↑の記事のつづきです。文章が長くなってしまうので、こちらで説明したいと思います。
FX業者に資金を預託した場合、その証拠金がどのように管理されているのかは非常に気になるものですが、国内ではすべてのFX業者が金融庁の指導の下に信託保全により第三者に顧客の資金をあずけ、自らの事業資金とは明確にわけて管理する方法をとっています。
しかし、海外のFX業者はこうした信託保全を行っているところは意外に少なく、XMも分別管理でバークレイズ銀行に資金を預けるようにはしていますが、信託管理とはまったく別の方法で顧客の資産を守る手立てを導入していることが注目されます。
そもそも信託保全とは
この信託保全は、FX業者が第三者の信託銀行や信託法人に投資家から預託をうけた証拠金を委託して管理してもらうという方法で、万が一FX業者が破綻した場合には、最終的に管財人の判断で資金が個人投資家に返却される仕組みです。
したがって、業者が経営危機から顧客の資金に手を出して運転資金に回してしまうということはまったくありえない方法となりますが、破綻した時には信託保全をしているところから、すぐに顧客の投資家に資金が返却されるという簡単なものではなく、最終判断はあくまで管財人に委ねられているという点には注意が必要です。
これまで国内での大手FX業者の破綻というのは起こったことがありませんが、依然として潰れてみないとわからない部分が残されていることもまた事実なのです。
XMが行っている保険加入による破綻リスク対策とは
この信託保全に比べますと、XMをはじめとする海外FX業者が行っている分別管理は、名目上口座を分けてはいますが、自社で管理しているだけですから、破綻時には差し押さえの対象となることも考えられリスクは高まることになります。
しかし、XMでは万が一の破綻時に顧客の資産をまもるため、AIG保険と契約を交わしており、個別顧客は最大100万ドル・日本円にして1億円までカバーする保険に加入していますので、ある意味信託保全よりも安全な状況を確保していることがわかります。
そもそも国内では、信託保全は絶対的な安全性をもつものと認識されていますが、欧州圏ではたとえ銀行であっても、利用者が破綻時に応分の損失負担をするベイルイン(※1)という発想が強く、実際にEUはこれを法制化していますから、EU域内のFX業者といえども信託保全さえしていれば資金が全額利用者に戻るという保障はないのが実情です。
したがって、保険会社と総合的な損失カバーの保険契約をするというのは、かなり顧客にとって安全性の高いオペレーションであるといえそうです。
「ベイルイン(bail-in)」とは、銀行が経営に行き詰まったり、破たんした際、救済にかかる費用を投資家などに負担させることを意味します。一般的には、保釈のために支払うお金(保釈金)などを指します。