準としても機能します。
それぞれのトレンドラインの引き方や売買のタイミングを解説します。
上昇トレンド
上昇トレンドでのトレンドラインの引き方は以下の図の通りです。
上昇トレンドではチャートの下側にサポートライン(下値支持線)を引くことができます。
サポートラインを引くためには2点以上の安値を結ぶ必要があります。
上昇トレンド期間中であれば、為替レートは右肩上がりに伸びていくので、このサポートラインを下回ることはないだろうと予測を立てることができます。
買いのタイミングはサポートラインに接触し、上方向へ反転した時がベストでしょう。
下降トレンド
下降トレンドでのトレンドラインの引き方は以下の図の通りです。
下降トレンドではチャートの上側にレジスタンスライン(上値抵抗線)を引くことができます。
レジスタンスラインは高値を2点以上線で結ぶ必要があります。
また、下降トレンド期間中は右肩下がりの為替レートになるため、このレジスタンスラインを超えてくることはないだろうと予測することができます。
売りのタイミングはレジスタンスラインに接触し、下方向へ反転を確認してからがベストでしょう。
レンジ相場
レンジ相場では先ほど紹介したサポートラインとレジスタンスラインの2本の線を引くことができます。
以下の図の通りです。
サポートライン、レジスタンスラインともに高値と安値を2点以上結んで引くようにしましょう。
それぞれのラインを超えてくるとトレンド突入の合図です。
しかし、チャート分析で気をつけたいことでもお伝えした通り、仮にサポートラインを超え「トレンドに入った!」と思っても、すぐに反転してしまう可能性もあります。
慣れないうちはレンジ相場では手を出さず、為替レートの動向を焦らず見守ることも大切です。
チャートパターンとは?よく出てくるチャートパターンも紹介
チャートパターンはテクニカル分析のうちのひとつで、チャート上に現れる特定の「型」のことです。
上下する為替レートがさまざまな形を形成し、それぞれに特徴や売買のタイミングがあります。
チャートパターンを使うことでトレンドラインと同じく、トレンドの方向性や反転するポイントなどを見つけやすくなります。
それぞれのチャートパターンは上昇トレンド、下降トレンドでも形を反転して出てくることがあります。
ここではチャートパターンをいくつか解説します。
しかし、これから解説するような綺麗なチャートパターンの形が現れることはごく稀です。
「これチャートパターンじゃないかな?早く売買しなきゃ!」と焦って売買していては損失は免れません。
チャートパターンもチャート分析と同じく完璧ではない!
どのチャートパターンもサポートラインやレジスタンスライン、ネックラインを基準に売買するタイミングがありますので、こちらもあわせて解説します。
用語解説:ネックライン
テクニカル分析において、トレンドの反転を示すラインのこと。
高値や安値を直線で結ぶことで今後のトレードの予測を行います。
チャートパターンの形はさまざま存在しますが、主に以下の2種類に分けることができます。
- 反転系パターン
- 継続系パターン
反転系パターン
反転系のチャートパターンが出現すると、トレンドの反転が予測できます。
上昇トレンド中の高値圏で出現すれば下降トレンドへ、下降トレンド中の安値圏で出現すれば上昇トレンドへ反転する可能性があります。
ライン
ラインはレンジ相場でよく見られるチャートパターンで、為替レートの変動が少ないレンジ相場が一本のラインに見えるのが特徴です。
ライントップは高値圏で、ラインボトムは安値圏で出現し、それぞれ細かな為替レートの動きの後、勢いよく反転します。
売買のタイミングとしては、レンジ相場のトレンドラインで解説した方法と一緒です。
まずはそれぞれサポートラインとレジスタンスラインを引きましょう。
ライントップであればサポートラインを超えてから、ラインボトムであればレジスタンスラインを超えたところが売買のタイミングとなります。
ソーサー
ラインのレンジ相場が水平に動いていたのに対して、ソーサーはお皿のように湾曲したレンジ相場を形成するのが特徴です。湾曲後にしばらくレンジ相場を形成する「カップアンドハンドル」という形も存在します。
ソーサーの始点をネックラインとして、そのネックラインを超えたところが売買のタイミングになります。
カップアンドハンドルではソーサーを形成した後のレンジ相場に注目です。直近の高値と安値をネックラインとしトレンドの動向を判断しましょう。
スパイク
スパイクはトレンドの流れの中で急激に上昇、下降をした後、元の為替レートまで戻り、その後にトレンドが反転するのが特徴です。
「あ!トレンド来たかも!?」と思って急激な上昇や下降につられ、慌てて売買をしてしまうのは禁物です。
そのままトレンドが継続したり、この後紹介する「ダブル」というチャートパターンを形成したりすることも考えられます。そのため、売買のタイミングの難しいチャートパターンであると言えます。
急激な上昇や下降が落ち着き、少し為替レートが変動して反転したところが売買のタイミングになります。
しっかりトレンドが反転したことの確認を忘れないようにしましょう。
ダブル
ダブルは文字通り、英語の「W」の形をしており、チャートが2つの山を形成した後にトレンドが反転するのが特徴です。
高値圏で見られるのはWが反転したM型のダブルトップ。安値圏で見られるのがW型のダブルボトムです。
2つの山の中間、ダブルトップで言えば安値をネックラインとして考え、2つ目の山を形成した後にネックラインを超えてきたところが売買のタイミングになります。
ヘッドアンドショルダーズ
ヘッドアンドショルダーズも名前の通り、それぞれの山が人の両肩と頭部に見えるのが特徴です。
へッドアンドショルダーズは3つの山の高さの違いから読み取れる情報は変わってきます。
高値圏で現れるヘッドアンドショルダートップを例に考えてみましょう。
1つ目の山より2つ目の山の方が高ければ、まだまだ買いの勢いはあり、トレンドが継続する可能性も残っています。逆に1つ目の山より2つ目の山が低ければ、売りの勢いが増してきたことになり、トレンドが反転する可能性が見えてきます。
これは先ほど紹介したダブルでも同じようなことが言えます。
ヘッドアンドショルダートップは2つの谷部分の安値、ボトムは高値をネックラインとして考え、反転した為替レートがネックラインを超えたところが売買のタイミングになります。
継続系パターン
継続系のチャートパターンが出現すると、トレンドがさらに継続することが予測できます。
上昇トレンドであれば更なる上昇、下降トレンドであれば更に下降し、それぞれのトレンドが落ち着きを見せるわけではなく、継続していきます。
トライアングル
トライアングルは為替レートの動きが上下しているものの、その差がだんだんと小さくなり、その形が三角形に見えるのが特徴です。
また、上昇中のトライアングルでは高値が、下降トライアングルでは安値が一定になります。
レジスタンスライン、サポートラインを超えてトレンドの流れ通りに為替レートが動き出したところが売買のポイントです。
ペナント
ペナントはトライアングルと形が似ていますが、主な違いは上昇ペナント、下降ペナントともに高値が下降していき、安値は上昇してくのが特徴です。
形がペナントに似ており、上昇トレンドや下降トレンドの合間に出現することが多いです。
ペナントは次のトレンドの波に向けて力を溜めている状態なので、それぞれのラインを抜けると大きく為替レートが変動することがよくあります。
トライアングルと同様、ラインを超えてトレンドの流れに乗ったのを確認してからの売買がポイントです。
ウェッジ
ウェッジは一見するとレンジ相場に見えるかもしれませんが、上昇ウェッジであれば右肩上がりに、下降ウェッジであれば右肩下がりとトレンドの流れに沿った形をしています。
上昇トレンドで出現する上昇ウェッジを見てみると、高値が少しずつしか上がっていないのに対して、安値がグングン伸びてきています。この状態はもちろん、買いの勢いがなくなってきていることを表しており、下降トレンドへと反転してしまう可能性も示唆しています。
こちらもサポートライン、レジスタンスラインを超えてからの売買がポイントです。
フラッグ
フラッグはトレンドの流れとは逆方向に平行な傾きを作るチャートパターンです。
名前の通り、旗のような形を作るのが特徴です。
上昇フラッグを見てみると、高値と安値が徐々に下降しています。
また、値動きの幅は均一になり、サポートラインとレジスタンスラインを引いてみると、平行な位置関係にあります。
上昇フラッグであれば前回の高値を超えたところから、下降フラッグであれば前回の安値を超えたところが売買のポイントになります。
上記で紹介した以外にもチャートパターンは存在します。
こちらの動画でも、今回紹介したチャートパターン以外のものも解説されていますので、さらにチャートパターンについて理解を深めたい場合は参考にしてみてください!
まとめ
今回はFX初心者に向けてチャートの見方からトレンド、チャートパターンまでをわかりやすく解説しました。
簡単に今回のおさらいをしましょう!
- チャートには為替レートや時間など、トレードを有利に進める情報が盛りだくさん!
- チャート分析で100%予測はできない!チャート分析だけに頼らない!
- トレンドは相場の傾向!トレンドに沿って売買することが基本!
- トレンドの見極めはトレンドラインで!売買のポイントも見えてくる!
- チャートパターンにもそれぞれ特徴がある!まずは形から覚えよう!
FXの基礎を一通り覚えたら、実際にトレードをしてみたくてウズウズしてしまうかもしれません。
まずはこちらの記事で紹介しているXMTradingで口座の開設、デモトレードで練習を行なってみましょう!
基礎を抑えておくことは、何を始めるにしても大切なことです。
チャートやトレンドなどでわからないことや困った時には、この記事に立ち返って理解を深めてもらえればと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。