この記事はFXを始めようとしている初心者の方向けの記事です。
これからFX取引を行う上で必須の単位「Pips(ピップス)」について詳しく解説を行いますので、FXを始める前の方だけでなくPipsについてあやふやな部分がある人にもおすすめです。
「Pipsってよく分からないんだけど、知らなくてもなんとかならないの?」「知らないと損するの?」とお思いの方はぜひ読んでください。
Pipsは、知らずにFX取引を始めてしまうと取引や損益管理に支障をきたす可能性があるくらい重要なものだからです。
では早速、Pipsとは何かという基本から、Pipsを使った計算方法までしっかりマスターしましょう!
FXのPipsとは|基礎知識
Pips(ピップス、ピプス)とは、様々な通貨が取り扱われるFX取引での通貨の【共通単位】です。
Pipsを用いることで、円、ドル、ユーロなど異なる通貨での取引でも比較しやすくなる上、同じ利益額の場合でも運用効率の良し悪しが分かるようになるので、非常に重要な単位なんです。
運用効率の良し悪しの見方については後半で解説します。
1.1 Pipsは為替レートの変動を表すための単位
1.1.1 「Pips」は単位
PipsはFX取引での共通単位とお伝えしましたが、何を表す単位かというと、為替レートの変動を表す単位で、「通貨の1%」を表しています。
%なので、通貨の種類を問わないというわけです。
以前は為替レートにおける値動きの最小単位が1Pipsでしたが、最近は0.1Pipsが最小の値動き単位になりました。
為替レートは通貨同士の交換比率のことです。
例:1ドル=110円の場合、100ドル購入するためには11,000円必要になります。昨日1ドル=110円だったのが、今日1ドル=108円になったとしたら、2円の値動きがあったということですね。
1.1.2 Pipsの語源
Pipsは「Percentage in point」の頭文字に複数形のSをつけた略語です。直訳すると「ポイントの百分率(%)」になるわけですが、重要な点は「百分率(%)」というところ。
FXでは、円やセントといった流通している通貨単位の1/100が1Pipsになります。
"流通している"、つまり"現金が存在する"通貨単位の1/100であることを覚えておいてください。
1.1.3 Pipsの理解は全てのFXトレーダーに必須
使用する場面については5番目の項目で詳述しますが、もしあなたが例えば「ドルと円しか使わないからPipsは分かってなくても大丈夫じゃない?」と思っているとしたら、実はそれは間違いです。
同じ通貨での取引でも、投資効率を把握する上でPipsは便利なので、しっかり内容を理解しておきましょう。運用効率の良し悪しの見方についても後半で解説します。
また、他の方の運用を勉強する際にもPipsが分かっていないと理解が難しくなりますよ。
1.2 画面でのPipsの見方
画面での見方は非常に簡単ですが、チャート画面と取引画面で見え方が異なるので、それぞれ解説していきます。
共通の見方としては「表示された数字の右から2番目が基準になる」です。通貨により小数点以下何位が1Pipsかは変わりますが、シンプルに「右から2番目」です。
なぜかというと、値動きの最小単位が今は基本的に0.1Pipsなので、その1つ上の位が1Pipsになるからです。
1.2.1 チャート画面での表示例
チャート画面では右端の軸の数字を見ても分かりますが、左上の青・赤の枠を見ていただくのが現時点での数値を見るのに便利です。
日本円が決済通貨なので、「円の1/100」が1Pipsとなり、上記の通り小数点第2位がPipsの桁です。
一方で、日本円以外の決済通貨の場合は、補助通貨単位の1/100なので通貨単位から考えると、1/10,000となります。つまり、小数点第4位がPipsの桁です。
ただ画面上は通貨の種類を問わず、Pipsの桁の位置がそろうように表示されているので非常にわかりやすいかと思います。
1.2.2 発注画面での表示例
上図の「成行注文」の枠内に表示された数字の右から2番目(小さい数字の左隣)が基準、1Pipsの桁となります。
基本的には上記の表示ですが、FX会社により異ならないとも限らないので、初めての会社などの表示画面を見る際は念の為表示桁数が円の場合0.1銭(=0.1Pips)までされていることを確認しておくと確実ですよ。
1.2.3 取引プラットフォームの損益欄での表示例
損益額は各ポジション(取引)を今決済したらいくらの損益になるのか?を表したものです。MT4の画面で説明すると、画面最下部の右側に「損益」が表示されています。
XM Tradingの場合、こちらの表示形式を「ポイント」にしておくと、Pips単位で表示されます。(会社によってはこの「ポイント」という言葉の扱いが異なるケースもあるようなので、ご自身がお使いの会社の情報をご確認ください)
金額表示にしていると、その瞬間の金額に惑わされて決済タイミングを見誤る場合もありますので、ポイント表示しておくのもいいかと思います。
1.3 Pipsを使った表現の例
Pipsは通貨の種類を問わないので、どの通貨ペアで取引をしていても同じ表現になるのが特徴です。
通貨ペアとは、実際の取引で売買する通貨の組み合わせのことです。
通貨ペアは「主軸通貨(基軸通貨)」と「決済通貨」に分けることができます。例えばUSD/JPYの場合は、USDを主軸通貨、JPYを決済通貨と呼びます。取引は主軸通貨で行い、取引の差損益やスワップ損益は決済通貨で発生します。
[例1]A社のUSD/JPYのスプレッドは0.2Pipsと安い。
スプレッドの確認もPipsを使って行うことで、異なる通貨ペアを横並びで比較しやすくなります。主要通貨だけスプレッドが安く、その他が高いような会社もありますので、Pips単位でしっかり確認しましょう。
[例2]昨日はGBP/USDで113.5Pips稼いだ。
自分と違う通貨ペアの人の利益額もPipsが分かればすぐにイメージがつくようになります。
[例3]去年は年間で2,400Pips獲得したので、月平均獲得Pipsは200 Pips。
例えば、実績を実際の金額でなくPipsで把握しておくと、今後ロットを大きく/小さくしたときにどうなるかが計算しやすくなりますよ。
実際のTwitterでもこんな感じでPipsで表現されていますね。
1Pipsはいくらか
1Pipsは流通している最小通貨単位の1/100とお伝えしました。先ほども実際の画面で軽くご説明しましたが、実際の通貨ではいくらになるのか、クロス円の場合と、ドルストレートの場合で解説します。
ドルが関係する通貨ペアは「ドルストレート」と言われます。それ以外の通貨ペア(○○/××)を「クロス○○」と言います。円/××であれば「クロス円」、ユーロ/××であれば「クロスユーロ」と呼びます。(たまに、混乱される方がいますが、円/ドルはドルが関係するので「ドルストレート」です)
2.1 クロス円など、円が決済通貨の場合
★ 1Pips=0.01円(1銭)
ポイント:小数点第2位が基準になる
日本では今【円】が最小通貨単位で【銭】の現金はありません。なので、円の1/100がPipsの単位です。
1銭というと分かりやすいので、スプレッドなどをクロス円の場合はPips表示でなく銭表示にしているFX会社もあります。円を中心に使われる方は1Pips=1銭と覚えていてもよいでしょう。
2.2 ドルストレートの場合(円が決済通貨の場合を除く)
★ 1Pips=0.0001ドル(0.01セント)
ポイント:小数点第4位が基準になる
一方で、【ドル】において【セント】は現金がある最小通貨単位ですので、1セントの1/100がPipsの単位になります。
ドルから考える1/100ではないことに注意してください。ドルから考えると1/10,000、つまり小数点第4位が基準です。
あくまで"流通している"最小通貨単位の1/100ですが、世界各国の補助通貨単位まで把握するのは大変ですし、あまりメリットがありません。一般的に取引される通貨において、日本円以外は小数点以下第4位が基準と考えていただいてOKです。
世界の主要な国では、通貨単位の下に補助通貨単位があり、実際に硬貨などとして流通しています。例えば、ドルであればセント、ポンドであればペニー(ペンス)などです。
一方で、日本円には今、補助通貨の現金がありません。1953年をもって1円未満の通貨の通用が廃止されたためです。株式市場などではお馴染みではありますが「銭」は流通していない通貨単位なので、「円」が最小です。
この日本円には補助通貨単位が流通していないということが、チャートの見方や計算式での【日本円が絡む場合は違う】という原因になっています。
2.3 応用問題|「○Pips」はいくらか
では実際にPipsと通貨単位について換算の練習をしてみましょう。
Q1:クロス円の場合、100Pipsはいくらか
円の場合、現金のある円の1/100、つまり1銭が1Pips。
100 × 1銭(0.01円)=1円
100Pipsは1円となります。
Q2:ドルストレートの場合、2.5ドルは何Pipsか
ドルの場合、現金のある補助通貨単位であるセントの1/100になります。つまり、ドルの1/10,000が1Pipsですね。
2.5ドル×10,000=25,000Pips
25,000Pipsが答えです。
日本円において1Pips=1銭ですが、実際取引上いくらの価値になるかは為替レートやロット数などにより異なります。そちらの計算方法は今からご説明しますね。
Pipsの計算方法
Pipsとは何かが分かったところで、実際に使うシーンに合わせて計算方法を学んでいきましょう!こちらの順で具体的な計算方法をお伝えします。
3.1 Pips幅(値動き幅)の計算方法
3.2 損益計算(lotとPipsの計算)の方法
3.1 Pips幅(値動き幅)の計算
Pipsは為替の値動き幅の単位なので、為替差益(差損)を表現する際に非常によく使われますよ。値幅、すなわちPips幅の計算方法は以下の通りです。
★ Pips幅=[決済した値]-[建値(エントリーした値)]
「買い」の場合は指値との差額、「売り」の場合は逆指値との差額から算出します。なので例えば、USD/JPYのレートが110.000円から109.950円に下降した場合、「5.0Pipsの幅でマイナス」と表現できます。
建値とは、ポジションを持った時のレートのことです。
ポジションは「外貨の持ち高」のことで、新規で買い注文や売り注文をおこなったときをポジションをもった(取った)と言います。新規にポジションを持つことをエントリーというので、建値=エントリーした値です。
保有ポジションが「買いポジション」なら通貨を売る事、「売りポジション」なら通貨を買い戻す事が決済です。決済するまで実際の損益は確定しません。
指値注文は現在価格よりも「指定金額まで下がったら買う」または「指定金額まで上がったら売る」という注文で、指値はこの指定金額の事です。逆指値は指値注文の逆で、「指定金額まで上がったら買う」または「指定金額まで下がったら売る」という注文です。
3.2 lotとPipsの計算(損益計算)
3.1で求めたPips幅を用いて、損益計算をしましょう。得られた【Pips幅】に【取引通貨数】を掛け、【為替レート】をかけることで【損益の金額】が得られます。
実際の計算式は以下の通りです。
★損益額=①1ロットあたりの通貨数÷10万×②取引ロット数×③Pips幅(値幅)×④通貨ごとに変動する数値
①1ロットあたりの通貨数÷10万×②取引ロット数⇒取引通貨数
こちらで取引通貨数を求めています。海外FXでよくあるロットあたりの通貨数である10万通貨を基本とした式にしているので、ご自身のロットが10万通貨の方は①=1となり、シンプルに【取引ロット数を掛けるだけ】となりますよ。
③Pips幅⇒3.1で求めた値
3.1の方法で求めたPips幅を使います。
④通貨ごとに変動する数値
「通貨ごとに変動する数値」は、為替レートにPips⇒通貨単位への換算のための値などをすでに計算したものを代入します。
下記の数値はご自身の口座表示が「円」の場合です。
口座表示が日本円でない方は、口座表示に為替レートをかけて「円」に換算してください。
【取引通貨が外資ペア(クロス円以外)の場合】
トレードする通貨ペアの「決済通貨」を主軸通貨とする「JPYとのレート」×10
(例:取引ペアがEUR/USD、決済通貨がUSDであれば、「USD/JPYのレート」が必要です)
通貨ごとに変動する数値は為替レートを反映するための数値なので、随時変動します。
【取引通貨が日本円とのペアの場合】
「100」×10 =1000
クロス円だけでなく、USD/JPYなど日本円が絡むドルストレートもこちらの式ですのでご注意ください。日本円のときだけ「100」が必要になるのは、ドルなどは1Pips=0.0001ドルなのに対し、円だけ1Pips=0.01円と2桁異なっているからです。
日本円とのペアの場合、当然ですが為替レートは必要ありません。(「円」対「円」は「1」ですよね)
口座が日本円でロットが10万通貨、取引通貨が日本円とのペアの取引の方は「ロット数×Pips幅×1000」で損益が計算できるということなので、覚えてすぐ使いやすい式になっていますよ!
ロットとはFX取引を行う際の取引単位のこと。
通貨数は、FX取引における1ロットあたりの通貨設定のことです。ロット当たりの通貨数は業者によって異なりますので事前に確認しておきましょう。[例:1,000通貨・10万通貨など]
「通貨ごとに変動する数値」の詳細な計算方法など、損益計算について詳しくは下記の記事でご説明しています。実際の練習問題もあり、丁寧に解説もしていますのでぜひこちらを参照してください。
ロットについてはこちらの記事をご参照ください。併せて読んでいただくことで理解が深まるかと思います。
3.3 練習問題|pips幅を計算してみる
Q1:USD/JPYの場合
Q1 : USD/JPYの通貨ペアで、109.544円で買い109.682円で決済したときのPips幅はいくらでしょうか?
実際の計算パターンは2通りあります。
1つ目は、数値の読み取り時点でPips単位で読み取る方法。2つ目は金額として読み取って、その後Pipsに換算する方法です。どちらでも結果は同じなので、やりやすい方を選んでください。
【1】Pips単位で読み取って計算する場合
グラフ右端の数値の小数点を「日本円」なので1/100=2つ右に動かして読み取る。
10968.2 - 10954.4 = 13.8 Pips 獲得
【2】金額として読み取ってPipsに換算する場合
109.682 - 109.544 = 0.138 円
1円の1/100が1Pipsなので、0.138円 × 100 = 13.8 Pips 獲得
Pips幅の計算をするときに注意すべき点は、計算ミスよりも数値の読み取りミスです。同じタイミングでも「買い」と「売り」でスプレッドにより値が異なるので、「買い」と「売り」の取り違えにご注意ください。
すでに開始している取引では間違えにくいと思いますが、今後の計画を立てて損切や利確のPips値を計算するときには特に気を付けていただきたいと思います。
Q2:EUR/USDの場合
Q2 : EUR/USDの通貨ペアで、1.21865ドルで買い1.21852ドルで決済したときのPips幅はいくらでしょうか?
【1】Pips単位で読み取って計算する場合
グラフ右端の数値の小数点を「USドル」なので1/10,000=4つ右に動かして読み取る。
12186.5 - 12185.2 = -1.3 Pips 損失
【2】金額として読み取ってPipsに換算する場合
1.21865 - 1.21852 = -0.00013 ドル
1USドルの1/10,000が1Pipsなので、0.138円 × 10,000 = -1.3 Pips 損失
計算に慣れてくれば、建値と決済金額で変動しない桁の数値(この例でいうと1.218の部分)を省いて見れるようになってくるので、そうなれば電卓をたたく数字の数も減ってきますよ。
Pips幅についての練習問題は以上です。つまづいた部分があった方は、Pips幅の計算式やPipsとは何かの説明ににもう一度戻ってチェックしなおしてみてくださいね。
「Pips幅の計算はバッチリ!損益計算の練習問題が解きたい!」という方は、上で紹介したこちらの記事で問題と解説を載せているので、ぜひそちらでも練習問題に取り組んでみてください。
Pips計算機の紹介
Pipsは複雑な計算ではありませんから電卓でポチポチしても良いのですが、専用ツールもありますので、ぜひ便利に活用していきましょう!計算ツールを使うと時短になり、人為的な計算ミスも防げるのもメリットです。
それではアプリとウェブサイト(ブラウザ版)、最後に表計算ソフトについてご紹介していきます。
4.1 アプリ:FXトレード記録(iOS対応)
Pips計算専用のアプリはありませんが、FX用のアプリであればたいていPipsが計算できます。
今回ご紹介するのは「FXトレード記録」というアプリです。iOS専用なのが残念ですが、FXの記録に特化したアプリで設定さえしておけばPips計算だけでなく、ドル円ペアの自動損益計算もできる便利アプリです。
数値を入力するだけでグラフ化してくれるのも視覚的にわかりやすくてオススメですよ。
4.2 ウェブサイト:XM Trading ピップ値計算機
XM-Tradingのサイト内にPips計算機のページがあります。こちらのサイトでは、基本通貨、取引対象の通貨ペア、為替レート、ロットサイズを入力するだけで自動計算してくれます。
こちらのサイトはpips以外に、通貨換算やスワップ計算なども出来るので便利ですよ。ぜひブックマークに入れておきましょう。
4.3 汎用の計算ソフト:Excel
Pipsを少し計算するだけであればスマホの電卓機能でも問題ありませんが、損益計算したりそれを記録したりすることを考えると表計算ソフトを使うのもおすすめです。
表計算ソフトを使う場合は、本記事などでご説明した損益計算式のように、頻繁に計算する数式を前もって入力しておくと便利に使えるかと思います。
表計算ソフトで最も有名なExcelは、なんと今大半の機能が無料で使えます。しかも、ブラウザでもアプリでも無料で使える上内容を同期できるので、家ではパソコン、出先ではアプリなどと使い分けることも可能。
いずれもMicrosoftのアカウントが必要になりますが、無料で簡単に取得できますよ。
Excelのブラウザ版はこちらからアクセスしてください。サブスクリプション版を購入するようにオススメする画面となっていますが、期間限定無料版で勝手に有料に移行する…ようなことはないので安心して使ってください。
「Pips」が使われる理由
それでは最後に、なぜPipsが使われるのかについて理由を説明いたします。なぜ使われるのかが分かれば、Pipsがいかに重要なのかがよくわかるかと思います。
★通貨ペアの違いや、その時々の為替レートに左右されずに評価できる
こちらは円とドルしか使わない方がご自身を評価する際にはあまり関係ありませんが、例えばAUD/USDやEUR/円などといったそれ以外の通貨ペアを複数運用する場合、Pipsは非常に便利な単位です。
その理由は、Pipsは通貨に関わらない共通単位なので、換算をせずに一気に横並びで評価ができることです。
「AUD/USDでは今週25ドル利益が出て、EUR/円では100円利益が出た。え〜っと、それぞれ投入したロットは…、今の為替が…」などとしていると、非常に非効率ですよね。
Pipsを使えば「AUD/USDでは今週0.65Pips利益が出て、EUR/円では0.28Pips利益が出た。AUD/USDのほうが2倍以上効率的に運用できた」とすぐに分かります。
損益の金額で一喜一憂せず、効率を睨んで運用できるようになるためにぜひPipsを使いましょう
★投資効率が分かりやすくなる
例えば同じ3万円利益が出たとき、以下の2パターンだとどちらが効率が良いでしょうか?
Aさん : 10万通貨を元に、30pips獲得し、3万円の利益が出た
Bさん : 100万通貨を元に、3Pips獲得し、3万円の利益が出た
得られた利益はともに3万円ですが、より少ない資金・通貨で多くのpipsを獲得したAさんの方が投資効率に優れていると言えますね。
安定的にPipsが獲得できるようになったら、取引ロットを大きくするだけで利益を大きくすることが出来ます。
Pipsではなく金額で損益を見ている場合、そもそも決済通貨が円以外だと常に為替での換算が必要ですし、ロットが一定でないと評価が出来ません。ロットが一定でなくても、総取引通貨量で常に割って評価すればよいですが、そんな計算は挟まず、Pipsで比較すればシンプルです。
投資効率は金額ではなく獲得Pipsで評価しましょう
運用の成果を資金の差に関わらず正確に評価するためにも、ご自身の成果をPipsで確認するのがおすすめです。
ただし、損切りの基準をPipsで決めるのには注意が必要
このように非常に便利なPipsですが、為替レートや資金の差の影響を受けないために、使い方に注意を要することがあります。それが、損切りの基準をPips幅だけで決めることです。
ストップロスとも呼ばれ、損失を食い止める注文方法です。自動で損切りするために、逆指値注文がよく利用されます。
「なんで!? 冷静に判断するためにPipsで見ておいた方がいいという話じゃなかった?」と思われたでしょうか。その通りではありますが、下記2点の理由から実際の金額も確認したうえで決めることをおすすめしています。
損切りは、損失を最小限に抑えるために非常に重要な判断です。そして、いざ損切りをしなければならない状態に陥ると「いや、相場は戻るかも…」という期待や、「損切りしたら、損失が確定してしまって資金が減る」という恐怖感で初心者にとっては冷静な判断が非常に難しい。
そのために、「ここまできたら絶対に損切りの決済をする」とルールを決めておくことが大切です。ルールを決める際には、上記の理由を踏まえて、Pips幅だけでなく絶対の金額も確認し、念入りに考えて設定しましょう。
実際、中上級者の方の中にPips幅で損切りポイントを決めている方もたくさんいますが、初心者の方はFXの経験を積んで感覚がつかめるまでは控えておきましょう。
まとめ
- Pips(ピップス)は為替レートの変動を表すFX独自の必須単位
- 1Pipsは流通している=現金がある最小通貨単位の1/100(円の1/100、ドルはセントがあるのでセントの1/100)
- Pipsを使えば通貨ペアや為替レートのことを考えず、投資効率が判断できる
Pipsについて、上記の3点を把握できていれば基本知識はOKです。
Pipsを活用することで、様々な通貨ペアや資金の差を考えずに運用の成果を評価することが出来ます。Pips幅自体は引き算だけで求められるので、為替レートを換算するのに比べて計算ミスもしづらいですよね。
それに、どうしても実際の金額を目にしてしまうと、判断に狂いが生じがちです。
FXにおいては常に冷静な判断が必要ですので、Pipsという共通単位を使って冷静かつ的確に判断をできるようになりたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。