世界各国の金融ライセンスを徹底解説。海外FX業者のライセンスまとめ

世界各国の金融ライセンスを徹底解説。海外FX業者のライセンスまとめ

目次

金融ライセンスとは何か?

信頼できる海外FX業者を選ぶ際の重要なポイントの1つが「金融ライセンス」です。海外FXでは国内には無い高レバレッジやクレジットボーナスなどのメリットがたくさんありますが、安心して取引できる業者は自分で選ばなければなりません。

FXのような投資を事業として会社を経営するためには、それぞれの地域で許可証が必要となっています。その地域ごとの事業許可証が「金融ライセンス」です。

金融ライセンスを取得するには以下の項目の審査が必要です。

金融ライセンス審査項目一覧(例)
  • 入出金
  • 取引環境
  • サポート体制の有無
  • 顧客資産管理状況
  • 運営状況

金融ライセンスを保有していれば一定の信頼性はありますが、ライセンスによって登録の難しさや監視体制・規制の厳しさは異なってきます。登録料だけで金融ライセンスを保有できてしまうところもあれば、毎年厳しい財政状況を報告しなければいけない金融ライセンスもあるのです。

規制の厳しいライセンスを取得しているほど、金融システムが整備されている国で認められている海外FX業者という見方もできるでしょう。

この記事では、世界中の金融ライセンスや規制機関の特長などを解説していきたいと思います。

 

世界各国の金融ライセンス(1/2)

イギリス(FCA)

イギリスFCA
日本語名 金融行為規制機構
英語正式名称 Financial Conduct Authority
略称 FCA
備考 世界で最も厳しい金融審査機関
Webサイト https://www.fca.org.uk/

ニューヨークのウォール街と並んで世界の金融機関が集まっているのが、イギリスのロンドンです。

FCAは政府から独立した監視機関として、FCAライセンスを保有する証券会社やFX業者などの認可や監督を行います。FCAライセンスには、金融会社の設立場所に関する詳細な規定は設けていないため、イギリス国外のFX業者であってもFCAライセンスを保有することが可能です。

もともと、イギリスの金融監督庁は金融サービス機構(FSA)と呼ばれ、これが日本の金融庁のモデルと言われています。しかし、2012年頃に不正が相次いで発生したため、イングランド銀行(イギリス中央銀行・BOE)の管轄のもと、金融行為規制機構(FCA)が誕生しました。

FCAが掲げている目標
  1. 消費者保護の確保と適切な対応
  2. 英金融システムの安定、維持をすること
  3. 消費者のため適切な競争を促すこと

特長1 世界最難関の審査規準

FCAの取得をするためには、資本金・トレーダーの資産管理・サポート体制・外部機関による監査…など、様々な条件を満たさなければなりません。さらに、毎年ライセンス更新のために経営状況、顧客資金と運営資金の内訳などを提出する必要があります。

また、入出金に関してはかなり神経をとがらせており、入出金手続きに何か疑わしい点がある場合は、最悪の場合ライセンスの取消しが行われてしまう場合もあるようです。そのため、FCAを取得している法人のもとでは、出金拒否や持ち逃げなどはまず無いと考えて良いでしょう。

保有している海外FX業者は非常に限られていますが、厳格かつライセンス維持が極めて難しいため、信頼性も高いといえるでしょう。FCAのライセンス取得によって、EU圏全体にサービス提供が可能となります(2019年8月現在、EU離脱後の扱いは不明)。

 FCAのライセンス取得 = 信頼性の非常に高い大手金融機関 

FCAを取得している海外FX業者例

海外FX業者ライセンス番号
XMFCA 538324
HotForexFCA 801701

特長2 顧客資産取扱規定(CASS)がある

CASSとは、顧客資産の取り扱い方法を定めた資産保護のルールのことです。FCAライセンスを取得している金融機関は、顧客資産の名義管理や記録の保持などが義務付けられているため、それに従わなければいけません。

このような厳格な資産保護のルールがあるので、万が一金融機関が破綻した場合でも、確実にトレーダーへ返還される仕組みになっています。

特長3 FX会社破綻の際でも、最大8.5万ポンド(約1000万円)まで補償される

FCAライセンス取得をしている金融機関は、FSCS(金融サービス補償機構)への加入が義務付けられています。

2019年4月1日から補償金額が引き上げられ、5万ポンドから8.5万ポンドになりました。もし、FCAライセンス取得の海外FX業者が債務不履行に陥った場合には、一人当たり8万5000ポンド(約1000万)まで補償されます。

FCAライセンスの結論

イギリスのFCAライセンスを取得している金融機関であれば、万一の際にも安心です。資産の安全性は極めて高く、安心して取引ができます。

キプロス(CySEC)

キプロスライセンス
日本語名 キプロス証券取引委員会
英語正式名称 The Cyprus Securities and Exchange Commission
略称 CySEC
備考 信頼性が高い
Webサイト https://www.cysec.gov.cy

キプロスの首都: ニコシア

地中海の東に位置する小さな島国、キプロス。ちょうどトルコの真下にある国ですが、教育水準などは比較的高く、国際的な金融センターとして多数のFX業者が集結しています。その数は実に数千社ともいわれ、キプロス経済に重要な役割を果たしています。

それと同時に、CySECはイギリスのFCAと同様に厳格な判断を行うことで有名です。登録前に資本金、資産管理状況からサポート体制などあらゆる項目を徹底的にチェックされます。そのため、なかなかライセンス認可が下りないといわれている難関ライセンスです。

CySECは、キプロスがEUに加盟する前の2001年に誕生しました。2004年にキプロスがEU加盟国となった後はヨーロッパMiFiD(金融商品指令)に準拠しており、キプロスライセンスを保有している金融機関はヨーロッパでも営業活動ができるようになりました。

このため、オフショア金融センターとして人気を集めており、大手海外FX業者も積極的に進出しています。

MiFiDとは何か?

MiFiDとは、EUの中で金融活動をする際に準拠しなければいけないルールの事で、金融商品市場指令の略称(Markets in Financial Instruments Directive)です。2007年に施行されたMiFiD(金融商品市場指令)に続いて、2018年には第二弾となるMiFiDⅡ(第二次金融商品市場指令)が導入されました。

ヨーロッパのEU経済圏では、この指令のすべての規則を守らなければいけません。キプロスライセンスを保有している企業はMiFiDⅡに準拠しているとみなされ、欧州全域で営業活動をすることが可能です。

CySECが掲げている目標は以下のとおりです。

CySECが掲げている目標
  1. キプロス証券市場を最も安全で魅力的な投資先とできるように尽力する
  2. 投資家の保護並びに金融システムの安定、発展を促す
  3. 消費者が安心して金融サービスを利用できるように登録金融機関を監督すること

特長1 2016年から規制が一段と強化されている

2016年11月、CySECはFX業者に対する新たな規制についての方針を発表しました。それらの主な内容は以下のとおりです。

CySECの新規制
  • 新規口座開設はレバレッジ50倍に規制し、トレーダーの申請によって最大レバレッジ500倍まで引き上げられる(各FX業者はトレーダーの適性を見極めなければいけない。)
  • 取引高に応じたボーナス提供の禁止(投資家の不要なリスクを排除)
  • ゼロカットシステムの完備
  • 出金処理は原則翌日までにする

この規制が導入された要因の1つとして、ギリシャショックがあります。2013年に発生したギリシャ債務危機問題はキプロスにも波及し、キプロス内の金融機関も営業を停止するなど深刻な影響がでました。

この出来事があった後、キプロスの不安要素や信頼度などが揺らいでしまったという見方もあり、CySECはこの規制強化を通してイメージアップを図る目的があるのかもしれません。

特長2 登録金融機関にICF(投資家補償基金)への加入を義務付けている

CySECに登録を行う金融機関は、ICF(Investor Compensation Fund) という補償機関に加入することが義務付けられています。

CySECに加入している金融機関が破綻して、顧客に資金が返金できない事態に陥ったとき、最大2万ユーロ(約240万円)の補償が受けられます。上限が240万円とはなってしまいますが、トレーダーの資金が保護されるという観点から見れば安全性は高いと言えます。
1ユーロ=120円として換算

しかし、日本に居住しているトレーダーは、CySEC管理下のFX業者に口座開設はできません。実は一時期は日本人もCySECライセンスを利用できたのですが、最近になりキプロスの規制・方針が変わってしまい、日本市場への投資サービスの提供が終了してしまったという経緯があります。

現在では、FX業者の本社やグループ会社がCySECのライセンスを保有し、実際に口座開設するのは他のオフショア規制機関(セーシェル・ベリーズなど)管理下の場合がほとんどです。

厳密な理由は不明ですが、一説には日本の金融庁の要請によるものとも言われています。そのため、日本居住者の場合は、ICFの240万円返還補償対象外となります。

特長3 分別保管を義務付けている

CySECライセンスを保有しているFX業者には、分別管理が義務付けられています。分別管理とは、顧客から預かっている資産とFX業者の運営資金を分けて保管する仕組みのことです。

いわゆる信託保全ではありませんが、毎年の定期チェックの際に資産の内訳状況やサポート体制、苦情状況報告などの詳細な審査を受けています。

CySECライセンスの結論

FCAと並びCySECは、金融ライセンス規制機関としては極めて高い安全性があります。本社やグループ会社がCySECを取得しているかどうかは、安全な海外FX業者を見極める上での重要な指標となりそうです。

ニュージーランド(FMA)

FMAライセンス
日本語名 ニュージーランド金融市場統制局
英語正式名称 Financial Markets Authority-New Zealand
略称 FMA
備考 平均的な信頼性
Webサイト https://www.fma.govt.nz/

南半球にあり、オーストラリアの東に位置する島国、ニュージーランド。農業が盛んな国で乳製品や農産物が主に輸出されている国です。以前のニュージーランド金融ライセンスは非常に緩い規制で知られており、中には実態がない金融業者が含まれていたこともあります。

2010年までにニュージーランド証券取引委員会が監督していた金融業者が破綻したり、トレーダーの損失など多くの批判を受けました。このような事態を受けて、信頼を回復し投資家が安心して取り引きができるように新たに設けられたのがFMA(ニュージーランド金融市場統制局)です。2011年5月1日に設立されました。

現在(2019年)では監督機関が再編され、規制が厳格になっています。この規制機能の統合によって、多くのFX業者がニュージーランドライセンスを取り消されたというニュースもありました。

FSPRとFMAの根本的な違いは何か?

ネットを調べるとよく、「ニュージーランドライセンスは気を付けた方がいい!」と書いてあるブログ等が見つかります。また、一部のサイトでは「FSPR」が金融ライセンスを付与しているというような書き方がされていますが、FSPRとFMAというのは全く異なる組織です。

FMA ニュージーランドの正式な金融監督機関
FSPR 金融サービスを提供している業者であることを名簿に登録して管理している組織。ニュージーランド金融ライセンスとは一切関係ない。

FSPRの正式名称は「Financial Service Providers Register」といい、和訳すると「金融事業登録」となります。誤解が生じてしまう名前ですね…。

ちなみに、FSPRへの登録は基準を満たしていれば可能です。しかし、ニュージーランド国内で金融活動をすることは許可されていません。つまり、登録だけであれば非常に容易にできてしまいます

一方、FMAはニュージーランドの金融規制機関であり、日本でいうところの金融庁に相当します。審査規準も設けられており、近年ますます厳格化されています。FX業者の中には、FSPRへの登録を金融ライセンスのように紹介しているところもありますので注意が必要です。

FMAは、定期的に管轄金融機関を監視し、必要な指導を行っています。また、定期的なガイドラインの更新により、時代に合わせた監視機能を保っています。

FMAが掲げている目標
  1. 公正で円滑な金融取引環境を提供し、金融市場を発展させること
  2. 全ての認可企業を監視し、消費者に安心して金融取引ができる環境を提供できるよう最大限の権限を行使すること

FMAライセンスの結論

現在のFMAは、以前よりも信頼性と安全性が向上していると言えるでしょう。中にはFSPRをあたかも金融ライセンスを取得しているかのように記載しているFX業者があるのも事実ですので、十分注意しましょう。

オーストラリア(ASIC)

ASICライセンス
日本語名 オーストラリア証券投資委員会
英語正式名称 Australian Securities & Investments Commissions
略称 ASIC
備考 日本居住者に対して金融サービス提供を禁止している
Webサイト https://asic.gov.au/

日本のちょうど南に位置するオーストラリア。FXでは、特に高金利通貨としてオーストラリアドルが馴染み深いですね。オーストラリアは比較的治安も安定している国であり、シドニーにはたくさんの金融関連会社のビルが連なっています。

以前は、日本のトレーダーも積極的にASICS管轄になっているFX業者などを利用することができました。ところが、日本の金融庁の要請によって、ASIC管轄下にあったFX業者の撤退が2014年に行われました。それがTitanFXの前身であるPepper Stone (ペッパーストーン) です。

現在、ASIC管轄下にあるFX業者に日本居住者のトレーダーがFX口座開設することはできません。

ASICは1998年に誕生し、オーストラリアで唯一の金融監視機関です。もともとは、いくつかの規制局が同時に金融市場の監視を行っていましたが、2002年以降にすべての機能がASICに集約されました。

2019年現在、オーストラリアで活動するすべての銀行・金融関連業者などはASICの金融ライセンスを取得しなければいけません。

オーストラリア国内での批判

驚きですが、ASICは様々な批判の対象となっており、訴訟も起こされています。2015年から2016年にかけてStorm Financial社が倒産した際に、不正行為の見逃しや必要な措置を怠ったというのが原因です。裁判では明確に否定されましたが、関連当局や消費者団体からの批判があるというのが現状です。

加えて、FX業者とトレーダー間で問題が生じた場合にも仲裁することはありません。しかし、こうした問題がある中でも、オーストラリア国内での金融取引に対する信頼性を守るための機能は、おおむね有していると言えるでしょう。

また、オーストラリアには、トレードの制限(レバレッジやボーナス)などがありません。そのため、トレーダーが自由に取引業者を選択できるようになっています。経済や政治なども安定しているので多くの海外FX業者が進出しています。

ASICライセンスの結論

残念ながら、日本居住者のトレーダーはASIC管轄下のFX業者で取引することはできません。

ただ、海外FX業者も日本人トレーダーが取引環境を利用できるよう、様々な対策を練っています。これらの最新情報を取り入れて、うまく活用していきたいところです。

ケイマン諸島(CIMA)

CIMAライセンス
日本語名 ケイマン諸島金融庁
英語正式名称 Cayman Islands Monetary Authority
略称 CIMA
備考 イギリスの領土であり、イギリス国内法に準拠
Webサイト https://www.cima.ky/

ケイマン諸島の首都: ジョージタウン

アメリカの南、カリブ海に浮かぶ小さな島、ケイマン諸島。3つの島から構成されており、美しい自然は多くの人々を魅了しています。このケイマン諸島はイギリスの海外領地です。金融規制機関は本土と異なりますが、イギリスの法律や規制に原則従っています。

ケイマン諸島の生活水準は他の島国と比べて高く、観光業と金融業で成り立っています。金融とは関係ないようなイメージがありますが、ケイマン諸島は世界有数の金融センターとしても非常に有名です。

大手格付け会社からもAA-の評価を受けるなど経済のリスクが低く、政治も安定していることから、多くの世界的メガバンクが進出しています。銀行サービスも先進的で、その数は実に570以上です。信頼性という面では十分な数です。

この島の人気の理由の1つが、タックスヘブンであることです。先進的な銀行サービスを提供していますが、ケイマン諸島以外で得た利益についてもすべて非課税となります。そのため、このような租税回避地としてのメリットも兼ね備えた島となっています。

CIMAの歴史と活動

ケイマン諸島金融庁(CIMA)は1997年1月1日に設立されました。以来活動を続けており、2019年現在では国際金融センターとしての地位を確立しています。情報公開も透明性があり、金融ライセンスに関するすべての要件が公開されています。

ライセンスの要件例
  1. 毎年の外部監査の実施
  2. コンプライアンス証明の提出
  3. 企業情報の変更の届出
  4. ライセンス保有企業の内部資金管理状況の報告
  5. 月次取引明細の報告(FX業者など)
  6. 決算の提出

2013年からは、ケイマン諸島政府が金融庁を管轄しています。CIMAの公式ホームページからは、CIMAが保有している記録や統計などを閲覧することも可能です。

監督している企業数 (2019年6月30日現在)

銀行 133
ミューチュアル・ファンド(※投資信託) 10959
投資管理会社 121
保険会社 684
※ミューチュアル・ファンドとは?

米国の一般的な投資信託のことで、これは複数の投資家が資金を提供し、共同で運用するスタイルです。投資家はいつでも加入・解約ができるオープンエンド型で、自由運用投資信託とも呼ばれています。

CIMAは、1万2000以上の企業を監督していることが分かりますね。その中には世界的に有名なメガバンクや保険会社なども含まれています。なお、海外FX業者の中ではTradeviewがCIMAライセンスを取得しています。

海外FX業者 Tradeview

ライセンス番号登録企業名承認日
585163Tradeview Ltd.2012年4月4日

CIMAライセンスの結論

オフショア金融規制機関としては絶大の信頼と安全が特徴的なCIMAライセンスです。取得している海外FX業者は非常に少ないですが、それだけ信頼性も高いということがわかります。海外FX業者の中には、今後もCIMAを取得する企業が増えてくる可能性があります。

ベリーズ(IFSC)

IFSCライセンス
日本語名 国際金融サービス委員会
英語正式名称 International Financial Commission Belize
略称 IFSC
備考 オフショア規制機関であり、完全非課税での事業運営が可能
Webサイト https://www.ifsc.gov.bz/

ベリーズの首都: ベルモパン

中央アメリカ北東部、カリブ海に面する国ベリーズ。普段耳にする機会は少ないかもしれません。

美しい海とサンゴ礁に囲まれ、「カリブ海の宝石」とも呼ばれているようです。イギリスの植民地だったことから、多くの国民は英語とスペイン語の2言語を話すことができます。ベリーズは1981年にイギリスから独立し、観光や金融業が盛んな国です。

IFSCの歴史と活動

IFSCが設立されたのは1999年です。IFSCの規定には、「本社をベリーズ国内に置く」という要件は特に無く、ペーパーカンパニーなども容易に作れてしまいます。さらに、税制上のメリットもあり、ベリーズ国外で得た利益を申告する必要はありません。いわゆるタックスヘブンとして注目されている金融ライセンスの一つです。

IFSCの掲げる目標
  1. 国際金融サービスの中心地として、ベリーズを発展させる
  2. オフショア金融センターとして、ベリーズの評判を維持及び強化する
  3. ベリーズ国内の金融機関の監督・規制をする
  4. 金融サービスの規制に関しての方針を作成する
  5. 種々の変更が生じた場合は速やかに情報を発信する

残念ながら、IFSCの信頼性が高いとは言い切れない状況です。2017年になって金融機関の最低資本金額が50万ドル(約5500万円)となりましたが、他の金融ライセンスと比較すると、規制要件はかなり低い状況が続いています。他の要件についても容易に達成できるものが多く、厳格な規制とは言えません。
1ドル=110円換算

海外FX業者 Axiory

Axiory Global Limited.  IFSC/60/255/TS/19

Axiory に関しては、あえてマイナーライセンスであるIFSCを取得しているという事情があります。今後のIFSCの動向に注目です。

IFSCライセンスの結論

IFSCはマイナーライセンスであり、要件が比較的緩やかな金融ライセンスです。現状では信頼性のある金融ライセンスとは言えませんが、今後規制が厳格化する可能性も十分あります。

イギリス領バージン諸島(BVIFSC)

BVIFSCライセンス
日本語名 イギリス領バージン諸島金融サービス委員会
英語正式名称 British Vergine Islands Financial Services Commission
略称 BVIFSC
備考
Webサイト https://www.bvifsc.vg/

イギリス領バージン諸島の首都: ロードタウン

カリブ海に浮かぶ小さな島国、イギリス領バージン諸島。13世紀後半にコロンブスによって発見され、15世紀にイギリスの海外領地となりました。世界的な租税回避地として知られており、2010年には世界40位の金融センターとして評価されています。

BVIFSCは、2001年12月に設立され、BVI(バージン諸島)にあるすべての金融機関を規制・監督する責任を担っています。BVIFSCには18の部署があり、金融機関に適切な指導を行っています。

イギリス本土とは異なり、金融機関が破綻した場合であっても補償などは原則としてありません。本土のFCA(金融行為規制機構)よりもはるかに取得要件が低い金融ライセンスです。

BVIFSCの掲げる目標
  1. 投資家や消費者の利益保護を促進する
  2. 世界的な金融センターとして、コンプライアンス策定および周知を徹底する
  3. プライバシー保護をしながら、マネーロンダリングなどの犯罪行為を防止する

BVIFSCライセンスの結論

BVIFSCはマイナーライセンスであり、絶対安心といえる金融ライセンスではありません。しかしながら、各種要件や規制などは遵守されており、一定程度の安全は保たれていると言えそうです。

セントビンセント・グレナディーン(FSA)

FSAライセンス
日本語名 セントビンセント・グラナディーン金融庁
英語正式名称 St. Vincent & the Grenadines The Financial Services Authority
略称 FSA (SVGFSA)
備考
Webサイト http://svgfsa.com/

セントビンセント・グレナディーンの首都: キングスタウン

カリブ海の東方、南アメリカ大陸の北側に位置する諸島群、セントビンセント・グレナディーン。イギリス連邦国の一国であり、英語が主に話されている国です。

FSAは2012年に設立され、国内に登録されている金融機関の監督・規制を行っています。公式ホームページでは、規制している金融機関の情報公開を行っており、投資家が自分の取引する企業を検索できる仕組みになっています。

一方で、国全体としては、ぜい弱な銀行システムや自然災害、競争力の低さなどの不安定要素があり、課題も多く残っている国です。

FSA (SVGFSA)ライセンスの結論

マイナーライセンスであり、業者が保持するライセンスがFSAのみでは不安が残ってしまうのも事実です。最近は、オフショア金融規制機関の厳格化が進んでいるので、将来的にはFSAもこの流れに続くかもしれません。今後の経済発展と信頼性の向上に向けての取り組みに注目です。

セーシェル共和国(FSA)

FSA
日本語名 セーシェル金融サービス庁
英語正式名称 Seychelles Financial Service Authority
略称 FSA
備考
Webサイト https://www.fsaseychelles.sc/

セーシェル共和国の首都: ヴィクトリア

セーシェルは、東アフリカ沖に位置する115の島から構成されています。日本でこの国名を聞く機会は少ないかもしれません。

セーシェル金融サービス庁は2013年8月に設立され、セーシェル国内の銀行以外の金融サービス(FX業者、保険、投資会社など)の認可や監督をしている金融規制機関です。

前身のSIBA(Seychelles International Business Authority)は1994年に設立されましたが、金融サービスを監督する機関としての国際的な地位を高めるため、2013年にセーシェル金融サービス庁となりました。現在では11部門に分かれて監督業務を行っています。

いわゆるオフショアライセンスの典型的な例といえるでしょう。外国為替管理などはなく全ての資金を自由に移動でき、全く税金がかかりません。また、会計監査や最低資本要件なども一切ありません。(公式ウェブサイトより)

公式ウェブサイトには、以下の事項が掲載されています(一部を引用)

No minimum share capital requirement.(最低自己資本金要件なし)
No requirement to audit accounts.(会計監査の必要なし)
No requirement for a company Secretary(会計書記役必要なし)

今後規制が厳しくなることも予想されますが、現状はこのようになっています。しかし、ボーナスやハイレバレッジのインセンティブを守るために、XMのようにあえてセーシェルライセンスを取得するFX業者もあります(欧州のXMは、他にも難関ライセンスを複数保持しています)。

金融ライセンスだけでFX業者を判断してしまうと、優良なFX業者を見逃してしまうかもしれません。企業全体としての信頼性や安全性、サポート体制やサービス内容を判断してFX業者を選ぶことが大切です。

FSAライセンスの結論

基本的に、ライセンス料を支払えば取得できるという極めて緩いライセンスといえます。セーシェルライセンスを持っているだけでは、信頼性のあるFX業者とは言えません。

セーシェルライセンスを持っている業者であれば、グループ会社が厳格な金融ライセンスを保有しているのか、補償サービスはあるのか、評判はどうなのか等を調べておく必要があります。

バヌアツ共和国(VFSC)

VFSCライセンス
日本語名 VFSCの概要金融サービス委員会
英語正式名称 Vanuatu Financial Service Commission
略称 VFSC
備考
Webサイト https://www.vfsc.vu/

バヌアツ共和国の首都: ポートビラ

VFSC の概要

南太平洋の小さな島国、バヌアツ共和国。80ほどの島で構成されており、所得税や法人税などがないタックスヘブンとして知られており、オフショアの金融規制機関です。バヌアツ金融サービス委員会は1993年に設立され、バヌアツ国内の金融サービスの規制をしています。

このバヌアツ金融ライセンスを取得しているTitanFXは、以下のような発表をしています。

VFSCライセンス取得には、法人代表者、株主、スタッフの身元調査をはじめ、担保供託、独立監査、紛争解決、公正取引の義務付け等、厳格な規制監督と要件が求められることから、お客様には、これまで()以上に弊社のサービスに信頼頂ける環境となりました。

引用元: TitanFX 案内メール文

これまで=ニュージーランドのFPSRのことを示しています。TitanFXは現在、ニュージランドのFPSRの登録を解除し、代わりにバヌアツライセンスを取得しているという経緯があります。

先述の通りオフショア金融規制機関ではありますが、基本的な要件などを満たしていないと金融ライセンスを取得することはできません。

VFSCが掲げている目標
  1. バヌアツを国際的な信頼性のある金融センターとして認められるため、適切に管轄企業を監督する
  2. 全ての管轄企業に公平中立に接する
TitanFX ライセンス番号 40313

規制強化の動き【最新情報】

2019年3月初旬に、バヌアツ共和国金融庁(VFSC)は、金融機関に対する新規制政策を発表しました。主な内容は以下のとおりです。

2019年夏以降の新規制内容
  • 金融ライセンスをA,B,Cのクラスに分類し、それぞれ特定の金融サービス提供が定められる。
  • 全ての法人の取締役は少なくとも5年の証券取引経験を有する必要がある。
  • 法人の経営者もしくは取締役は1年のうち6ヶ月以上はバヌアツに滞在しなければいけない。
  • ソフトウェアシステムが備わった不動産所有が強制される。
  • 金融機関を監査する独立監査法人は事前にVFSCの認可を得る必要がある。
  • 専門職業賠償責任保険への加入が義務付けられる。

VFSCの意図としては、金融ライセンスの信頼性を向上させることが主な目的です。この新規制によって、より経営基盤がしっかりしている企業に厳選されることが期待できます。

VFSCライセンスの結論

オフショア金融規制機関として有名でしたが、新規制政策によって、今までより信頼性のある企業だけが厳選され、それ以外の企業はライセンス解除という方向性になっているようです。

この動きに続いて、他のオフショア金融規制機関の動きも活発になるかもしれません。世界的に規制厳格化の動きは続いていきそうな予感です。

 

まとめ

ここまで、世界各国の金融ライセンスについて解説してきました。最近の流れとしては、日本、ヨーロッパ、オフショア諸国などを含む全世界で規制強化の動きが加速しているように思えます。海外FX業者も、規制を受けない地域にライセンスを移転する傾向が高くなっています。

以前は、オフショアライセンス=不安要素の強い海外FX業者というイメージがありましたが、近年は積極的にオフショアライセンスを取得する動きも出てきており、1つの的確な経営判断として受け入れられているようです。

一方で、規制の緩いライセンスの中には悪質な金融機関が含まれている可能性は否めません。海外FX業者を含む金融機関と取引をする際には、本社の住所やサポート体制、グループ全体の信頼度などを総合的に判断するようにしましょう。

私が利用しているメインブローカー

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必要証拠金、最大購入可能ロット、ロスカットまでの余力、ポジションを取った時の証拠金維持率などを計算できます。

ABOUTこの記事をかいた人

普段は会社員として某製造メーカーの社内SEをする傍ら、主にEAを使ったFX自動売買や裁量トレードを行っています。ハイレバレッジと追証なし(ゼロカット)の環境を求めて海外FXに移行。今ではもっぱら海外のブローカーを使いまくっています。実体験を基に、信用できる情報発信ブログを目指していきます。