損切りって何?必要性はあるの?
損切りってどうすればいいの?
今回の記事では、そんな疑問にお答えしようと思います。
損切りはFX初心者を抜け出す上で避けて通れません。
「損」という言葉でネガティブなイメージを抱く方もいらっしゃるでしょうが、そこに囚われすぎると大損失に繋がる恐れがあるのです。
自分なりの損切りでは思うようにいっていない…
そんな方にも有用な情報をお届けいたします。
投資のリスクをコントロールするためにも、損切りについてしっかり理解しておきましょう!
「損切り」は重要!
「損切り」を知らずにトレードを続けていくのは危険です!
どんな投資にもリスクは伴いますが、リスクコントロールの観点からとても重要なのが損切りです。
自分のトレードに損切りの知識を使うか・使わないかは別として「損切り」がどのような手法なのかは知っておきましょう。
基礎知識は知っているから、やり方・目安を知りたい!という方向けの情報もお伝えします。
「利益を出したい」というのはFXトレーダーなら誰でも思うことでしょうが、そこに「損失を小さくする」という視点を入れていきましょう。
コツコツと利益を出しても損が大きくなってしまうとトータルでマイナスになりかねません。
同じ勝率でも損益は異なる
同じ勝率でもトータルで見た時に利益を出しているパターンと損失になっているパターン、両方が考えられます。
例えば、勝率60%のトレードの場合を考えてみましょう。「勝率60%なのだから、当然利益が出ているのだろう」と思いきや、実際はいろんなパターンが想定されます。
以下の2つのパターンを見てみるとわかりやすいかと思います。Bの例はいわゆる「コツコツドカン」の状態ですね。
AとB、どちらのトレードをしたいかと言えば、もちろんAのパターンでしょう。損切りを行い、1回あたりの損失を小さくすれば、Aパターンのトレードに近づきます。
「損切りをしない」のもありなのか?
ところで、「私は損切りをしません」というスタンスでFXについての情報を公開しているトレーダーさんもいらっしゃいますよね。
そのような情報を目にして「損切りしなくていいなら、知らなくてもいいや」と思っている初心者さんがいるとしたら、非常に危険です。
なぜなら、知らないうちにリスクの高いトレードをしているかもしれないからです。
「私は損切りを知りません」というトレーダーさんはあまり見ませんよね。少なくとも情報を提供するほど勉強しているトレーダーさんでは「損切りを知らない」という方はいないはずです。
損切りについて理解した後で「損切りをしない」選択をすることは自由です。しかし、判断をするのは「損切り」について学んでからにしましょう。
●勉強をして知識をつけた後に判断するのなら、ありです。
そもそも、「損切り」って何?
発生してしまった損失を確定する決済を行うことを損切りと言います。自分自身が許容できる分だけに損失をおさえ、大きく超えた損失を出さないために実行するのです。
「ロスカット」という似た言葉もありますが、これとは別物です。ロスカットは、FX会社が投資家の資産を守る目的で強制的に行う決済のことです。
どちらも資産を守るために決済する点は同じです。異なるのは決済者です。
●同じ部分:資産を守るために決済するという目的
×違う部分:決済者
損切りは自分自身/ロスカットはFX会社
FX会社が決めた「ルール」によって損失が大きいと判断された時にロスカットを執行されてしまいます。
そのルールは「必要な証拠金に対して資産が▲%以下になった」というように純資産を絡めた設定になっていることが多いです。
要するにロスカットされるのは純資産が大きく減るほどの損失が出ている時です。他に勝ちトレードがあったとしても、全体としてマイナス収支になってしまいます。
一方で損切りでは自分で決済して損失を確定します。
「今回のトレードではマイナスになってしまったけれども、トータルで見るとプラスの収支」というレベルで損失をおさえることも可能です。
損切りをするべき理由
一時的な損失よりも、長期的に利益をあげることの方が大切です。
どんな視点で損切りが必要と考えているのか、理由を4つお伝えしようと思います。
- 損失が大きくなることを防ぐ
- 次のトレードの計画が立てやすくなる
- 機会損失を減らすことができる
- メンタル面への影響
これら4つの視点を理解すれば、「損するのが嫌だから」という理由で「損切りなんてしたくない」と思わなくなるのではないかと思います。
理由①損失が大きくなることを防ぐ
損切りは自分の許容額に損失をおさめる行為です。そのため、それ以上の損失がでるのを防ぐことができます。
相場の動きが予想した動きと逆であった場合、現在発生してしまっている損失は含み損として把握できます。しかし、いまのポジションを保有し続けた場合、これからどれだけ損失が大きくなるかは未知数です。
損失が自分の許容額に達した時点でポジションを手放しておけば、これから発生する未知の損失はださずに済みます。
現在の損失を確定させ受容することで、より大きな損失になってしまうリスクを消すことができるのです。
理由②次のトレードの計画が立てやすくなる
次のトレードの計画が立てやすくなることも、損切りのメリットと言えます。
損切りすれば、自分の口座に残す資金を自分でコントロールできます。損失が出てしまったとしても、次のトレードにどのくらいの資金が使えるかの予定が立てられるのです。
もしも損切りせずに、ずるずるとポジションを保持するとどうでしょうか?
どのくらいの損失になるかわからないので、どのくらいの資産が残るのか予想ができません。
そうなれば今回のポジションを決済した後の計画が全くできなくなってしまいますよね。
今回の損失は乗り越えて、次は利益をだすトレードをしましょう!
理由③機会損失を減らすことができる
損切りによって、機会損失を減らすことができます。
現在含み損がでているポジションを損切りせず、損失が膨らんでしまうと資金不足で次のトレードができない、という最悪の事態も起こり得ます。
それでも相場は動いていますから、トレードチャンスが発生することも勿論ありますよね。
資金不足に陥っていた場合、せっかくのトレードチャンスを指をくわえて見ていることになるでしょう。このトレードチャンスを活かせば利益をあげられた可能性があるにもかかわらず、です。
この状況こそ、機会損失です。
損切りをしておけば資金不足に陥ることはなく、トレードチャンスを逃すことにはならなかったはずです。
ちなみに、急遽資金を追加することも選択肢としてはあります。
しかし、入金にも多少の時間はかかります。その間も相場は動き続けていますから、機会損失の可能性はなくならないわけです。
また、追加分でのトレードでも損失が出る可能性も考慮しておかなければなりません。くれぐれも、予算以上の金額を急遽投資に回すことはしないでおきましょう。
理由④メンタル面への影響
メンタル面を考慮しても、損切りは有用です。
ここで2つのパターンを想像してみていただきたいのですが、どちらのパターンがメンタル面への悪い影響が少ないでしょうか?
- 損失はあったものの、損切りして自分の許容額に収めることができた
- なんとなく損切りできず、結局大きな損失を出してしまいロスカットとなった
今回の場合「損失を出してしまった」という前提があるため、どちらも気分の良いものではありませんよね。
しかし前者の場合、自己コントロールによって損失額を最低限に抑えることができています。
「自己コントロールができている」と実感することは、それだけで自信に繋がります!
一方の後者では自分でコントロール出来る部分が含まれているにもかかわらず、なりゆきに任せて結局FX会社によって損失を確定する処理をされてしまいました。
自己コントロールは投資でも重要な要素です。なりゆき任せのトレードになってしまっている時点で既に良いメンタル状況とは言えません。
また、ロスカット後のトレードにも影響が出る可能性もあるでしょう。
●損失を取り返そうと思って普段ならトレードしないタイミングでトレードしてしまう
●予算より多い額を口座に入金してしまう
●ギャンブル性の高いトレードをしてしまう
損失が出ていない、安定したメンタル状況であれば取らないような上記の行動をとってしまう可能性が高くなります。
「損失が自分の許容できる金額である」ことは冷静なトレードを続けるうえでも大切なことなのです。
損切りのやり方
ここからは損切りの具体的なやり方についてお伝えしていきます。
損切りはたった2ステップで実行できます。
- どこで損切りするのかルールを決める
- 損切りをルール通りに実行する
思ったより敷居が低いのではないでしょうか?
「ルール」を作る時は、これまで見てきた4つの「損切りする理由」を踏まえて設定することが必要になります。
また、予め決めておいたルールを無視することは損切りを実行したとは言えません。必ず「予め決めたルールを守った」損切りの実行が必要になります。
手順① どこで損切りするのかルールを決める
損切りのルール設定は十人十色です。この記事では、ルール設定の目安をもう少し後でご紹介します。
内容が異なっていても「損切りルールがある」ことが皆共通のルールです。
「総資産の▲%の損失が出たら損切りする」
「利益の半分に損切りラインを設定する」
「損切りをしない」
など様々なルールが紹介されているのを見たことがあると思います。
「損切りをしない」というのもある意味、損切りに対する「ルール」と捉えることができますね。
自らが設定したルールに基づくことのない損失の確定は「損切り」とは言えませんし、なりゆき任せの損失の確定は結局のところ自身の資金管理に役立ちません。
予め損切りのルールを設定しておかないことは、資金管理が不十分だと言うこともできるのです。
まずはルールを設定しましょう。
手順② 損切りの実行
ルール設定ができたら、損切りをルール通りに実行しましょう。
損切りの実行方法には主に3つのパターンがあります。
自分で決済するパターンがまず一つ。その他に自動で決済されるよう設定する方法があります。逆指値注文やOCO注文は自動で損切りしてくれる便利な手法です。
決済が自動の場合、ずっとチャートに張り付いておく必要がなくなります。
また、「上手く損切りをする自信がない…」そんな初心者の方でも事前に設定しておけば、自動で損切りされ安心です。
注文の方法については、デモトレードで何回か練習すればすぐに習得できますよ。後ほど詳しいやり方をしっかり解説します。
自分で損切りを実行する場合
自分で損切りを実行するには、「成行決済」を用います。
自分が予め決めておいた損切りラインに達した時に成行決済するだけです。自分でタイミングを見て決済することができます。
- ワンクリック決済
- 発注画面からの決済
どちらでも同じことです。
即時決済したいのに決済方法で手間取ることのないよう、やり方は把握しておきましょう。
▼成行決済の詳しいやり方は過去の記事で既にご紹介しています。
自動で決済する場合1:逆指値注文
逆指値注文とは、指値注文と逆、つまり現在レートより「値上がりしたら買う」・「値下がりしたら売る」ことを事前注文しておくことです。
注文方法 | エントリータイミング | 決済タイミング |
---|---|---|
指値注文 | 値下がりしたら買う | 値上がりしたら売る |
逆指値注文 | 値下がりしたら売る | 値上がりしたら買う |
活用の方法は損切り以外にもありますが、今回は損切りの方法に絞ってご紹介します。
さて、通常の指値注文は現在レートより「値下がりしたら買う」・「値上がりしたら売る」というものです。
「できるだけ安く買い、できるだけ高く売る」という投資の原則に則した取引方法が指値注文といえます。
しかし、実際の相場では「出来るだけ安く買ったつもりが、そのまま値下がりが続いた」という状況が起こりえますよね。
そのような時に逆指値注文を活用すれば損失が大きくなる前に食い止めることができます。
わかりやすいように極端な例で説明してみます。
現在レートが95円だった場合。これ以上値下がりはしないだろうと予想して買いで注文しました。
100円までポジションを保持して売るつもりでしたが、逆指値注文として「93円になったら売る」=「現在レートより安くなったら売る」という注文もしておきました。
その後実際の値動きは予想に反し、値下がりが90円まで続いてしまいました。逆指値注文をしていなければ5円の損失が出てしまっています。が、逆指値注文をしていたお陰で2円分の損失で済みました。
逆指値注文を活用することで損失が大きくなることを食い止めることができていますね。
では、注文方法についてもご説明します。損切りするための逆指値注文の具体的な流れは以下の通りです。
- ポジションを保有している状態でスタート
- 「注文変更または取消」の項目をクリック
- 決済逆指値(S/L):逆指値の希望レートを入力
- 入力内容に間違いがないか確認
- 変更をクリック
MT4で逆指値注文を実際にやってみましょう。MT5をお使いの方も操作方法はほぼ同じです。
自動で決済する場合2:OCO注文
OCO注文は、指値注文と逆指値注文を組み合わせた注文方法です。one cancels the other orderの略で、指値注文・逆指値注文のうちどちらかが成立した場合には、もう一方はキャンセルされます。
つまり、利益確定と損切りが両方とも自動で行えます。
先程の例では「100円になったら売るつもり」でしたが、こちらも自動的に決済されるように設定しておくことが可能です。
予想に反して値下がりが続き、損切りラインとして設定していた93円で決済が行われた場合「100円になったら売る」という設定は自動的にキャンセルとなります。
保有しているポジション全てが決済されるのがOCO決済です。「半分だけ決済したい」というような時には使えません。
具体的な注文方法の流れは以下の通りです。
- ポジションを保有している状態でスタート
- 「注文変更または取消」の項目をクリック
- 決済逆指値(S/L):逆指値の希望レートを入力
- 決済指値(T/P):指値の希望レートを入力
- 入力内容に間違いがないか確認
- 変更をクリック
具体的なやり方は逆指値注文と、ほぼ同じです。決済逆指値・決済指値の両方を入力することでOCO注文をすることができます。4番目以降はオレンジ色の枠線に沿って進んでください。
損切りの目安|タイミングはいつ?
損切りルールも他のルール同様、人によって様々です。リスク管理が出来るのならばどんなルールも正解だと思います。
とは言え、ルール設定をしないことには損切りは始まりません。
ルール設定が出来なくて困っている方のために、ここでは初心者向けのルール設定方法を3つご紹介します。
参考にして、まずは損切りルールを設定してみてください。
最初に作ったルールを絶対とするのではなくトレードをしながら調整・応用していくことをおすすめします。
テクニカル分析【初心者向け】
下値支持線(サポートライン)や上値抵抗線(レジスタンスライン)を参考にルール設定してみましょう。
一般的に、これらのラインを超えると相場が勢いよく同じ方向へ動くと言われています。そのままポジションを持ち続けていると損失がどんどん大きくなってしまう可能性があります。
そこで、これらのラインを少し超えたところで損切りルールを設定しておけば、大きな損失となることを防ぐことができるといわれています。
過去の傾向などから今後の相場の動きを予想してトレードするFXなので、「○○のような動きを見せたら△△になりやすい」という具体的な暗黙のセオリーのようなものが多数存在します。
「ラインを超えたら同じ方向に勢いよく相場が動きやすい」というものセオリーのひとつ。
このようなセオリーを根拠に「ラインを超えたら売買のサイン」と捉えトレードすることもできますし、逆に損切りのルールとすることもできます。
チャートの安値や高値を線で結ぶと見えてくる「トレンドライン」の一種です。
安値を結んでみえてくる線を下値支持線(サポートライン)、高値を結んで見えてくる線を上値抵抗線(レジスタンスライン)と呼びます。
これらのラインはレンジ相場でもトレンド相場でも見ることが出来ます。
トレンド相場で見られるラインは、どちらか1本です。下降トレンド時見られるのが上値抵抗線、下値支持線は上昇トレンド時見られます。
しかしこの時、「ダマシ」と呼ばれる相場の動きにも注意が必要です。
実際の相場ではセオリー通りに値動きしないことも勿論ありえます。あくまで過去分析による「傾向」でしかないのです。
ダマシの存在を知らずに損切りルールを設定することは、逆に利益を得る機会を逃すことに繋がります。
「ラインを超えたら相場が動きやすい」ため、ライン上ぴったりに損切りのルールを決めた場合、セオリー通りに相場が動けば損切りが確定されてトレード終了です。
セオリー通りに動かず、勢いよく相場が反転したらどうでしょう?
損切りどころか、大きく利益を出すチャンスとも捉えられます。
このようなチャンスを逃さないため、「ラインを少し超えたところ」に損切りルールを設定することをおすすめします。
テクニカル分析で出ていた売買サインと、実際の相場の動きが全く逆になることです。
投資のセオリーの知識量が多いベテラントレーダーがだまされやすいと言われています。ダマシの知識があるかないかで損切りルールの設定も変わってきます。
損失許容額から逆算する
損益額(損失許容額)から逆算して損切りルールを設定する方法もあります。
資金管理の面で見てもわかりやすい方法ですが、実は設定の仕方によってはメンタル面を支えることもできる方法です。
「損失許容額は資産全体の2%に設定すると良い」とよく言われますが、この2%という数字は目安であって、必ずしも2%である必要はありません。
2%が適切だとご自身が判断した場合に、2%に設定すれば良いのです。
では2%が適切かどうか、どのように判断すれば良いのでしょうか?
ズバリ、「負けトレードでその金額を失ってもプレッシャーを感じない金額なのか」どうかを考えてみてください。
例えば、100万円を元金としてトレードする場合、2%負けると2万円失うこととなります。
一方、1万円を元金としてトレードを行う場合、2%負けると200円です。
ここで注目するのは元金のうち何%失うかではなく、「いくら失うのか」です。2万円の損失があってもプレッシャーを感じないという方は、損失許容額を2%に設定できるでしょう。
しかし、2万円では大きすぎると感じるのなら、たとえ資本が100万円でも200万円でも損失許容額は2万円より少なく設定するべきです。
200円であれば許容できる、と感じるのならば200円に設定します。自分の感覚的な「損失許容額」も考慮してルールとしてみましょう。
▼具体的な損失許容額からの算出方法は以下の記事を参考にしてみてください。
相場の動きが予想と異なっていた時
相場の動きが予想と違っていた場合も損切りすべきタイミングです。
相場の動きが予想と異なっていたということは、その時点で分析に失敗したと判断できます。そのままポジションを保有し続けることは、ギャンブル性の高いトレードをしていることになります。
予想と違う動きを見せたことに焦ってしまいそうになるかもしれませんが、落ち着いて一度ポジションを整理しましょう。
その後で「どうして予想と違ったのか?」など分析をやり直して次のトレードに活かしましょう。ここで損失を少なく抑えておけば、分析後、次のトレードをする時に前向きな気持ちで取り組むことができます。
損切りのポイント
損切りする時にポイントとなるのは以下の2点です。
●ルールを決めたら必ず守る
●持っているポジションを全て決済する
ルールを決めたら必ず守る
損切りを実行する際にポイントとなるのが「ルール通りに」実行することです。
実際の局面になると、ルール通りに損切りを実行することが非常に難しく感じると思います。特に初心者の場合は尚更です。
しかし、冷静さを欠き、ルールを破ることは絶対にしないでください。
実際のトレードでは自分の資金を費やしています。そのため当然「損したくない」という感情があります。それは初心者・ベテラン関係なく皆思っていることでしょう。
そのような感情があるうえでルール上は損切りラインに達しても「なんとなく持ち直すんじゃないかな」などと楽観的な感情に流されてしまい損切りの実行を見送ってしまうことも…。
他にも様々な理由でルール通りに損切りしない状況が考えられます。そんな状況が生み出される理由としては、メンタル面・感情的なトレードによるものが最も多いと思われます。
1トレードの勝敗に一喜一憂しないメンタルの維持も重要です。「損することもある」と割り切りましょう。
自己コントロールができるよう、メンタルを鍛えることも重要ですが、一朝一夕で身につくものではありません。また、感情のコントロールはその日の体調やコンディションにも大きく影響を受けます。
未来の自分の感情を信頼するよりも損切りを自動化する手法を選択するのも一つの手です。
特に自信がない時は逆指値注文などを活用し、自動的に損切りしましょう。
持っているポジション全ての決済
ポジションを中途半端に残すと管理や操作がややこしくなります。損切りする時は持っているポジションを全て決済しましょう。
OCO決済を活用すれば、自動的に全てのポジションが決済されます。
損切りしない場合のリスク
損切りしない場合のリスクとして、これまで散々お伝えしてきた通り、損失の拡大が挙げられます。
さらに、マイナスが出ているポジションを保有し続けてしまう「塩漬け」になってしまう可能性もあります。
塩漬けとは、含み損が出てしまっているけれども、損切りしない(できない)ポジションを保有し続けることです。
損失額が大きくなると、どんどん損切りしづらくなってしまいます。決済しなければ含み損のまま、損失として確定されないので、損切りへ踏み切れなくなってしまうのでしょう。
そのままずるずるとポジションを保有し続けてしまい、見て見ぬふりを続けてしまう状況になってしまうことがあります。
▼塩漬けを含めた初心者によくある失敗については過去の記事でご紹介したことがあります。是非併せてお読みください。
損切りにはデメリットがあるの?
一時的な値動きに反応して損切りしてしまうと、その後の利益を逃してしまうこともあります。
損切りした途端、レートが反転して持ち直し、あの時損切りしていなければ、今は利益確定できたのに…。そんな状況が起こることがあるのです。
他のテクニックや分析手法も併用することをおすすめします!
「今更、そんなの当然だよ!」と思った方は良いですが、やはりFXトレードにおいて「絶対」の手法やルールはありません。
様々な手法や分析を組み合わせて、自分が勝てる手法・負けない(負けを少なくする)手法を見つけていきましょう。
これらの研究のためには「市場から退場しない」ことが重要になります。損切りと併せて、資産管理についてもしっかり学んでおきましょう。
▼資産管理にはロット計算が必須です。ロットの大小によっても損失額を調整することができるので、こちらの記事もご一読ください。
まとめ
FXの損切りについて、いかがだったでしょうか?
- 損切りとは、発生してしまった損失を確定させ、受け入れること
- 損切りは損失を許容額に抑えるためにする
- 目先の損失よりトータルの利益を狙おう!
- 損切りの決済方法には自分で実行するやり方(成行決済)と自動で実行するやり方(逆指値注文・OCO注文)がある
これらの知識を身につけ、実行できるメンタルを養ったあとに、「損切りしないトレード手法」を選択するトレーダーもいます。
しかし、損切りについて全くの無知のままでは、市場から退場せざるをえないほどの損失を出してしまう恐れがあります。
特に初心者のうちは損を最小限に抑える意味で損切りすることには価値があると考えられます。
この記事が今よりワンランク上のトレードスタイルの確立に、お役に立てれば幸いです。