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FX業者が嫌がる取引手法について
FXの手法には、アービトラージ、スワップアービトラージなど、2つのFX業者のレート差を利用して利益を得る方法があります。
例えば、居業者間の両建てとは「Tradeviewでドル円を買って、XMでドル円を売る」といった方法がこれに該当します。海外FXの場合は、基本的にマイナス残高はゼロカットされますから、上手く実現すれば絶対に負けない手法と言えるかもしれません。
しかし、基本的にこれらの方法はFX業者側が禁止(※)していることが多いです。もしバレてしまったら、最悪の場合、出金拒否や口座凍結といった処置が行われてしまうこともあります。
異業者間の取引はバレることがあるのか?
「別の業者間で取引しているなら、やってもバレないのでは?」と考える方がいらっしゃるかもしれません。
これは、結論から言うと「選んだFX業者によってはバレることもあれば、バレないこともある」が正しいです。
FX業者の口座タイプによっては、ブリッジ(※)を介して注文が行われる仕組みになっています。※別名、リクイディティブリッジと呼ばれることもあります。
MT4口座で新しく注文を行ったとします。この注文は、直接LPではなく、まずブリッジ(代行業者)に送られます。次にそのブリッジ(代行業者)から、リクイディティプロバイダ(LP)に注文が流され、取引が確定します。
つまり、異業者間の取引を行っていても、その2社が同じブリッジを利用していたら、最終的には接続先のサーバーが同じことになるため、すぐに利用者を特定できてしまうということになります。
ただ、この件に関しては明らかな確証があるわけではありません。ですが、実際にサーバーが物理的に繋がっていないと、顧客情報の照らし合わせが出来ないことも確かなので、「2社とも別の業者だったのに、なぜかバレて口座が凍結されてしまった」というのは、恐らくこのような事柄に関係しているのではないかと推察します。
ブリッジを提供するアグリゲーターとしては、isPrime, EBS, PrimeXM等の企業が有名です。また、FxProやXMはプリンシパルといって、自身が大元のブローカーになりますので、ブリッジは使用していません。
アプリの通信先を調べるには?
トレードに利用するアプリが、実際にどのサーバーIPに接続しているかは、基本的にアプリ側からは分からないようになっています。しかし、外部からならコマンドプロンプトやTCPモニターなどを使って調べることができます。
具体的な例として、実際にコマンドプロンプトを使ってXMとTradeviewのMT4を見てみます。
Tradeview
ILC口座 (MT4)
上の画像は、MT4を起動した状態でネットワークの使用状況を一覧表示したものです。
IPアドレス: 185.97.161.95 を逆引きすると、PrimeXM(テクノロジープロバイダ)のWhois情報が表示されました。
TradeviewのILC口座は、PrimeXMのブリッジを経由して、トレードサーバーに繋がっていることが確認できました。
「ESTABLISHED」とあるのが接続が確立したものになります。TIME_WAITはその他のデータセンターのことであり、一覧には出てきていますが繋がった状態にはなっていません。
MT4の接続の流れとして、最初はクライアントに対して最適なサーバーを探しに行く過程で、まず全ての使用可能なデータセンターにアクセスします。接続が安定するとTIME_WAITも消えて、最終的にESTABLISHEDのみになります。
Cトレーダー口座(cTrader)
cTraderの場合は複数の接続が確立していますが、調べてみると 192.81.208.251 が h44.p.ctrader.com、133.130.117.162 が v133-130-117-162.a048.g.tyo1.static.cnode.io(これはどうやらGMO)でした。色々な接続先が出てきているのは恐らく、cTraderはプロキシを利用していることがその理由でしょう。
こちらはILC口座と違ってブリッジは経由されておらず、直接cTraderのFIX APIで接続を確立しているようです。
XM
XMはかなり多くのデータセンターを持っていますが、接続が安定するまでにその一覧を見ることができます。
最終的に繋がった先は、bc.googleusercontent.com で、これはGoogleのドメインでした。そして先述のように、XMはプリンシパルなので、ブリッジを使用していないことが確認できました。
TCPモニターソフトのおすすめ
NirSoftのCurPortsやSmartSniffなどが分かりやすいソフトかと思います。アプリが実際に繋いでいるIPアドレスが気になる方は、是非調べてみてください。