この記事は、TradingViewのチャート分析機能を活用したデイトレード手法について解説しています。TradingViewの機能やメリットについては、以下の記事をご覧ください。
- ニューヨーク市場の特徴をつかむ
- ブレイクアウトが狙えるチャートパターン分析
- 私が実際に使っている手法のエントリーや決済の考え方
この記事で紹介するデイトレード手法は、いわゆるブレイクアウト手法です。主にロンドン時間からニューヨーク市場にかけてのブレイクアウトを狙うので、サラリーマンなど夜の時間帯(NY市場)にトレードしたい方に最適だと思います。
- 根拠のあるトレードをしたい
- 逆張りではなく、トレンドフォローが得意
- 兼業トレーダーで短時間しかトレードできない
目次
XMとブレイクアウト手法の相性は○
この手法をXMで使う理由について
私は、ブレイクアウト手法にはXMTradingを利用しています。
基本的にブレイクアウトを使う海外FX業者は約定力と、ある程度のレバレッジがあるのが条件だと考えています。逆にスプレッドにこだわる必要はありません。ボラティリティが高い相場でトレードすることを狙うので、すぐにスプレッド分をカバーできるからです。
XMで利用している口座タイプは、888倍のレバレッジとボーナスが利用できるスタンダード口座です。長い間XMを利用していますが、長所短所を総合的に見ても優秀だと思います。特に約定力はこの手法において肝ですが、この点もきちんとしています(指標発表直後など極端なボラティリティ相場を除きます)。
また、XMのボーナスも可能であればフル活用します。XMのボーナスはそのまま証拠金として活用できるので、888倍のハイレバレッジと併用すれば、効率よくトレードすることが可能です。
- 888倍のレバレッジで資金効率が良い
- ボーナスが豊富、そのまま証拠金として利用できる
- 約定力が優秀
XMについては以下の記事をご覧ください。
ブレイクアウトの基本的な考え方
ブレイクアウトは、ロンドン市場からニューヨーク市場にかけて発生しやすくなります。
レンジ相場やトライアングルなどトレンドがない揉み合い相場になった後、上値抵抗線もしくは下値抵抗線を超えて大きく価格が動き出すことを「ブレイクアウト」と呼びます。このブレイクアウトのメリットは、とにかく短期間で利益が出やすいという点です。後の章で解説しますが、レンジ相場が長く続いた後ほど大きな動きになるという特徴があります。
TradingViewで分析できるチャートパターン
- トライアングル
- ヘッドアンドショルダー
- チャネルブレイク
- エリオット波動
・・・etc.
TradingViewは、8,000種類以上のカスタムインジケータとチャートパターンを分析できる豊富なチャート描画ツールです。
ブレイクアウトには様々な方法がありますが、基本的なのはトライアングルとヘッドアンドショルダーだと思います。また、私は上昇のブレイクアウトよりも下降ブレイクアウトの方を重視しています。
好みの問題ですが、下降トレンドの方がより勢いをつけてブレイクしやすいと考えているからです。また、チャートパターンも見分けやすいので、下落トレンドでのブレイクアウトを主に狙います。ブレイクアウトに限らず、実際にトレードするには、必ずトレードルールが必要です。
- どのタイミングでエントリーするのか
- どんな根拠で利益確定をするのか
- どこでストップロス(損切り)をするのか
主に上記の3つをトレードルールとして最初に決めます。
ブレイクアウトはニューヨーク市場を狙う【取引時間帯】
私がXMで実践しているブレイクアウト手法は、デイトレードが基本です。デイトレードは1日の終わりにはポジションを決済する方法なので、ほとんどの人は就寝前にポジションを決済します。
デイトレードの強みと弱みを簡単にまとめてみます。
メリット | デメリット |
|
|
ニューヨーク市場は、日本時間の21:00~深夜2:00までが主な取引時間なのですが、とりわけ21:00~24:00の時間はロンドン市場とも重なるためトレンドが発生しやすくなります。
※標準時間(夏時間はマイナス1時間)
日本時間 | トレードの流れと注意点 |
20:00 | NY市場の経済指標予定を確認 |
21:00 | チャートパターン分析とアジア~ロンドン市場の主要通貨ペアの相場を確認して、レンジ相場やもみ合いになっている通貨ペアを探す |
22:30 | 指標発表時間(例:雇用統計) |
22:30~24:00 | この間に、ブレイクアウトしないかチャートを見張る |
24:30 | 大きく相場が動く可能性がある!(値動きが激しくなるので注意) |
25:00
(夏時間:24:00) |
ロンドンフィックス(この時間の前後30分は、とりわけ相場が大きく動く) |
25:30 | ロンドンフィックス後にトレンドが出る可能性がある(値動きがひと段落する) |
26:00
(夏時間:25:00) |
就寝前にポジションを決済するか、指値を入れる |
ニューヨーク市場のデイトレードの最高潮はロンドンフィックスです。
[box class="green_box" title="ロンドンフィックスとは"]東京市場の仲値と同じで、ロンドンVerです。ロンドンは金取引の中心地で、金の現物取引価格の値決めをロンドンフィックスと呼びます。FXトレードでは、ユーロドルやポンドドルのボラティリティが高くなる傾向があります。
ブレイクアウト手法は、順張りトレード(トレンド方向にエントリーすること)です。ストップロス価格は決めやすいのですが、利益確定をどうすれば良いか悩むと思います。トレンドフォローで難しいのは、利益確定ラインの決め方です。
順張りトレードの場合、できればリスクリワードが1:2以上だと良いと言われています。ブレイクアウト手法で大切なのは、「ブレイクアウトが成功しやすいエントリータイミングを絞ることと利益確定ラインの決め方」です。
数年前の話です。私はGBPUSD(ポンドドル)のトレードをしていました。まだ、ロンドン時間が始まる前までレンジ相場になっていましたが、ちょうど日本時間の16:00頃(ロンドン勢が参入する時間帯)にレンジをブレイクアウトし、売りエントリーをしました。
少し利益が出ていたのですが、瞬く間に含み損になってしまいました。当時、FXを始めたばかりで知識も経験も浅かったのですが、ロンドン時間が始まった直後はダマシのブレイクアウトが頻繁に発生します。
ロンドン勢は、トレンドと反対方向にロスカットさせ、ブレイクアウト狙いのトレーダーの損切り注文を確認した後に、一気にトレンド方向へ引っ張るという戦略をとる場合が圧倒的に多いように感じます。相場の特徴として覚えていただければと思います。
TradingViewのアラート機能をフル活用する
先述の通り、XMとブレイクアウト手法はとても相性が良いと思います。ただ、ブレイクアウトはそこまで頻繁に起こるものではありませんので、いくつかの通貨ペアでレンジ相場にあらかじめアラート設定を付けて、ブレイクアウトしたらアラート通知ができるととても便利です。
MT4では、EAやインジケータを利用すれば、スマホへの通知設定もできなくはありません。しかし、そのようなインジケータを探し、チャートに設定し、スマホに通知する…。結構面倒な作業になります。また、MT4を起動させ続けないと、アラートを通知することはできません。
一方、TradingViewは、アラート通知機能の設定が非常に簡単です。チャート上からワンクリックで面倒な作業をせず、条件を一覧から選択するだけです。このアラート機能を使えば、ブレイクアウトも見逃さずに済むと思いますので、紹介していきたいと思います。
トレンドラインツールではアラート通知ができる
トレンドラインツールは条件を設定してアラートを設定できます。TradingViewの魅力は、TradingViewを起動していなくてもアラートや通知を送信することができる点です。複数の通貨ペアや時間足を監視している場合、外出している場合などにスマホに通知があると、チャンスを見逃さずに済みます。
アラートを個別に設定できるトレンドラインツールは以下の12個です。
- トレンドライン
- インフォライン
- トレンド角度
- 水平線
- 水平線レイ
- 垂直線
- レイ
- 延長
- 平行チャネル
- 非平行チャネル
- フラットトップ/フラットボトム
- 回帰トレンド
この中で、ブレイクアウト手法で主に活用するのは、トレンドライン、水平線、平行チャネルです。
アラート設定の方法
平行チャネルを例に、アラート設定の方法を解説していきます。
平行チャネルを選択した状態で右クリックすると、上記のように表示されますので「平行チャネルにアラートを追加」を選択してください。
条件 (※通貨ペア・銘柄の変更不可) |
アラート通知の条件を選択する。 |
オプション | どの段階でアラート通知するか選択する。 |
有効期限 | 無期限か有効期限かを決定できる。 |
アラートアクション | 「アプリに通知」を選択すると、スマホアプリで通知を受け取ることができる。 |
メッセージ | 自由に変更可能。 |
アラート通知は以下のように来ます。
注目しているレンジ相場やブレイクアウトしそうチャートの形を見つけたら、アラートを設定しておきましょう。TradingViewのプランによって、アラート設定上限が決まっています。
BASIC | PRO | PRO+ | PREMIUM | |
アラート設定上限 | 1 | 10 | 30 | 400 |
BASICプランでは、アラートが1つしか設定できないのがTradingViewの弱みです。事実上、有料版を利用しないと、TradingViewのメリットを最大限に活用することができません。TradingViewの機能については、以下の記事にて詳細を解説しています。
TradingViewのカスタムインジケータを検証する
TradingViewにはシグナルを発信するインジケータも公開されています。
この章では、「Channel Breakout Strategy(チャネルブレイクアウト・ストラテジー)」というインジケータを活用したブレイクアウト手法を解説します。
あくまでも参考として紹介していますので、トレードしやすいようにアレンジしてみてください。
TradingViewでのチャネルブレイクアウト手法【準備】
必要なインジケータ
- Channel Breakout Strategy(チャネルブレイクアウト・ストラテジー)
期間=20に変更(※初期設定5) - DC(ドンチャンチャネル/HLバンド)
期間設定=20 - Pivot(ピボット)
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通貨ペアや時間足(推奨)
通貨ペア | 流動性があるメジャー通貨 |
トレードスタイル | 順張り(トレンドフォロー)のデイトレード |
トレード時間 | ロンドン市場~ニューヨーク市場 |
時間足 | 1時間足 |
チャネルブレイクアウト・ストラテジーは、過去〇日間の高値/安値を更新したら、シグナルを配信するというインジケータです。初期設定は「期間5」になっていますが、シグナルのダマシが多くなってしまうので、私は期間20に変更しています。
つまり、1時間足チャートでシグナルが発生したら「過去20時間の高値/安値更新をした」ということです。ロジックとしては驚くほど簡単ですが、シンプルなトレードルールの方がエントリーするときに迷わなくて済みます。
タートルズという投資集団について、名前だけは聞いたことがあるかもしれません。トレードで莫大な資産を築いた伝説の投資集団なのですが、彼らが利用していたロジックは驚くほどシンプルでした。それはこの記事で紹介している「過去〇〇の高値/安値を更新したらエントリーするというロジック」です。もちろん、タートルズは日足でトレードし、保有期間も1ヶ月~3ヶ月と長期期間でした。(実際、多くの人にとってFXで長期間保有しようとするのは難しいと思います。)
伝説の投資集団も利用していたシンプルなブレイクアウト手法ですが、極めると予想も付かないような結果が待っているのかもしれません。どのインジケータもTradingViewの公開ライブラリーで検索し、クリックするだけでチャートに表示できます。
ブレイクアウトだけでトレードしない【トレードルール】
デイトレードでエントリーする前に必ず決めておくべきトレードルールが「利益確定ラインとストップロス価格」です。
利益確定はPivotを利用する
Pivotは、前日の動きから次の日の支持帯/抵抗帯を予測できるインジケータです。これは世界共通の数値なので、数値などを変更する必要はありません。欧米のトレーダーが好んで利用しているインジケータとも言われています。よく見られているこのピボットポイントを利益目標ラインとして利用します。
上昇シグナルの場合、エグジット(利益確定目標)価格は、R1とR2です。デイトレードなので、ニューヨーク市場が終わるまでにはポジションを全て決済する方針にします。そのため、着実に利益を積み重ねたい人はR1(下落の場合はS1)、積極的に利益を狙う場合はR2(下落の場合はS2)を利益目標にすると良いでしょう。
ストップロスはドンチャンチャネルの中央線を利用する
買いシグナルが出た場合のストップロス位置は、ドンチャンチャネルの中央線(オレンジ色の線)です。終値で中央線を割った場合は、一度ストップロスをして、次の機会を待ちます。
トレードルールまとめ
エントリー | チャネルブレイクアウト・ストラテジーのエントリーシグナル (アラート設定可能) |
利益目標(買いエントリー) |
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利益目標(売りエントリー) |
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ストップロス | DC(ドンチャンチャネル)の中央線 |
公開ライブラリーには8,000種類以上のカスタムインジケータが用意されていますが、今回のチャネルブレイクアウト・ストラテジーのようにシグナル配信をするカスタムインジケータもあります。また、MACDやボリンジャーバンドなどの売買シグナルを配信するカスタムインジケータもありました。トレンドフォロー系の売買シグナルが多いように感じます。いろいろ試してみて、お気に入りの売買シグナルを見つけてみてください。
TradingViewとXMのハイレバレッジを活用する
ブレイクアウト手法は、ある程度のハイレバレッジが利用できると、効率よくトレードすることが可能なので、最大888倍のレバレッジを利用できるXMとの相性は良いと言えます。また、証拠金として利用できるボーナスもあるため、気軽にトレードできることも利点の一つです。
TradingViewは、MT4では複雑になってしまうスマホへのアラート通知機能、豊富なカスタムインジケータ、描画ツールが豊富にあります。TradingViewから直接トレードできないのは残念ですが、それでも余りある機能があると感じます。
ブレイクアウト手法は、勝率が低いと言われますが、ブレイクアウトする確率が高いエントリー場面に絞ってエントリーすると、勝率を高めることができます。