TitanFXは、2014年に誕生した比較的新しい海外FX業者ですが、日本の顧客に対するマーケティングに力を入れていることが特徴で、最近ではXMと並ぶ人気海外FX業者になってきています。
まず第一に「低スプレッド×高約定力」を掲げ、FXの取引環境に最も力を入れているため、特にスキャルピング(超高速売買)、短期売買系のEA(自動売買)などのスキャルピングトレーダー向けの海外FX業者と言えます。
今回は、TitanFXがどんな会社なのか、強みと弱点を含め、調査した結果をまとめていきたいと思います。
目次
TitanFXの歴史について
TitanFX自体は2014年に設立されましたが、TitanFXを立ち上げたのはPepper Stoneという海外FX業者のメンバーが中心となっています。
Pepper Stoneはオーストラリアの金融ライセンスを保有しており、丁寧なカスタマーサポートと低スプレッドで人気を博していましたが、2013年に日本市場から撤退しました。その理由は、オーストラリアの金融庁が日本市場から撤退を通告したためです。
もしかすると、日本の金融庁からの働きかけがあったかもしれませんが、いずれにしても撤退を余儀なくされたことは間違いありません。企業にとってみれば、それまで日本で展開してきた実績を丸々失ってしまうだけでは損失となってしまうため、比較的ゆるい金融ライセンスで、全く新しいブランドを立ち上げたという形になります。
TitanFXの良いと思う部分
スプレッドがとても狭く、業界最狭水準
TitanFXを特徴づけているのが、業界最狭水準のスプレッドです。国内FXと比較しても、ほとんど見劣りしません。低スプレッド×ハイレバレッジを求めるトレーダー、スキャルピングトレーダーから人気を博しているのも納得できます。
TitanFXにはスタンダード口座とブレード口座が用意されており、スプレッドにも若干の違いがあります。
まずは一般的なスタンダードタイプの口座です。これは取引コストなどがすべて価格レートに含まれているため、実際のトレードでは日本の業者とほぼ変わらない見た目です。取引はSTP方式を採用しており、特に初心者トレーダーや取引量の少ないトレーダー向けといえます。
全ての通貨ペアのスプレッドは、インターバンクから直接提示されており、0.0pips/0.0銭~から利用できます。こちらはECN方式を採用しているため、別途取引手数料も発生しますが、これらを加味しても「Zeroブレード口座」の方が 0.3pipsほど狭いスプレッドに設定されています。
スプレッドは取引量が多くなるほど利益にも直結してきますので、こちらはEAトレーダーや中級者~上級者向けの口座タイプといえます。
以下に、スタンダード口座とブレード口座のスプレッド比較表をまとめました。
通貨ペア | スタンダード口座 (STP方式) | ブレード口座 ※ (ECN方式) |
---|---|---|
USDJPY | 1.33pips | 1.03pips (0.33pips) |
EURJPY | 1.74pips | 1.44pips (0.74pips) |
GBPJPY | 2.45pips | 2.15pips (1.45pips) |
AUDJPY | 2.12pips | 1.82pips (1.12pips) |
EURUSD | 1.2pips | 0.9pips (0.2pips) |
GBPUSD | 1.57pips | 1.27pips (0.57pips) |
TitanFXは、他の海外FX業者と同様で、スプレッド分がそのまま海外FX業者の利益となります。NDD方式を採用している業者がスプレッドを狭くしようとすると、2つの方法があります。
- できるだけ多くの金融機関と提携し、ベストプライスを手に入れる
- 無駄な支出をできる限り減らして、スプレッドに還元する
Titan FXでは、50以上の主要銀行などのリクイディティ・プロバイダー(LP)と提携しています。さらに、自動スプレッド最小化システム(ZP-ASM)や、TitanFX ZP-DLAという独自技術を持っています。
少しカタカナが並びますが…つまり、独自の技術開発に積極的に投資して、より良い取引環境を実現しようとしている、ということです。
また、ボーナスを提供していないこともスプレッド縮小につなげています。これは多くの海外FX業者にも言えることですが、ボーナスの資金源はスプレッドが元になっているためです(NDD業者の場合)。
TitanFXは「ボーナスを提供するぐらいなら、少しでもスプレッド縮小を!」という経営方針を持っています。このような潔い企業姿勢も人気の理由となっているのかもしれません。
LP(リクイディティ・プロバイダー)を公開している
TitanFXのトップページを見ると、カバー先の一部が紹介されています。海外FX業者の中でも、LPをあらかじめ開示しているブローカーはとても少ないので、安心感を重視する日本人トレーダーに配慮していると言えます。
独自のシステム(Zero Point)を持っている
公式ホームページに以下の記載があります。
Zero Point(ゼロポイント)により、主要な金融機関において、従来、HFC(高頻度取引トレーダー)やクオンツのみ利用可能であった、ティア1インフラストラクチャーを、一般投資家の皆様にご提供することが可能となりました。
当社は、最もレイテンシーの少ないといわれる、世界中の金融機関の基幹サーバーが集結する、ニューヨークのEQUINIX社データセンターにトレーディングサーバー設置。注文時に発生するレイテンシーを理論的・物理的に解決し、最速で確実なオーダーを実行いたします。
このことから、Zero Pointシステムとは、取引の約定力をさらに補強するためのシステムのことであると見受けられます。理由は以下の2点です。
高約定力の理由 その1
高約定力の理由 その2
図のように、LPのサーバーと同じデータセンターを利用することによって、距離の約定遅延を解消しています。
NDD方式の採用により、取引制限がない
NDD方式とは、FX業者のディーリングデスクを介さず注文がそのままインターバンク市場に流れる仕組み(※)のことです。FX業者は取引手数料分のマージンを受け取るので、トレーダーが取引をすればするほどブローカーの利益が上がるという形になっています。
※FXの注文方式については、一言で説明することが難しいです。このあたりの詳しい内容は以下の記事にまとめています。
例) 108.000円で注文 ⇒ 107.999にストップロス制限を置くこともできます。
最大レバレッジ500倍、ロスカット水準は20%
最大レバレッジは500倍と、海外FX業者の中では平均的です。
ですが、国内FXと比較すると20倍の資金効率ですので、10万円の証拠金があれば十分に取引が可能です。また、XMは888倍、HotForexなどは1000倍のレバレッジをそれぞれ提供していますので、そちらと比べると控えめな設定ともいえます。
スタンダード口座・ブレード口座ともに最大レバレッジ500倍を提供しています。レバレッジ倍率は、事前に以下の8種類から選択可能です。
XMなどは、口座資金が一定額以上になるとレバレッジ制限(200倍に変更など)が設けられますが、TitanFXでは一切そのような制限はありません。そのため、最大レバレッジ500倍を十分に活用できるのも大きな利点の一つです。
初心者トレーダーであっても、高ロットのトレードであっても安定して取引ができる環境が整っています。後ほど詳細を解説しますが、CFDもレバレッジ500倍までの取引が可能です。
また、ロスカット水準が20%なので、ギリギリまでポジションを保有するハイレバレッジトレードも行うことができます。
マイナス残高は0カットされるため、追証なし
国内FXにはない、海外FX独自のサービスとして有名な「ゼロカットシステム」も、もちろん標準装備です。万が一証拠金以上の損失が発生したとしても、トレーダーが負担する必要はありませんし、海外FXを利用するトレーダーの最大損失額は「口座資金」までと、リスクが限定されています。
複数口座のゼロカットルールが変更になった
2019年3月11日に以下のメールが届きました。
3月11日(月)より、弊社のゼロカットシステムのルールにつきまして、お客様(ユーザー)単位から各口座単位に変更になりますのでご案内させて頂きます。
ただし、弊社では常に公正な取引環境をお客様にご提供できるよう努めておりますので、ゼロカットシステムを悪用したような取引や不正行為であると判断した場合は、対象外となりますことを予めご了承ください。
以前までは、1ユーザーにゼロカットが適用される仕組みでしたので、複数口座を保有している場合、A口座でゼロカットになったらB口座から資金移動をする必要がありました。
各口座単位に変更になったので、「A口座でゼロカット」になってもB口座には全く影響はありません。
FX以外のCFDや商品も取引可能
FX通貨ペア、メタル(貴金属)、エネルギー(原油・天然ガス)、株価指数CFDなど、70種類以上の幅広い銘柄を取引することができます。また、レバレッジもすべて500倍で取引が可能です。
貴金属・原油・天然ガスの最小取引量は0.01ロットからなので、少額の資金であってもポジションを保有できます。
入出金について
TitanFXの入出金についてですが、主に3種類から選択が可能です。
bitwallet
bitwallet(旧mybitwallet)はインターネット上のオンラインウォレットサービスです。bitwalletから海外FX業者への入出金手数料は無料ですが、bitwalletへの入金に手数料がかかることには注意が必要です。
また、2019年7月現在のところ、bitwalletは利益分の出金も可能となっています。処理が完了すると、即時反映される点もオススメできるポイントです。
SticPay
2019年12月12日、TitanFXから新しい入出金方法にSticPayを導入するというメールが届きました。仕組みはほとんどbitwalletと同じですが、違いはビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨での入金ができることです。
もちろん、利益分の出金も可能です。
その他の方法
- クレジットカード
- 銀行送金(2019年7月現在サービス停止中)
2019年7月現在、国内・海外問わず銀行電信送金サービスは利用できなくなっています。TitanFXを利用するには、bitwallet口座もしくはクレジットカードを保有している必要があります。
初回最低入金額は200USD相当となっています。また、それ以降の最低入金金額に関しては特に制約はありません。
こちらは特に制約はありませんが、クレジットカード入金を過去に行っている場合は、入金額までは同じ方法で出金(返金)処理となります。※クレジットカードへの利益分の出金はできません(入金額分の返金のみとなります)。
基本的にこれは他の海外FX業者と同じ流れです。また、クレジットカード出金での、24時間以内に可能な出金金額の上限は「120万円」となっています。
日本語サポート体制も充実している
海外FX業者を利用するときに不安なのがトラブル発生時です。
例えば、
「入金したのに、エラーで反映されない…」
「口座にログインができない」
こんなときに、日本語のサポート体制がしっかりしていると安心です。
先述の通り、TitanFXは主に日本人顧客向けのサービス展開を行っているので、バックオフィス運営にも力を入れています。
以下の表のように、電話・メール・ライブチャットで、日本人スタッフからのサポートを受けることができます。
サポート方法 | サポート対応時間 | 備考 |
---|---|---|
日本語ライブチャット | 月~金、9時~18時※ | 公式ホームページ右下のライブチャットシステムでアクセスする |
Eメール | 24時間以内に対応 | [email protected] |
電話 | アジア時間 +64 9951 5711 ヨーロッパ/NY時間 +1 214 2388 269 | 電話サポートもありますが、ライブチャットとEメールサポートがあれば十分だと思われます。 |
※公式ホームページでは24時間となっていますが、最近は営業時間のみとなっているようです。
利用者の声(Twitter)
取引サーバーまでのpingについて
(cap: url)
2ms以下となると、ほぼローカルエリアと変わらないレスポンスですね。実際に使用するクライアント側の環境(VPSやデータセンター)にもよると思いますが、大分距離を短くすることができるようです。
実際の出金について
基本的に出金拒否は無いと考えて良いと思いますが、情報はあくまでも参考程度に留めることをおすすめします。
(cap: url)
TitanFXの弱点について
今回は良い点を中心にまとめて来ましたが、デメリットや弱点も存在しています。
長くなってしまったので、続きは以下の記事へ。