海外FXの取引ツールとして、MT4はカスタマイズ性に優れた魅力があり、MT5がリリースされた今でもなお、世界中のトレーダーの人気を集めています。
この記事で紹介するのは、FX業者(ブローカ―)なしでMT4のデモ口座を開設する方法です。この方法を使えば、無駄に個人情報を入力することなくMT4を体験することができます。また、有効期限なども一切ないので、長期間の検証をしたい場合にも役立ちます。
目次
なるべく個人情報を提供したくない方に向いている
海外FX業者は星の数ほどたくさんありますので、どれを選んだらよいか分からなくなってしまうことがあります。多くのサイトで「良い業者」と紹介されていたとしても、実際に口座開設を行うまでは個人情報を提供したくないと感じる方もいらっしゃると思います。
そこでおすすめなのが、ブローカーなしでデモ口座を作る方法です。デモ口座とは、バーチャルで取引を体験できる口座のことで、海外FX業者のほとんどが無料でデモ口座とMT4を提供しています。
しかし、海外FX業者が提供するデモ口座であっても、使用するためには電話番号やメールアドレスなどを入力しなければならず、広告メールなどが届く可能性も否めません。
あまり知られていませんが、実はMT4さえダウンロードできてしまえば、直接メタクォーツ社が提供しているサーバーにアクセスして、デモ口座を体験できます。わずらわしいメールや個人情報を提供せずとも、MT4を使って手法やEAの検証が可能です。
どのようにしてMT4を手に入れるか
メタクオーツ社の公式ページからはダウンロードできない
現在、MetaQuotes社からMT4はダウンロードできません(※1)。
2010年、メタクオーツ社はMT4に代わる新しい取引ツールMT5をリリースしました。リリースから9年以上が過ぎていますが、いまだに世界スタンダードな取引ツールはMT4のままです。
MT4を使っているトレーダーの多くはカスタムインジケーターやEAを用いています。ところがMT4とMT5には互換性がなく(最近では互換性の試行錯誤が進んでいるようですが…)、プログラム言語が大きく異なっています。
MT5を利用するためには、新たにプログラムを作り直さなければいけません。最近ではMT5も人気を集めていますが、MT4と比較すると需要はまだまだ少ないです。何とか状況を改善しようとしているメタクオーツ社ですが、世界の流れを変えることは難しいようです。
メタクオーツ社のデモ口座を開設できるMT4を調査してみる
本家のMT4がダウンロード出来ないということで、それ以外にメタクオーツ社のデモ口座を開設できるFX業者を探してみます。
実際にXM、Axiory、TitanFXの3社で試してみたところ、TitanFXのみでMeta Quotes社のデモ口座の開設ができました。
MT4をダウンロードしてデモ口座を開設する
手順1 TitanFXからMT4のみダウンロードする
最初にMT4のプログラムをTitanFXからダウンロードします。TitanFXではMT4だけを直接ダウンロード可能です。
TitanFXの公式ホームページにアクセスします。
公式ホームページに移動したら、トップメニューの「お取引」 ⇒ メタトレーダー4(MT4) を選択します。※Macの場合、Mac専用MT4を選択
「メタトレーダー4(MT4)」を選択すると、以下の画面が出てきます。
この画面から「MT4のダウンロード」をクリックすると、インストールが開始されます。ご自分のPCにダウンロードできたら、ファイルをクリックしてインストールします。
手順2 MT4のインストール
上記のような画面が表示されますので、「次へ」をクリックして、インストールを開始しましょう。PCの性能にもよりますが、5秒~30秒くらい経つとインストールが完了します。
完了をクリックすると、MT4が起動します。
手順3 MT4を起動してデモ口座を開設する
デモ口座の開設は、市場が動いているとき以外は申請が通りませんので予めご注意ください。
MT4を起動すると、「口座を開く」ウィンドウが自動的に表示されるようになっています。
「ファイル ⇒ デモ口座の申請」をクリックしてください。
一番下の「新しいブローカーを追加します」という欄をクリックして、Meta Quotes と入力します。
すると、以下のような画面になります。
次に、「MetaQuotes-Demo」を選択して「次へ」をクリックします。
この画面で、MetaQuotes-Demoと記載されている欄の「Ping」に数字が表示されていることを確認してください。 「n/a」などの文字が表記されていたら、スキャンをクリックします。
上記のような画面に切り替わったら、「新しいデモ口座」を選択して、「次へ」をクリックします。
手順4 情報の入力はあくまで形式的なもの
この画面は形式的なものですので、本当の情報を入力する必要はありません。また、この情報を確認する者もいません。
口座タイプの違いは?
口座 | スタンダード口座 (STP方式) | ブレード口座 (ECN方式) |
---|---|---|
取引手数料 | なし | 3.5ドル / 片道 (往復0.7pips) |
最大レバレッジ | 500倍 | 500倍 |
証拠金やレバレッジも、実際に自分が利用しようと思っている設定にしてみてください。レバレッジは1倍~500倍まで設定できます。
最後に「貴社からのニュースレター受取りに同意します」にチェックを入れて、「次へ」をクリックします。
手順5 デモ口座の登録情報を確認する
デモ口座の開設が完了すると、上記のようにログインIDとパスワードが表示されます。
実際の口座画面でも確認してみましょう。
TitanFXのマークがありますが、横には「MetaQuotes-Demo」と表示されています。これで、海外FX業者に繋がらずに、直接メタクオーツ社のサーバーへ接続しているデモ口座の開設が完了です。
メタクオーツ社のヒストリカルデータは、月足で1970年までダウンロードできますが、精度は非常に悪いです。長期間の検証では意外と使えるかもしれませんが、古い部分はデーターの欠けも多いので正直微妙なところです。
実際の約定力やスプレッドなどは体験できない
ここで注意したいのが、約定力やスプレッドは体験できないということ。このデモ口座はメタクオーツ社が提供しているサーバーに接続しているため、TitanFXの約定力やスプレッドなどとは全く異なります。
特に、EA(自動売買システム)の検証を行いたいトレーダーは要注意です。スプレッドや約定力が異なるため、大きく結果が変わってきてしまいます。この場合は、実際に口座開設をしようとしている海外FX業者でデモ口座を開設することをおすすめします。
ですが、個人的にはやはりデモ口座を試すよりもまず、少額で良いので実弾を使いリアル口座で実際に取引してみることをおすすめしたいと思います。
TitanFXはニューヨークのEQUINIX社データセンターにサーバーを設置しています。ここは世界の金融機関の基幹サーバーが集結しており、TitanFXのリクイディティ・プロバイダーも多数含まれています。
地理的にも物理的な意味でもトレーダーの注文が確実に実行されるようになっているため約定力に強いとされています。
ボーナスなどは全くありませんが、取引環境にコストをかけ、スプレッドも大幅に縮小しています。70以上の通貨ペア、CFD、金や銀、原油などのエネルギーなども同様の環境で取り引きが可能です。
また、日本語でのサポート体制もしっかり整っているので、初心者のトレーダーでも安心です。
トラブルシューティングQ&A
Q1 「接続なし」と表示されました
A. まずはMT4の再起動をしてみましょう
右下に「接続なし (No Connection)」と表示されることがあります。この場合、サーバー接続に問題が発生している可能性が高いので、MT4を一度再起動してみましょう。
MT4の接続状態表示一覧
正常に接続できており、MT4がデータセンターに接続できていることを示す | |
直接Meta Traderのサーバーに接続していることを示す | |
接続ができていない状態。ログインができていないか、サーバー側がエラーを起こしています。ログイン情報が間違っていないかチェックしてみましょう |
Q2 TitanFXは信頼できる業者か?
A. 出金拒否も聞かないので信頼できる部類に入ると思いますが、少額での運用をおすすめします。
TitanFXは、バヌアツ共和国の金融ライセンスを保有しています。詳細についての説明は省きますが、オーストラリアのPepper Stoneという日本でも有名だった海外FX業者のスタッフが立ち上げた海外FX業者です。
2015年にオーストラリアの金融庁から日本市場の撤退を命令されたという過去があります。日本の金融庁からの圧力があったのではないかとささやかれていますが、真相は分かりません。
いずれにしても、TitanFXは日本の金融庁と関係の薄いマイナーライセンスを取得しています。日本語でのサポート体制は整っており、ライブチャットですぐに繋がるので不明な点があっても安心です。
Q3 MT5のデモ口座は可能か?
A. はい、可能です。2019年11月6日からTitanFXもMT5の提供を開始しました。
他にもMT5を提供する海外FX業者は近年多くなっていますが、MT4と比較するとまだまだ少ないのが現状です。XMやHotForexなど大手海外FX業者がMT5を提供しています。
また、その他の取引プラットフォームとしては、AxioryやTradeviewがスキャルピング・デイトレ特化型の取引ツール「cTrader」を提供しています。ドテン注文や一括決済などMeta Traderとは違った機能を備えており、最近人気が上昇しています。
トレード用途に合わせて都度、自分の扱いやすい取引ツールを選択していきましょう。