海外FXの取引ツールと言えばMT4ですが、最近ではcTraderという取引プラットフォームが注目されています。スキャルピングツールとしても人気なのですが、スイングトレードでも実力を発揮します。
cTraderって何?という方は以下の記事で詳しく解説しています。
この記事では、スイングトレードの考え方とcTraderを使った実際のトレード手法を具体的に紹介していきたいと思います。
- ローリスクでコツコツ資金を増やしていきたい
- 1日に何回も相場を見ていられない
- 1回の取り引きで利益を稼ぎたい
- 国内FXよりは大きなレバレッジでもいいが、あまり大きくしたくない
- ある程度の資金は用意できる
TradeviewのcTrader口座は初回最低入金額が10万円です。この記事で紹介する手法の想定資金量は最低10万円以上を想定しています。
目次
スイングトレードの基本とは?
スイングトレードこそ王道のトレードスタイル
トレーダーには様々な取引スタイルがあります。短期間のスキャルピングトレーダー、デイトレーダー。対照的に長期のファンダメンタルトレーダー、ポジショントレーダーなどです。
今回ご紹介する手法は「スイングトレード」という取引スタイルです。使用する時間足は、4時間足~日足で、スイングトレードは時間足が長いので、テクニカル分析が活用しやすいという利点があります。
日足を基準に取引するトレーダーが圧倒的に多いため、テクニカル分析のとおりに相場が動く確率が下位足よりも高いのです。
スイングトレードは順張りが基本
順張りとは、相場の流れの方向にポジションを保有することです。スキャルピングやデイトレードなどは逆張りでもいいのですが、スイングトレードでは順張りを強く推奨します。
- 逆張りをしてしまうと、予想と違う方向に相場が動いた場合に大損しやすいため
- 長期足の反転をジャストで予測するのは困難なため
移動平均線を使った王道トレード
cTraderを使ったスイングトレードの具体的な方法をご紹介していきます。
前章でも述べましたが、「スイングトレードは相場の流れに乗ること」が一番重要です。相場の流れる方向を見極め、数日~数週間の間ポジションを保有します。できるだけ利益は伸ばしたいところですが、最初は利益が出たら分割決済をしていきましょう。
ある程度まで価格がいったら、ポジションを一部決済し、利益を確実に獲得していく方法です。残りのポジションも目標値まで行くたびに少しずつ決済をしていきます。この段階でストップロスの位置を建値(エントリー価格)に移動させます。
ローリスクで着実に利益を狙っていきます。
必要なテクニカル分析ツール
移動平均線 (SMA:単純移動平均線) |
設定値:200を推奨 ※理由は記事で説明 |
一目均衡表の雲 | エントリーシグナル |
RSI | 決済シグナルとして利用 |
GMMA | ストップロスやエントリーシグナルに使用 |
推奨通貨ペア | 複数通貨を監視する |
時間足 | 日足(4時間足や1時間足でも可能) |
推奨する時間足は「日足」です。ですが、ストップロスの幅やドローダウンなどが比較的大きくなってしまうので、資金量によっては4時間足や1時間足の方がいいかもしれません。長期足であればあるほど信頼性は高くなります。
この記事では、多くの人が取引をしているドル円で解説をしていきたいと思います。
【準備編】チャートの準備を行う
まずは、cTraderのアプリケーションから取引画面を設定していきます。
準備1 基本インディケーターの表示設定
画面上でマウスを右クリックします。
上記のメニューから「インディケーター」を選択します。
横に検索ボックスと一覧が表示されます。検索ボックスのFind indicatorに「ichimoku」と入力すると、「Ichimoku Kinko Hyo」が見つかりますのでクリックします。また、雲だけを表示する設定にしたいので、先行スパン以外のチェックを外します。
これでチャート上に一目均衡表の雲だけが表示されます。
以上の手順と同じように移動平均線(Simple Moving Average)とRSI(Relative Strength Index)をチャート上に表示させましょう。
準備2 GMMAをインストールする
先ほどの操作と同じように、マウスを右クリックして、検索ボックスに「GMMA」と入力します。そうすると、GMMA(Guppy Multiple Moving…)と一覧に出てきますので選択しましょう。
クリックすると、以下のように cTraderの公式ホームページへ移動します。
この画面に移動したら、画面右の「Download」ボタンをクリックします。自動的にダウンロードが開始されます(数秒で終わります)。
ダウンロードが完了したら、ファイルをダブルクリックします。すると、以下のような画面が表示されます。
「はい」を選択すると、GMMAのインディケーターがcTraderにインストールされます。
GMMAは マウス右クリック → インディケーター → カスタム から表示できます。検索ボックスで「GMMA」と入れても構いません。SMAの設定は200、RSIや一目均衡表は初期値の設定のままで大丈夫です。
完成図は以下のようになります。
※記事の中では、ドル円 日足 として解説をしています。
【取引ルール編】エントリーまでのセットアップ
次に、実際にエントリーするまでの相場の流れを見ていきましょう。
ルール1 雲のねじれ
価格が一方向に動く前には必ず雲のねじれが生じます。雲のねじれが出たからといって相場転換をするわけではありませんが、日足の雲のねじれは滅多にありませんので、今後の動きに注目します。
ルール2 200日平均線を価格が超える
この手法のエントリーのカギは、200日移動平均線です。200日移動平均線は世界中の機関投資家やヘッジファンドなども注目していると言われ、日足を使ってトレードをするときには必須のルールといえます。
移動平均線を終値で超えたことを確認します。注意したいのは、ここでエントリーをするわけではありません。必ず200日平均線に戻って、200日平均線が抵抗線となったことを確認します。少なくとも2本のローソク足を様子見しましょう。
ルール3 GMMAがパーフェクトオーダーになっている
GMMAは、相場の流れを視覚的にとらえるために考案されたテクニカル分析ツールです。GMMAは12本の異なるEMAからできています。パーフェクトオーダーとは、上昇相場であれば短期線>中期線>長期線の順にきれいに並んでいる状態です。
例) GMMAのパーフェクトオーダー
- GMMAがパーフェクトオーダーを形成していること
- 全てのGMMAが200日平均線を超えていること
【実践編】エントリーの取引手順
200日平均線が明らかに抵抗となり、トレンド方向に価格が動いてきたらいよいよエントリーです。
上記の図のように、200日平均線にタッチしていなくても反発したことが分かれば大丈夫です。
取引手順1 エントリーの方針
200日平均線に向かって一度戻ったローソク足の高値を再びブレイクしたら、エントリーします。
200日平均線に向かって一度戻ったローソク足の安値を再び割ったら、エントリーします。RSIの値が高すぎる場合は注意が必要ですが、トレンドが出ていれば問題ありません。
取引手順2 ストップロス注文を入れる
ストップロス注文には2種類あります。
- ストップ幅は大きいがポジションを長く保有できる
⇒ 200日平均線よりも15pips離れた位置 - 損失をなるべく小さくしたい
⇒ エントリー基準となっているローソク足の高値(安値)
ストップの幅を大きくする場合は、リスクリワードを2にするという意識をしてトレードを行う必要があります。
取引手順3 利益確定のルール
利益確定には3種類あり、どれか一つでも当てはまったら即決済をして利益を着実に残します。
- GMMA(短期線)とGMMA(長期線)が交わったとき
- 雲にローソク足の実体が入ったとき
- ローソク足で転換のサインがあったとき(十字線、つつみ足)
- GMMA(短期線)とGMMA(長期線)が交わったとき
- 雲にローソク足の実体が入ったとき
- ローソク足で転換のサインがあったとき(十字線、はらみ足)
以上で、ルールから利益確定までの流れは終わりです。
実際のエントリー事例
では、次の事例を基に考えてみましょう。
リスクリワードも2.37になりましたので、良いトレードができました。
では、この例題の確認事項を振り返りましょう。
確認事項1 一目均衡表の雲がねじれている
最初のシグナルは一目均衡表でしたね。特に雲のねじれが大切です。このような通貨を見つけたら、数日間は観察しておきましょう。
確認事項2 200日移動平均線を超えているか
価格が200日移動平均線を超えるかどうかに注目します。ダマシも多くありますので、抜けたからといって安易にエントリーはしません。一度200日移動平均線に向かうローソク足の出現を待ちます。
現れました!反発の上昇線です。見事に200日移動平均線手前で跳ね返されましたね。そして、200日移動平均線が抵抗線(支持線)になったことが上記の図から分かります。
ここから、反発の上昇線の安値を割ったらエントリーします。
2018年1月23日、ドル円で安値を更新しました。ここでエントリーします。基本的にはGMMAの波に乗って、利益を伸ばしていく方針です。日足であれば毎日1回だけの相場確認でOKです。
日足なので、ストップ幅がどうしても大きくなってしまいますので、資金管理に十分注意する必要があります。取引通貨枚数を調節して、できるだけローリスクになるようにします。あらかじめストップまでの幅を測定し、投資資金の2%までに損失を抑えられるように計算することをおすすめします。
ポジションを建てるときは、損益以外にもスワップポイントに注意してください。レバレッジが国内FXよりも大きくなるため、予想以上にスワップポイントが大きくなる場合があります。特にマイナススワップは高めに設定されているので、日足など長期でトレードする場合は注意が必要です。
Tradeviewでは10万円でどれぐらい資金を増やせる?
ここでは、Tradeviewの初回最低入金額10万円の運用をシミュレーションしてみたいと思います。
レバレッジ400倍で、10万円の証拠金があれば、最大35万通貨(レバレッジ385倍)を保有できます。ただし、この状態だとTradeviewの強制ロスカット水準は100%ですので、1.1 pips動いてしまうとロスカットになってしまいます。
[table id=50 responsive="scroll" /]上記の表を見ると、5万~8万通貨がスイングトレードには適当ですね。デイトレ―ドやスキャルピングであれば、もう少し実効レバレッジが大きくても大丈夫でしょう。
この記事で紹介した手法を実践する場合、最大10万通貨までのポジションが安心です。10万通貨であれば、72.5 pipsの余裕ができます。もっと大きなポジションを保有したいのであれば、証拠金を増やしてみましょう。
※解説しやすいように1ドル=110円で計算
先ほどの例題を考えてみましょう。
- エントリーポイント 110.304
- ストップポイント 111.345(-140Pips)
- 利益確定ポイント 106.775(332Pips)
- リスクリワード 2.37
- 勝率は公平にするため、50%として計算
- リスクリワードを2と仮定
- 平均50 pipsのストップロス、平均100 pipsで利益確定
- 3回に1回は、取引で利益を得るとする
10回の取引をすると、以下のようになります。
レバレッジ400倍(証拠金10万円)、ポジション: 10万通貨
項目 | pips | 円換算 |
---|---|---|
損失 | -250 pips | -25 万円 |
利益 | +500 pips | 50 万円 |
必ずしも上記のようには行かないかもしれませんが、リスクリワードを意識して、2以上になるようにすると資金は着実に増えていきます。日足はチャンスが少ないので、一番辛いのはエントリーするチャンスがなかなか来ないことかもしれません。
チャンスを待つのがスイングトレード
このトレード手法は、チャンスがなかなか訪れないように感じるかもしれません。
しかし、ここで紹介した手法は所謂、王道の手法です。じっくりチャンスを待って、「ここぞ」というときのために資金を蓄えておきましょう。毎日の相場の動きだけでも頭に入れておくとエントリーしやすいのでオススメです。
そもそもなぜTradeviewでcTraderを使うのか?という理由は、以下の記事で詳しく解説しています。